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【読書日記】ストレスの9割は「脳の錯覚」|脳の錯覚を修正しないと、人生で失敗する

本書の結論。

物事は捉え方次第で、
ストレスにもなれば、
ならないこともある。

「脳の錯覚」を正していけば
もっと楽に生きることができます。


どうも安全・安心と絆でつながる
キャリアコンサルタント
のタルイです。

週イチでnote更新してます。


いきなりですが
現代は「ストレス社会」です。


日本では、
2015年にストレスチェック制度
始まってます。

ストレスがメンタルヘルスだけでなく
身体の病にもつながることが
問題になっているからですね。


ところで私たちはストレスについて
いささか誤解していることもあります。


たとえば、
「ブラック企業でストレスフルな環境だ」

この表現は、正確には
ストレスを引き起こす
ストレッサーのことであって
ストレスではありません。

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ストレスとは本来
ストレッサーによって
生じる心身の歪みのことを指します。

ですから、同じストレッサーでも
ストレスを強く感じる人もいれば
そうでない人もいるのです。


また、
ストレス=悪でもないのです。
ストレスは人間の心に対する
負荷のことです。

この負荷が一定水準を超えることが
問題なのです。


ストレスには
「人を生かす」ストレスもあれば
「人を潰す」ストレスもあるのです。


今回は、こちらの本で学びました。


ストレスの9割は「脳の錯覚」


本書を読むと9割は大げさな数字とは
思えないです。

特に「日本人に限っては」です。

なぜ日本人は
ストレスを感じやすいかというと

学校教育やマスコミの
『刷り込み』のせいでした。


日本人は、ストレスが大きくなりやすい
モノの見方や感じ方をしがちなのです。


つまり、
日本人は心の病となりやすい
「まずい思考パターン」の方
が多いのです。


今回は
「まずい思考パターン」はなにか?
どうやったら避けられるのか?

以上を一緒に確認していきたいと
思います。


◆著者は言わずと知れた和田秀樹先生。


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1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神 科医。国際医療福祉大学教授。ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表。一橋大学国際公共政策大学院特任教授。川崎幸病院精神科顧問


27歳から本を出し続けて
累計700〜800冊も
出版されてるそうです!


著者ご本人も冊数がうら憶えで
ふわっとされてましたので

私もamazonで確認しようと思いましたが...
途中で数を数えるのを止めました😅

とにかく、
すごい数の本を出版されてます。

それ以外にも「映画監督」もされてました!

多才で多趣味な方のようです。


本書の目次です。

目次
第1章そのストレス、「脳の錯覚」が引き起こしていた!?(「脳の錯覚」によって、ストレスが大きなる;すべての学校教育は、「洗脳」のためにある? ほか)
第2章脳の判断をゆがめている原因は何か?
(「不合理なスキーマ」が、人の判断をゆがめてしまう;「ストレス」と「ストレッサー」の違いとは? ほか)
第3章 人が陥りやすい「偏った考え方」の傾向を知っておく(「宝くじ、毎年買えばいつか当たる」も、脳の錯覚;間違った判断をしてしまう「認知バイアス」の怖さ ほか)
第4章 「不安な気持ち」の暴走はこうして食い止める
(うつ病の原因にもなる「不適応思考」とは何か;「自動思考」の暴走を、人はなかなか自覚しにくい ほか)
第5章 「脳の錯覚」から自由になってラクに生きるヒント(「やってみなきゃわからない」が、人生を面白くする;ヒント1 テレビは「ボケ」、自分は「ツッコミ」 ほか)


今回は覚えなくてはいけない
キーワードが多いので
先に図解をつくりました。

▼こちらが本書の内容です。

人を活かすストレスと 人を潰すストレス

前述しました、
ストレスを引き起こす出来事である
ストレッサー

まずい思考パターンである
「不合理なスキーマ」「認知バイアス」
「不適合思考」によってネガティブな思考に陥り

これらが「自動思考」によって
次々と悪い概念が自動的に湧いてきて

結果、ストレスとして反応する。

このような流れです。


では詳細を私の読んだ感想も交えて
書いていきます。


◆「脳の錯覚」によって、ストレスが大きくなる

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ストレスの元となる出来事への反応は
人それぞれです。


友達にLINEして既読がつかないと
「嫌われているのかな?」
と悩む人もいれば

「きっと仕事で忙しいんだな」
と思える人もいます。


つまり、物事の捉え方次第
ストレスになるのか、
ストレスにならないのかが決まります。


この物事の捉え方は
これまでの人生の中のどこかで形成した
「刷り込み」によるものです。


この「刷り込み」は書籍によっては
「考え方の癖」「思い込み」「思考グセ」
と言い換えられることもあります。

本書では脳の錯覚=刷り込みです。


人生において数ある「刷り込み」
その中においても


影響力がもっとも大きいのが
「学校教育」なのです。


堀江貴文さんの言葉ですと
これは「洗脳」です。


「チャイムがなったら席につく」
「授業中はおしゃべりしない」

もちろん、
この刷り込みが
悪いことではありません。


初等教育において社会で生きるための
「共通ルール」を覚えることは必要です。


問題は...

大学、大学院といった高等教育では

初等中等教育とは
正反対の教え方が必要なのです。


著者は力説されてます。

それまで習ってきた刷り込みを疑い

自分なりの仮説を立て、
新しい価値観を生み出す力を
はぐくむ必要性を教えることが重要でした。


さらに著者は指摘します。

日本人は欧米に比べて
「疑う力」が欠けている。

ちなみに欧米での高等教育では

「いや、そうとは限らない」
「例外もあるはずだ」
「オレの意見はこうだ」

と、イチャモンばかりつけられますが
結果、相手と積極的に議論することになります。

この姿勢こそ「疑う力」です。

「常識を疑い、仮説を立てる」
思考トレーニングの技術を身につけてます。


なるほど🤔

私は、前回の記事で
社会に出たら、
「脱・正解主義」「アート思考」
身につけることが
大人の階段を昇ることを書きました。

しかし、この2つは
社会に出てからではなく
高等教育の段階から学ぶこと
必要かもしれません。



◆人の判断を歪める「不合理なスキーマ」

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刷り込みや思い込みのことを
心理学では「スキーマ」と言います。
日本語ですと「信念」とも訳されます。

「スキーマ」とは物事を認知するときの
パターンのことです。例えば...

「1+1=2」
「赤信号は止まれ」
スキーマなのです。

スキーマ自体は
思考のショートカット機能です。

今までの経験により蓄積され
日常においては大変便利です。


しかし、中には
不合理なスキーマもあるのです。

例をだすと「血液型スキーマ」です。

「A型は真面目」と
ショートカットで考えてしまうと...

だらしないA型の人が、
遅刻するという行動に
自分の勝手な解釈を加えてしまいます。

「この人は例外のA型の人かも🤔
「私の時間の伝え方が悪かったのかも
💦


このように「A型は真面目」という
スキーマ自体を疑うことをしないのです。


人を活かすストレスと 人を潰すストレス


こういった「不合理なスキーマ」が
多い人ほど
ストレスを作りやすいのです。



ストレス発生の9割は、
その人がどんな刷り込みや思い込みを
持っているのかで決まります。


著者の和田さんは
「PRESIDENT Online」で
連載記事のなかで


世間的には賢いとされる
高学歴の官僚や大企業経営者も
バカになることがあるをテーマに
執筆されてます。


なぜ、賢い人がバカなことをするのか?

それもやはりスキーマの問題なのです。


例えば、記憶に新しい
安倍さんのお友達の森友さんの件。

公文書改ざんがバレて免職になったら
再就職も難しくなるのに

なんで財務省のエリートが
こんなコトしちゃうのか?
不思議ですよね。

それは官僚の世界に蔓延する
スキーマが原因です。

「東大を出て官僚になり、
次官まで出世することが人生の成功」


これが自動思考で反応して
行動を狂わせのではないか?
と分析されました。


また、このスキーマが原因で
「認知バイアス」も起こります。

人を活かすストレスと 人を潰すストレス


「あいつの意見はバイアスかかってる」
このように使われますね。

バイアスとは
合理的ではない誤った判断の意味です。


本書では以下の認知バイアス
紹介されてます。

【損失回避の法則】
「本日限り50%オフ!まもなくポイントが失効します」
【コンコルド効果】
「損は出たが、これまで投資してきたし今さらやめられない」
【フレーミング効果】
生存率90%の手術と、死亡率10%の手術。どっちを選ぶ
【属人主義】
「賢い学者がそう言っているんだから、間違いない」
【ハロー効果】
「立派なスーツだから、この人の話は信用できそう」
【確証バイアス】
「A型の男性って、細かくて面倒くさいよね」
【フィア・アピール】
「この商品でケアしないと、肌が老化する一方ですよ」


◆うつ病の原因ともなる「不適応思考」とは何か?

うつ病は性格の問題ではなく
思考グセが原因でした。

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この思考のクセを本書では
「不適応思考」と解説してます。

心理学の本では「認知のゆがみ」
書いてあることが多いです。

本書では以下の9つの不適応思考を
紹介されてます。

【二分割思考】
「曖昧ではなく白か黒か決めたい!」
【完璧主義】
「完璧な資料を作らなければ意味がない」
【べき思考】
「主婦なんだから、家事は全部やるべきだ」
【過度な一般化】
「最近の若者は、キレやすい」
【拡大視・縮小視】
「会社にとって、私はお荷物だ」
【自己関連付け】
「プロジェクトが失敗したのは、私のせいだ」
【レッテル張り】
「おれは勝ち組、あいつは負け組だ」
【読心】
「あいつは内心、おれのことをバカにしている」
【情緒的理由付け】
「こんな不景気じゃ、何をやってもうまくいかない」

代表的な不適応思考に
セリフを加えてあります。

ひょっとしたら、あなたは
このセリフを読んで

昭和なオジサンサラリーマン
イメージされませんでしたか?


私はここが本書のキモだと感じました。


ここで、不都合な真実が
明らかになります。


実は、精神医学的には「不適応思考」でも

企業からみると「適応思考」なのです。


物事を白黒つけるまで追求し
完璧主義で丁寧に仕事する。

仕事のミスは自分のせいと
勘違いできるほど真面目な性格です。

この認知の歪みはまさに
企業に取ってはうってつけの人材
ですよね?


しかも...

一般論を疑うこともせず
そのまま受け入れて

家事は妻に丸投げできるほど
会社に忠誠を尽くせる。

常に、上司・同僚・部下からの
視線に怯えて
去勢を張ってマウントを取りつづけ

会社に居場所がなくなると
自分を会社のお荷物と認知して

年齢給が上がった頃に
勝手に退職してくれる。


本当に会社に都合よく適応してます。

これらは全部「脳の錯覚」に反応した結果なのです。

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こちらの図をもう一度ご覧ください。

人を活かすストレスと 人を潰すストレス

不合理なスキーマ
認知バイアス
不適合思考

これらは、たしかに脳の錯覚
言えるでしょう。

ストレスの9割は
脳の錯覚とも言いきれるでしょう。

そして日本人がいかにストレスを
抱えやすいのも理解できました。



さて、不適応思考の方の
昭和・平成型サラリーマンにも

終身雇用・年功序列の時代には
出世ルートにのりやすく
適応的だったのです。

世間の「こうあるべき」にも
頑張れたら報われた時代でした。


でもね、
もう時代が変わったのです。

不適応思考のまま、
ストレスで心身の不調を崩すほど
頑張っても
企業は報いてくれません。


いまは「こうあるべき思考」より
「テキトー」のほうが
ストレスから逃れることはできるのです。


◆【解決策】不適応思考を自覚することが抜け出す第一歩


それではどうしたら
不適応思考を変えられるのか? 

解決策は『メタ認知』でした。

人を活かすストレスと 人を潰すストレス


メタ認知とは自分を客観的に見つめて
「自分の認知パターンを認知する」
ことをいいます。 

メタ認知が上手な人は
自分が置かれている立場・状況、
感情などを正確に把握してます。


「いま自分は二分割思考に 
 とらわれているぞ!」

と気づいたら

「白でも黒でもないグレーな領域にも 
 目を向けたほうが良さそうだ」
↓↓↓

「自分一人でこの仕事を背負い込まないと
 いけないと思い込んでないか?」
      ↓↓↓

「上司や部下の意見も聞いてみよう」

などと、
認知のゆがみを調整できるのです。


ちなみに私の経験ですと、
普段からここまでの深いメタ認知は
なかなか時間がないとできません。

私が習慣化しているのは
自分の認知のゆがみに気づいたら

マインドフルネスの初級である
「ラベリング」をつかいます。


以前にこちらの記事で紹介しました▼

内容をざっくりと説明すると
二分割思考のことを
「シロクロン」と名前をつけて
気づいたら名前を呼んで受け流すだけ。

ちなみにこれが「シロクロン」

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これで、思考の流れが一旦止まりますから
そのあとに非合理な考えが
頭の中を埋め尽くすことはなくなります。


本書において、著者の和田さんは

せめて大事なことを決断するさいには、
意識してメタ認知を働かせる習慣を持ちたいものです。

ここ一番の大きな決断には、
メタ認知を働かせて、

大きな失敗だけは
避けるように提唱されてます。



◆「やってみなきゃわからない」が人生を面白くする


ここまでをまとめます。

●ストレスの9割は「脳の錯覚」でした。

●脳の錯覚とは「不合理なスキーマ」
「認知バイアス」「不適応思考」です。

●解決策の第一歩は「メタ認知」からです。


そして本書の最終章では「脳の錯覚」から
抜け出すための18のヒントが紹介されてました。

これらは、
自分の持っているスキーマを自覚し
「こうあるべき」をやめるための習慣
いくつか提案しています。

●[ヒント1]テレビは「ボケ」、自分は「ツッコミ」
●[ヒント2]事件の加害者の「弁護人」をしてみる

●[ヒント3]あれこれ考えるなら、紙の上で
●[ヒント4]「出来事→感情→思考」のログをとる
●[ヒント5]「極端な考えの人」に会いにいく
●[ヒント6]カチンときても受け入れてみる
●[ヒント7]SNSで「異端の仲間」を集める
●[ヒント8]「できないものはできない」と割り切る
●[ヒント9]「負けた後の方策」を準備しておく
●[ヒント10]「人生は実験なんだ」と考える

●[ヒント11]多少のリスクなら、怖がらない
●[ヒント12]考えるより前に、まず行動してみる

●[ヒント13]インプットから離れ、アウトプットする
●[ヒント14]悩んだら散歩にでるか、寝てしまう
●[ヒント15]「本業」とは別に、何か活動の場を持つ
●[ヒント16]まったく違う環境に身を置く
●[ヒント17]「誰が言ったか」より、データーを重んじる
●[ヒント18]プロセス重視よりパフォーマンス重視

もちろん、
「人によって効くもの、効かないもの」
どうしてもあります。


本書で著者からも提案がありました。

たとえ、一つ試して効果がなくても
そこで諦めず、次を試してください。


うまくいかなかったら、また次の策。


あらゆる可能性を試すマインドさえあれば
得られるものはいくらでもあります。

そして最後には
自分にとってベストな習慣にたどり着けます。


「やってみなければわからない」


この姿勢こそ、
不都合なスキーマの縛りを解くために
一番大切なことでした。


ちなみに、精神科医を
名医とヤブ医者にわけるなら

「試す方法をたくさん
 持っているかどうか」


これが大きな違いだそうです。

つまり
あれこれ試行錯誤できる医者
名医なのです。

裏を返すと、
医者自身がこうあるべき
べき思考が強いと困るのです💦

「この薬を飲めば治る」
「生活態度をこう改めれば治る」

こう言い切って疑わないお医者さんは
たしかに怖いですね😱


さて、私も
「やってみなければわからない」
の姿勢で人生を楽しみます。



最後までお読みいただき
ありがとうございます。

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