日本で広がるフリーフロム食品


日本でも徐々に浸透しつつあるフリーフロム食品ですが、まだまだ新しい食品分野です。この記事では、日本におけるフリーフロム食品を紹介します。


日本で広がる主なフリーフロム食品の具体例


1 グルテンフリー

グルテンフリーは小麦、大麦、ライ麦などに含まれるグルテンと呼ばれるタンパク質が入っていない食品のことです。グルテンとは、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2つのタンパク質が水を加えてこねることで合わさってできるタンパク質のことです。グルテンは小麦アレルギーやセリアック病、グルテン不耐症などを持つ人の体調悪化の原因につながることから欧米を中心にグルテンフリーの考え方が広がりました。グルテンフリーは「〇〇フリー」という「フリーフロム食品」の中でも一番歴史が長い考え方といえます。日本でも小麦粉の代わりに米粉を使った商品が開発されるなど広がりをみせている分野です。

2 アレルギーフリー

アレルギーフリーはアレルギーの原因となる特定の原材料を使用していない食品のことです。日本でも浸透しているフリーフロム食品の1つです。日本でも特定原材料およびそれに準ずるもの28種類(※1)を使用していない商品が数多く販売されています。

※1 特定原材料(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)およびそれに準ずるもの(アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)

アレルギーフリー食品には特定のアレルギー食品だけを除いた食品もあり、具体的には以下のような食品があります。
  例)エッグフリー(卵不使用)
    デイリーフリー(乳製品不使用)
    ソイフリー(大豆不使用)

3 ミートフリー

ミートフリーは肉を使用していない食品のことです。ベジタリアンやヴィーガンなどの食習慣が徐々に広がっていく中で、ベジタリアンやヴィーガンでなくても、健康志向や環境への配慮から日常的に食べることを選択する人が増えてきました。日本でも近年、「大豆ミート」や「プラントベースミート」の商品を取り扱うお店が増え、日常的に使うスーパーなどでも手軽に購入しやすくなりました。

実はこれもフリーフロム食品の仲間


1 アルコールフリー


 アルコールフリーはアルコールが使用されていない食品のことです。日本でもビールやワイン、梅酒など各種飲料メーカーがアルコール0のお酒に似せたノンアルコール飲料が製造、販売されています。また、英語の「Mock(似せた、真似た)」と「Cocktail(カクテル)」を合わせて作られた「モクテル」というカクテルテイストのノンアルコール飲料もイギリスを発祥として徐々に日本も含めて世界的に広がりつつあります。

2 ファットフリー 


ファットフリーは食品からすべての脂肪分を取り除いた食品(※1)のことです。日本では無脂肪乳やそれらを活用したヨーグルトなどがスーパーの店頭に並んでいます。

※1 無脂肪乳とは日本では乳等省令により「生乳100%、成分調整して殺菌したもの、乳脂肪分0.5%未満、無脂乳固形分8.0%以上」と定義されています。

日本における「フリーフロム食品」

日本におけるフリーフロム食品はまだ「食物アレルギーや不耐症など特定の食材が食べられない人に向けた食品」や「ヴィーガン、ベジタリアンと同義的な食品」という認識が根強い傾向があります。しかし、健康や環境保全、動物愛護や食に対する個人の価値観をもとにすべての人が気軽に選択できる食品として徐々に浸透している食品でもあります。

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