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若月房恵
2022年7月28日 15:08
ひさしぶりに乗った朝9時のバスは、お年寄りから小学生まで、さまざまな人生がひといきれするように、息苦しかった。山を下るバスに、おなじ住宅地のひとびとが詰め込まれている。ここが山の上の開拓地だった頃から住んでいるひとびと、それから時を経て、地縁もないけれどただ移り住んできたわたしたちの世代。バス停に近づくと、バスを降りたひとびとが見えて、わたしはベビーカーを押しながら走った。「はしらなくてい