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〇〇 強化型人間を目指す:PM + プロダクトに関わる人のプチキャリア論と、今後強化できる 20 のスキルについて

職種に通常求められる職能を超え、自身をあえて「自分は 〇〇 にも強みがあります」と主張する必要に迫られた場合。プロダクトに関わられているみなさまは、どんな言葉を 〇〇 に入れようと思われますか?

「アプリオタクなので、UX の引き出しには自信があります」「戦略立案なら、元コンサルの私にお任せを」「元エンジニア。開発 ROI 最大のプロジェクトを提案できます」などなど……色々な答え方があるかと思います。

こうした強みを持った「〇〇強化型人間 にならなければマズイ」と最近自分は強く感じるようになってきているのですが、結論から書くと、例えば  PdM の場合には最も良く言及されがちな デザイン or コードができなくても大丈夫。思ったより強化エリアにも色々な方向がありそう。

こんにちは、フリッツ と申します。本記事はプロダクトに関わる方々が「強みを伸ばしたい・増やしたい」と思われた際に(=つまり今の自分です)どんなスキルセットがありえるのだろうか?ということについて、個人的にいろいろリサーチしたものをそのまま公開するものです。

今回は、なぜ、いま 〇〇 強化がキャリア形成において必要なのか?というプチキャリア論、および、個人的に興味をひかれた「プロダクトに関わる人が強化できそうな 20 の職能」ついて見ていきます。

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2 万字を超える文章量になってしまったので、全部を頑張って読んでいただくよりは、上記の記事構造(=もくじ)を元に、気になった部分をつまみ食いして頂ければ幸いです。

01# 〇〇強化 は本質ではない

のっけから逆説的ですが、本記事は(特に PdM の方にとっては)真っ向からその価値を否定することもできます。例えば:

「〇〇 強化型になる必要、あります?PdM のミッションはプロダクトの成功ですよね。強化型とか言う以前に、その根本に関わるところについて突き詰めることこそが大事じゃないですか?」

仰る通り。PdM は この記事 で書いた通り、本来の役割はあくまで 問題発見と戦略策定・優先順位決定・実行フェーズのファシリテーション、という 3 つに集約されるはずで、その強化こそが PdM のバリューを最大限に発揮できる一番の近道のはずです。

02# それでも強化が必要だと考えるワケ

プロダクトマネージャーも差別化が必要なフェーズが来ている?

それにも関わらず、この記事を書く理由。それは、近年加速度的に「これも、それも、あれもできますけどもぉ?」といった優秀なプロダクトマネージャーが増えてきており、PM(PdM) も本質+@ の差別化が必要なフェーズだと感じているからに他なりません。個人的には「これから先、PM もアドオンで能力を身につけないと生き残れない……」と、近年危機感を持つようになっています。

そう感じる理由を以下につらつらと。

iOS/Android ストアが世に出てから、はや 12 年 が経ち。業界のグル的存在である Ben Horowitz 氏が PM のバイブル「Good Product Manager/Bad Product Manager」を執筆されたのが、実に 23 年も前となりました。

僕がこの「プロダクトマネージャー」的な職種を務めるようになったのは iOS/Android ストアが世に出た 2 年後でして。もちろん note は存在せず。medium もなく。当時はノウハウがどこにも無い中で「これはなにをどうしたらいいんだ!こんな状況はじめてだ!」と、誰もが右往左往。ヘタクソでもプロダクトをリードできれば重宝される時代でした。

しかし 2020年のいま、その光景は間違いなく変わってきています。

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元デザイナー・元エンジニア・元コンサルといった特殊職能を持つ PM も増え、そもそも、「エンジニアリングバックグラウンドがなければ PM として採用される可能性は限りなくゼロ」な会社も相当数に。

note でも、 medium でも PM・PdM 論は百花繚乱となり、「インターネットの高速道路」に乗った現在の 10 代・20 代の知識量は、業界勃興時のプロダクトマネージャーのそれをはるかに上回っています。

シリコンバレーで思ったこと:モンスター級 PM が増えている

冒頭の「〇〇」の質問に関して、自分の場合は元々へっぽこデザイナーを兼任していた時代もあって、今のところは「UIUX 強化型」と答えています。それで十分に差別化ができている、とも思っていました。

しかし、シリコンバレーでは、「デザインもできます。コードもかけます。あ、ちなみに元コンサルなので戦略的思考も自信ありますよ(ドヤァ…ニヤァ…)」といったモンスター級 PM がどんどん増えてきています。(追記:個人的な観測範囲内で、ですが。)たとえ 〇〇 で差別化していたとしても、それがひとつじゃ足りない、という時代の足音が聞こえてきています。

当然、日本でもそういう人が増えてきているのではないか。このあたり、文脈は少し異なるのですが Pairs VPOP の @kanadada さんが以下記事の「細分化・専門化」という項目で近しい事を述べておられます。

常に学び続けるエンジンをインストールしないといけない時代

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以上の理由から、新技術を常にキャッチアップしているエンジニアのみなさまよろしく、プロダクトマネージャーも「常に学び続けるエンジン」がデフォルトでインストールされていないといけない時代なんだなぁ、と(今更)感じており、本記事に至っています。

03# チームの突破力をはねあげる:アンドウさんとタナカさんの場合

さて、冒頭で「PM の本質は問題発見と戦略定義・実行フェーズのファシリテーション。〇〇 強化は余計で、あえて言うなら手段程度。」と書きました。しかし、

(あくまで、本質がある一定のレベルを超えている場合に限り、実は)上記の本質特化型よりも、後述する手段特化型 PM のほうがより多くの成果を出せる、といった逆転現象が起きているのではないか?と最近は考えるようになりました(どっちやねん…)

タナカさん、アンドウさんという 2 種のプロダクトマネージャー例で具体的に図解してみました。(割と過去の体験に基づいています):

(1)……タナカさん:広範な領域において個人のアドオンスキル 計 10 ポイントをバランス良く割り振っている方。そしてそのチーム。
(2)……アンドウさん:専門職に肉薄するレベルで個人のアドオンスキル計 8 ポイントを データ抽出・分析 に振り切っている方。そしてそのチーム
結論:後者のアンドウさん(8 pt)チームは前者のタナカさん (10 pt)チームに対して圧倒的な 改善力・実行力 を持つことになります。

以下解説:もっと様々な職種の方がここには含まれるべきなのですが、簡略。また、今回は PdM を中心に据えていますが、どのポジションと置き換えても似たような話になるはずです。

幅広い知識を持つタナカさんとそのチームのダイナミクス:

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いろんな分野の知識を持つタナカさん。どのエリアにおいてもある程度の知識を持っており、チームとも話が弾みやすく、まわりの人からも「なんでも知ってるよね~」と慕われています。

しかし、ランチでの雑談はともかく、実は業務フェーズになると悲しいことにこうした広範な知識がまったく役に立たなくなります。

なぜか。「下手の考え休むに似たり」「帯に短し襷に長し」という古来のことわざが最もそれを言い表しているかも…

それぞれのフェーズで活躍する専門職の方々は、それだけを追い求めて常に最新の知識をアップデートし続けています。こうしたプロフェッショナルに対し、タナカさんは各分野の知識をちょっと齧っているだけに過ぎません。こうなると、ちょっとしたフィードバック・アドバイスのどれもが、専門職の方からすると「その案は既に検討しました。それを採用していない理由は〇〇であり、また✖✖です。」と、ステキに打ち返されるのが関の山。

結果、タナカさんの広範囲なアドオン知識は、チーム全体のアウトプットで見た場合にバリューを全く発揮できていない状態となる:

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例えるなら、超初級 SQL スキルしか持っていない PM (僕)が、データの深堀りフェーズにおいてデータサイエンティストの役に立てることはゼロに等しい、という話に近しいのかも。しょぼん。

一点能力特化型のアンドウさんとそのチームのダイナミクス:

翻って、もうちょっと夢のある話。今度はスキル計 8 ポイントをデータ抽出・分析に振り切ったアンドウさんの例を見ていきます。

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確かにアンドウさんは、ほとんどの場合においてタナカさんとは違い、チームメンバーに対してちょっとしたフィードバックすら行うことができません。「UIUX はデザイナーに任せた。」「コーディング?ぼくなんもわからない。」「マーケティング知識ないんだよな~」と頼りっぱなし。

しかし、アンドウさんは本職のデータサイエンティストと対等に議論できるほどの強力なデータ抽出・分析能力を持っています。その結果……

特定分野においてアドオンバリューを発揮するアンドウさん

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アンドウさんは、チームメンバーのデータサイエンティストと対等レベルで議論を行うことができ、分析により大きな幅を持たせ、また彼・彼女が忙しい場合には代わりに自らデータ分析を行うことすらできてしまいます。これが最終的には、施策分析フェーズをより高い品質・高スピードで回して次のプロジェクトにつなげることを可能年、結果、チームの総合力強化につながることになります。

こうなると、中長期的にプロダクトに対する貢献度として、タナカさんチーム vs. アンドウさんチームは以下のような対比になっていきます:

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注記:
1. 繰り返しとなりますが、タナカさん・アンドウさんはどちらも PdM の本来の職能においては同等レベルの力量を持った人物と仮定
2. タナカさんケースも、僕が見逃しているメリットがあるかもですが…

まとめ:最後に自分の実例

ちょっとおこがましいのですが、最後に自分の例を。まがりなりにも「UIUX 特化型 PM」に集中してきた自分の場合、以下のようなメリットを享受できている気がします:

1. モックアップを自分で制作できるため、VPOP や経営陣に対して「こんな感じの機能を作りたい」というイメージの説明が容易になり、時短ができる。施策アィデアぜんぶをデザイナーに依頼していたらたいへん。
2. 施策において、(例:モーダル型・チップス型・モジュール型など)どの UX を採用するべきかをデザイナーとある程度まで議論できる。7 割は却下されるが、3 割は「あ、確かにこっちのほうが良いですね!」と受け止められる。その結果、エンドプロダクトが改善される。
3. 楽しんで仕事をしてくれる。自分の領域の価値・苦難・複雑性をそこまで理解してくれていない人と、かなり理解してくれている人と、どっちと働きたいでしょうか。どっちのほうがモチベーションがあがりますか?という。

おそらく、圧倒的戦略思考型も、ユーザーリサーチ特化型も、エンジニア型も、上記のように、それぞれの独自のメリットがあり、チーム全体の突破力・実行力を飛躍的に向上させているはず。

04# プロダクトに関わる人なら誰でもこのメリットを享受できるはず

更に、こうした「〇〇 に立脚した特殊な強みを持つこと」のメリットを享受できるのは、別にプロダクトマネージャーに限られません。一例ですが、以下に自分のチームの経験談をサクッと:

自分が PM で参加していたチームに、プロジェクトマネジメントスキルが異常に高いエンジニアさん がいました。専任の PJM がいなかったため、序盤は自分がきちんとやろうとしていたプロジェクトマネジメント。しかし、この方の能力があまりにも自分のそれの遥か上を行っていたので、僕はこれを放棄。その結果、僕もチームも
(1) 自分は他のタスクに集中することができる
(2) 専門の PJM がついたかのようなチームの動きのスムーズさ
といったメリットを享受することができ、最終的にはチームのアウトプットに相当のレバレッジが効くこととなりました。(感謝してもしきれない)

05# 調査方法まとめ:70 記事をリサーチ

ようやく本題。さてこうした「〇〇強化型」として、どのようなスキルセットがターゲットになりえるのか?個人の頭・経験だけで捉えられるエリアには当然限界があります。ということで、リサーチ。

こんな感じで調べたよ

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Medium および note で「プロダクトマネージャー」「スキルセット」等と検索し、特にいいねやフォロワーの多い記事をチェック、ざっと読んでスキルセットについて言及が無さそうならばスキップ。ありそうなら参考記事としてキープ。キープ記事が 70 になるまで続ける。

ピックアップ終了後、70 の記事をじっくり読みこみ、気になった点・およびおよび記事内で言及される PM のスキル(独断と偏見)を抜き出し、メモしていきます。#11 に主要記事へのリンクを貼っておきました。あわせてご参照ください。

06# 個人的に特化してみたいと思った 20 種類のスキルとオススメ記事を紹介

リサーチ記事において出てくるスキルには枚挙に暇がないのですが、全部紹介するのは不可能。ので、網羅性を意識はしつつも、個人的に興味をひかれた 20 種類のスキルをまとめてみました。他にも CX や人材獲得などなど、特化すれば面白そうなスキルはたくさんあるのですが、残念ながらこれキリがないです。

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なお、以下に解説する 20 スキルについては個人の限界が顕著に表れています…汗。ので、以下の 3 点の注意書きについてご留意頂いたうえで読み進めて頂けると、読者のみなさまにとっても良いかと思います。

注記 1 : 以下 20 スキルは多くの場合、専門職が存在するほどの奥が深い領域であるため、僕が書いた「概要」がうまくその領域をあらわせていない・むしろ間違っている 場合が多々ありそうな気がします。その為、興味を持たれた場合は是非、各記事に添付した参考記事にあたっていただき、専門職の方の記事を通した、より正しい導入をしてもらえればと存じます。
注記 2:定義も曖昧、MECE でもなく、粒度もばらばら。そもそもこれ PM の職能のひとつですよね?といったものもありますが、このあたりは「PM に限らずプロダクトに関わる人がそれに特化すればチームの出力をあげられそうなもの = OK」という、乱暴なごった煮です。
注記 3:このスキルセットは筆者の現在までに勤務した業界・スキル理解・自分の能力の隔たり・特に「面白いと思うかどうか」の興味がそのまま顕在化しています。例えば エンジニアリング周りはもっと分割できるはずですし、B2B 経験やゲーム業界の経験が無い ので、そうしたスキルなどは非常に含まれ辛くなっています。ご容赦ください。

さて、それぞれを自分なりにまとめてみました。

S-1. 戦略思考・俯瞰思考特化型

概要
機能・施策ひとつひとつではなく、業界のトレンドやビジネスの利益構造理解・種々のフレームワーク化などを駆使し、俯瞰した視点でもってプロダクトの「より大きな図」・全体のロードマップ・PM それぞれの施策決定に影響力を持つ能力。元コンサルの方などはこの傾向が強い。どちらかと言えば Director / VPOP の職能に近いかもしれないが…

特徴・メリット・デメリット
・のっけから PdM の職能と一部被っていますが。元コンサルの方など、一般的な人間の思考力をトレーニングの凌駕した方がこの部分に集中すると、プロダクトのみならず内外に大きな影響力を持つに至る。
・こうした能力は彼/彼女自身の施策のみならず PM 全体の施策に大きな影響を及ぼし、更にはマーケティング・ファイナンス・CRMなど他部署の戦略構築にも大きな影響力を持つ例が多い。
・プロダクト全体を俯瞰して見るので、いずれはよりレバレッジの効くエリアを発見できる。
・割と実行フェーズがその分時間を割けず弱くなりがちではある。

非常に抽象度の高いモノであるだけに、「特化することによるメリットを解説した、これ!」と言った日本語の記事が見つからなかったので、一旦、新社会人ですら見飽きているであろう教科書とも言える本 2 冊+英語の記事をご紹介してお茶を濁しておきます。良い記事があればご教授ください。

S-2. ワークショップ・ファシリテーション特化型

概要
アイデェーション・ブレインストーミング・ユーザージャーニー作成など、多くのメンバーが参加するミーティング・ワークショップにおいて、テーマを適切に設定し、会議をファシリテートして進めていく能力。PM が担当する場合は割と 0->1 の施策発案フェーズで多用される。

特徴・メリット・デメリット
・誰にでもできそうで、実はこの「良いテーマ設定能力」「ファシリテーション能力」を持った人間がいないと「誰からも意見が生まれない」「議論が停滞する」「着地点が良く判らない」「結局施策にはつながらない」などの事態に陥りやすい。
・通常業務中にこうした「一度立ち止まって皆で議論する」機会は中々持たれにくい。しかし、こうした機会を活用することで、通常業務中には生まれないような、より根本問題にフォーカスした施策が生まれることがある。
・通常業務中に活用しにくいスキルではありそう。
・自ら創り出していかないと活用機会はそこまで高くないかも。

@YukiAnzai さんの note において上記に関連する内容がびっしりと公開されています。特化することはなくとも、一通り読むことによる気づきは沢山ありそう。以下の記事からほんの少し抜粋:

課題解決のためのチームの話し合いにおいて「話し合いが盛り上がらない」「良いアイデアが生まれない」「チームの一体感がない」と感じるとき、それはメンバーやファシリテーターの能力不足ではなく、チームで向き合っている「問い」がうまくデザインされていない場合が大半です。

S-3. Business Development (BizDev) 特化型

概要
本来はかなり定義が広いはず?が、ここではいわゆるそうした肩書きの人がメインに担当しているっぽい「特に他企業とのアライアンス構築・交渉を通してビジネスおよびプロダクトに新規価値をもたらす」能力と定義。自分の周りにいた多くの PM の施策はほとんどの場合社内で完結していたが、こうした渉外を伴う施策案の場合にはそれに特化した方がメイン PM を担当・もしくはヘルプ PM になるケースが多く見られた。

特徴・メリット・デメリット
・BizDev によりプロダクトの成長角度が一気に変わる、といった例には枚挙に暇が無く、プロダクトの成長に対して非常に大きなレバレッジを持つ。
・他企業とのアライアンスの構築・交渉等は社内コミュニケーションとは全く違う能力が要求される為、これに特化していると重宝されやすい。
・想像だけど、たぶん既存人脈・人脈構築能力もスキルに含まれるはず

BizDev の実例・内容・やりがい・難しさを雰囲気だけでも理解するのには、以下の記事などが面白かいかも:

S-4. ユーザー・ユーザビリティ・UX調査特化型

概要
プロダクトおよびプロダクトの UX とユーザーの関係における、仮説発見・検証に特化した能力。UIUX デザイナー / PM / UX リサーチャーなどなど多くの職責において幅広く要求される能力。ここではアドオン能力としてざっくり「ユーザーとのコミュニケーションを通しての調査特化型」と定義。恐らくこれも本当は 2-3 つに細分化できそうではある。一般的な PM は多かれ少なかれこうした調査を行っているが、手法を突き詰めていくと、当然専門職が存在しているだけに相当に奥が深い。

特徴・メリット・デメリット
・ユーザーの問題を解決するのが PdM の職責であることを踏まえると、これに特化することによる施策へのレバレッジポイントは非常に大きい
・プロダクトを触り倒している上に、日常業務の忙しなさでは忘れがちになってしまう「ユーザーの視点」を常に鮮度高く保つことができる
・専門の方々が業界内に見られるようになってからまだ 4-5 年?今後ますます必要とされている能力のように思われる

@mihozono さんの note 記事全般がとても参考になります。今までに何名かお見かけした「プロダクトマネージャーから UX リサーチャーに転向」された方の入門記事であり、他にも UX Research 関連の記事を沢山書いておられます。後日じっくり読む。

@shun_kawamura さんの記事も実践手法がまとまっていて、入口で興味を持つためにとても良さそう。勉強しなければ。

S-5. ドメイン・業界知識特化型

概要
「EC業界のみに 10 年フォーカスしています」「ラグジュアリブランドを 4 社経験しました」「元金融業界です」などなど、業界特有の市場構造理解・慣習理解・ユーザー理解に特化した能力。多くの場合、こうした業界特有の知識を習得するのには数年単位の時間がかかるため、能力がマッチしている場合、プロダクトの発展においても転職においても非常に重宝される。

特徴・メリット・デメリット
・業界の理解といったビジネスサイドからそれに関わるユーザーサイドのマインドセットの理解まで、素人がそれに追いつくには数年単位の時間がかかるため、チーム内で非常にアドオンバリューを発揮しやすい。
・正直それだけで一生食っていけるんではないか。
・転職市場的には、特化しすぎるとそれ以外を簡単には経験できなくなる?

残念ながら、なかなか「ある一定の業界知識に特化することによるメリット」を紹介している記事が見当たらず…あまり知識はないけれども、過去に観測できた事例からひとつ記事を(いつか)書いてみたいかも…

ということで、代わりに:メルペイに業務上一切関わったことがない自分からすると「これ、業界ならではの知識を身につけないと大変だろうなぁ…自分にはとてもできない…」と思った記事を以下にご紹介:

S-6. グロースハック特化型

概要
プロダクトの圧倒的成長にフォーカスして、グロースハックというマインドセット・手法で以てこれを実現する能力。PdM の本来の職能とオーバーラップする部分は非常に大きいものの、一時期は専任職「グロースハッカー」が勃興していただけにかなり奥が深く、特化することによるレバレッジポイントが存在する。自分が齧っただけでもグロースハックの定型・方法論は実に多彩で、これらをソフト・ハード面の両方で習得した PM は他の PM と比べてもプロダクトの成長角度により大きく貢献できるはず。

特徴・メリット・デメリット
・PdM 本来の職能との境界が非常に曖昧ではあるものの、これを徹底的に突き詰めた PdM というのは意外に少ない気がしており、フォーカスすることによりあるポイントで一気にレバレッジが効く能力かもしれない。
・方法論はインターネット上に非常に多く散らばっており、割と「インターネットの高速道路」に乗りやすい。
・極論何事も「一点を集中して追えるかどうか」であり、「グロース部門」が存在しない限り、現実にはこれだけに集中して業務を行うことが難しい?だからこそこのエリアへの特化型 PdM が存在しにくいだけかも?

@kajikent さんが書かれているグロースハック関連の note 記事が非常に実践に近く、結構ワクワクして読み倒せました。他記事もあわせて読むことで解像度が格段に変わりますが、特に以下などは面白い:

S-7. PL/ROI 等インパクト算出特化型

概要
インパクトの大小による優先順位策定は PdM の基本職能のひとつだが、ここでは「PL - 損益計算書 ROI - 投資対効果算出 などファイナンス的な知識を応用してインパクトの大小を想定できる能力」と定義する。

特徴・メリット・デメリット
・誰でもこれの真似事はできるが、それでも局所的に活用されているだけの場合が多い。言うは易し行うは難しで、これを (1) 面倒臭がらずに (2) 必要以上の時間をかけずに (3) 常に高いレベルで行えるのであれば、特化するに値する能力としてカウントして良いはず。
・PL/ROI 算出のみならず、インパクトによる優先順位策定にも KAMO モデル・MOSCOWモデル・RICE スコアリングなど様々な手法が存在する。
・投資を必要とする新プロジェクトの説得材料になる。
・どうしても机上の空論にはなるので、活用できるかどうかはステークホルダーのマインドセットにもよるかもしれない?

日本語でちょっと良さそうな記事が見当たらず。ということは特化するには少し筋が悪いスキルなのかも?ははは。と、思ったら英語ですが、良い記事がありました。日本語で似た記事を見付けたら更新します。

S-8. プレゼン&関係者マネジメント特化型

概要
たかがプレゼン、されどプレゼン。特に経営陣等のステークホルダーに対して新しいプロジェクトを承認してもらうため・チームに対してプロジェクトの価値を理解してもらうためのコミュニケーション能力。

特徴・メリット・デメリット
・いわゆる経営陣に対して新プロジェクトをプレゼンテーションし、承認を取り付ける能力。同じ能力を持つ PM でもこの 10-20 分におけるプレゼンテーション能力の違いが成否を分ける事は多々あり。それが研ぎ澄まされると「無理筋」のプロジェクトも「やってみよう」と承認を取れたりする訳で。
・またこうした最終プレゼンテーション前にステークホルダーに対して事前に頭出しをしておき、賛同を取り付けるといった政治力もそれなりに必要。
・(感覚ですが)そもそも一定のカリスマが必要な気がする。後、性格。
・ステークホルダーをそれぞれ事前に説得していきつつ、最終承認を得る場で常に拍手喝采を得るような、とある PM と共に働いたことがあるのですが、ホントあの突破力は脱帽モノ。

以下、業界では有名な Amazon のプレゼンテーションについて解説されている note や、本記事でも何度も言及した「元コンサル」の方がプレゼンテーションについて解説された note をご紹介します。プレゼンテーションひとつとっても非常に奥が深いことが分かります。

S-9. 言語特化型

概要
ちょっと毛色が違う能力です、が、あえて入れました。英語。中国語。スペイン語など、他言語を喋れる能力。

特徴・メリット・デメリット
・転職への武器のみならず、日本系企業においても例えばオフショア開発を行っている場合においては現地に通じる言葉を使えるかどうかだけで、開発のスピードに断然レバレッジが効いてくる。
・その言語が使えるだけでオフショア開発の選択肢が浮上=経費削減=ビジネスへの大きなインパクト、といったメリットがある。
・今後不可逆的に必要とされていく能力。
・ビジネス会話力に到達できるかどうかという、割と 0 vs. 1 の特化スキルとも言え、また一般的に投資回収までの期間が比較的長い?(割とそうでもないと言った意見も良く見るので、ここは感覚ですが。)

本来は「他言語習得によるプロダクトマネージャー・プロダクト人間が享受するメリット」が書かれているような記事を紹介したかったのですが、さすがにニッチすぎるが故か、なかなか見当たらないので元同僚の @tairo さんがフィリピンに留学された際の記事、およびデザイナーの @灰色ハイジ さんの記事が面白かったのでご紹介:

個人的に一記事書く価値があると思っているので、いつか(もしくは短くまとめられそうであれば比較的そのうちに)その価値を訴える記事を書いてみようと思います。

S-10. ライティング・ドキュメンテーション能力特化型

概要
「Slack 上のコミュニケーション」「仕様書をきちんと読みやすくまとめあげる」等、ライティング・ドキュメンテーションに関わる筆記能力。特化する価値があると個人的に強く信じているので強引に入れました。

特徴・メリット・デメリット
・(個人の所感です)良い仕様書・ドキュメンテーションはチームの産出力を 1.2 ~ 1.5 倍にまで跳ね上げる。時差開発なら 3-4 倍にまでレバレッジが効いてくるはずでもある。
・訓練すれば誰でもできるが、そもそも興味を持てるかどうかは性格の影響も大きそう。
・評価を目的とした場合は非常にじわじわとしか評価されない能力です。
・履歴書にはまず載らない項目。地味。

これについては手前味噌ですが「ドキュメンテーション」の重要性について訴えたく、以下に紹介のとおり前記事を書きました。あと Paul Graham 御大・Jeff Bezos 御大も「書くことの重要性」を説いていらっしゃいます。

(英語)Jeff Bezos 氏の主張

Paul Graham 氏のエッセイを有志の方が日本語に翻訳されたもの:

S-11. UIUX デザイン特化型

概要
PdM のアドオン能力として検討する場合は、業界トレンド・競合トレンド・プロダクトの哲学・ユーザビリティを視野にいれつつ、ユーザーの問題を解決するためには「この場合どんな UI が望ましいのか」「この場合どんな UX を採用すべきなのか」をデザイナーと共に検討できる能力と定義できるはず。(専門職としての定義は遥かに大きいですが…)

特徴・メリット・デメリット
・「ユーザーに取って何が気持ち良いか・わかりやすいか」の視点を常に持つ必要があるため、比較的新規・既存ユーザー双方の気持ちに寄り添い続けやすくなる=PdM の職能ともオーバーラップする。
・自身である程度のレベルまでのモックアップを作る能力は経営陣とのコミュニケーションにもデザイナーとの議論にも非常に有用。
・トレンドの移り変わりが非常に速くキャッチアップが大変。
・中途半端な知識の場合、最も禁忌とされる個人の主観が入り込んでしまいやすい為、注意が必要。

意外なことに、UIUX デザイン業務について俯瞰して解説したような記事が見当たらない…取り扱う業務幅が大きすぎるのが理由かな。また後日探してみて、見つけたらアップデートしようと思います。ともあれ、少しでも興味があるようであれば業界のグル的存在である Goodpatch Blog をのぞくのが絶対に面白いハズ。

S-12. UX Writing・Copy Writing 特化型

概要
UX ライティング=ユーザーに取って理解しやすい・魅力的な「言葉」を選択・作成・配置して、ユーザーとプロダクト側の目的双方を同時に達成していく能力。コピーライティング = よりマーケティングや UA との連携・ROI 向上を狙える能力。

特徴・メリット・デメリット
・エンジニアリングコストが非常に小さい割に、容易に CVR 3-4 倍を叩きだせるため、大きなレバレッジポイントとなりえる。
・専門職が勃興してまだ日が浅い?しかし専門職とセミプロの間には限りなく大きい隔たりがあるようにも思える…
・他文化・他言語圏へのレバレッジはゼロに等しくなってしまう?

@nao さんの note 記事全般、非常に楽しく読めます。コピーライティングは一旦置いておき、自分が「UX ライティングって面白い!奥が深いんだな~。」と開眼した記事が以下。PdM の皆様にとっては目にウロコものだと思うので特にオススメです:さすがというべきか、文章もとても読みやすくて全記事読んでいる

S-13. エンジニアリング・開発能力特化型

概要
PdM 観点から:アドオンとしては データベーステーブル構成・機能の API/クライアント間の振る舞い・アーキテクチャ設計を定義できる能力。または、小さな変更であればエンジニアに依頼せずとも自分で Pull Request を出せてしまう能力も該当するかも。

特徴・メリット・デメリット
・仕様作成においてどのようなポイントが開発においてボトルネックになりえるかを自ら把握することができるため、開発コストとの ROI を自ら把握しつつ、より低コストで目的を達成する方法を考案することができる。
・特に少人数のベンチャーにおいて顕著だが、小さな変更であれば、チケットを切り・内容を書き・依頼を送信し、といったコストをかける前に自分で PR をあげてしまう、といった時短が可能。
・というか、コードをがりがり書き倒す猛者 PM の方もたくさんいる。

@きゅーい / koyo さんの記事:PdM が開発知識を持つメリット・デメリットをチームの規模とも関連して客観的に論じられており、首がもげるほど同意できる内容。

S-14. Quality Assurance (品質保証)

概要
新規リリースする機能・修正において、諸関連の機能をも含めたプロダクトの振る舞いの正誤をエッジケースまで含めて検証・バグを発見し、ユーザーに送り出すに値する品質を保証する能力。こうしたユースケースを全て把握できる能力。また、場合によっては仕様書通りの動きをしていても、チームに対しユーザー目線から「この振る舞いで本当に良いんですか?」と言ったフィードバックも行う。

特徴・メリット・デメリット
・中~大規模の機能リリース前に PM が QA プロセスを分担して手伝うことができれば、割とストレートに該当期間をかなり削減できる。
・小~中規模のベンチャーにおいては QA ロードマップ作成・テストケース作成も PdM の仕事だったりする。
・中~大規模の機能リリース前の QA の項目は非常に多彩に渡り、データベースのタイムスタンプを改変するなど、社内ツールへの精通が必要な場合もしばしば。しかし、これを行えない PM は「ユーザーが最終的にどのような体験をしているのかを自分で見れていない」のと同義となり、エンドプロダクトの改善チャンスを逃すことがある。
・性格とのマッチ率が低いと結構キツい職能かもしれない。
・どこまで精通しても一定の時間的コストを要求される職能である。
・自分が担当した機能をリリース前に一通りでさえ触らない PdM がこの世にはいるらしい。マジ?幻獣じゃなくて?(白眼)

@らーめん さんが QA に関する note 記事を大量に書いておられます:以下ご紹介する記事は、QA という職種を俯瞰した記事ではないのだけど、短いものの「QAのコツ」「QAならではの視点」が入っているので興味を持つのに良さそう。特に本記事で言及されている QA の皆様の「隣接した機能を探して影響しないか確認する」職能 には本当に感謝してもしきれない。

S-15. プロジェクトマネジメント特化型

概要
多くの職種・チームメンバーが関わる、複雑な中~大プロジェクトにおいて特に有用。計画開始・開発体制・リソースマネジメント・進捗管理・リスク・タイムラインすべてを管理し、効率よく円滑にプロジェクトをリリースまでガイドしていく能力。

特徴・メリット・デメリット
・一定規模以上においては PdM よりもこうした PJM の手腕が投資対効果において圧倒的なコストパフォーマンスを発揮する。
・開発体制のマインドセットのインストールから、それにあわせた多くのツールが日進月歩で移り変わっているのでメンテナンスコストも良い意味で高いスキルと言えるはず。
・性格とのマッチ率が低いと非常にラーニングカーブが高くなるかも。
・小~中プロジェクトにおいてはそこまで必要とされない(と思う)。

ざっくりですが、プロジェクトマネジメントに関わる多くの用語が入門的に整理・入門書籍もピックアップされているのでとっかかりに良さそう:

S-16. User Acquisition 特化型

概要
非常に広義にとらえうる上に、自分もそこまで関わったことが無く門外漢なのですが、個人的観察を元に、ここでは「デジタルマーケティング手法・運用全般 -- 特に広告出稿・運用およびインフルエンサー・SNSマーケティングが主流 -- 及び、プロダクトとの連携を元に ROI・ROAS を向上させていく能力」と乱暴に定義。

特徴・メリット・デメリット
・個人的観測範囲では、UA 部署と理想の形で緊密に連携を取れている PdM はあまり今まで見たことがなく。本来であれば大きなレバレッジを効かせられそうなものの、割とお互い自身の仕事を回すのに必死なイメージ。それだけに、UA の業務構造・造詣を持っているプロダクト人間が効かせられるレバレッジは高そう。
・ROAS・LTV・CPI・CPA・ARPUなどなど多種多様の KPI の常時トラッキング、また職人に匹敵するほどの細かな知識・管理能力・各種 SDK のインテグレーションに伴う技術的知識などなど幅広い能力が要求され、中途半端な足の踏み入れ方では箸にも棒にも掛からない(0 か 1 か)スキルかも?

日本語で良さそうな記事が見つからなかった…どなたか良い概説記事をご存じでしたら是非 ご教示ください。ひとまず、 medium で見かけた記事を貼っておきます。

S-17. マーケティング・ブランディング特化型

概要
「マーケティング」というとあまりにも定義が幅広くなってしまうが、ここでは特に IT 業界以外でそうした言葉が使われる際に言及されるような、より「クラシック」な定義のマーケティング・ブランディングの思考・スキル:いわゆる「ブランドマネージャー」といった職種の方々に代表される方々が持つノウハウ・能力と定義する。業界を比較的問わない普遍的なマーケティング・ブランディングのセオリー・トレンドを武器にこうしたジャンルには総じて弱い IT 業界の底上げを狙えるもの。

特徴・メリット・デメリット
・個人的観測範囲においては、IT 業界 x マーケティング畑の PdM って意外に少ないなぁと感じています。結果、マーケティングの基礎やブランディングの観点は、その企業が一定規模に達するまでは軽視されがちであり、ここに強い PdM はある程度のレバレッジを効かせられるのでは…?
・施策の効果を数字で測りやすい IT 業界において、例えばブランディングといった「すぐに価値が実感し辛いもの」は組織的にどうしても軽視されやすいため、なかなかその価値を認めてもらうのは難しいかも? 

@IshiiKensuke さんの 12,000 いいねを超えるモンスター記事。小手先の手法ではなく、かなり基礎的・教科書的な内容であり入門に良いかと思います。やっぱりここまでマーケティングの知識に精通している・特化しているような PdM ってあまり見たことない気がする。

S-18. プロダクトマーケティング(PMM)特化型

概要
個人的にもかなりまだ良く判っていない領域ですがが、参考記事によると PDM がプロダクトそのものの開発にフォーカスするのに対し、PMM はプロダクト(およびその新機能)を社内も含め、全カスタマーにマーケティングしていく部分にフォーカスする、とあります。なので、一旦は「プロダクトおよびプロダクトの新機能をマーケットに投入するうえで、そのコミュニケーション戦略・メッセージングにより強い責任・ノウハウを持ちこれを実行する能力」と理解してみた。

特徴・メリット・デメリット
・PdM はリリースする機能そのものの質を高める事に割とフォーカスしがちですが、伝わらなければ・使ってもらえなければ意味がありません。そういった場合、PMM が持つ、その機能をどうお客様に伝えるか・どうポジショニングするか・どのようなコミュニケーションチャンネルを使っていくかを策定できる能力は非常に相性が良いはずです。
・入門記事だとポジショニングやブランディング、メッセージングといった言葉が多用されているため、マーケティングの基礎知識や UX ライティング・コピーライティングといった職能とも重なってくる部分がありそう。

@sgmtyz さんの note にいくつか PMM 関連記事が。以下ご紹介する記事が入門に良いかも。PMM/PDM の違い・PMM/マーケティングの違い、また現場の動き方・求められるスキルなどが詳細にまとまっていてステキです。

S-19. CRM (Customer Relationship Mgmt.)特化型

概要
非常に広義に捉えうえられるため業界によって諸定義あるが、ここでは「ユーザーのライフサイクルそれぞれにおいてユーザーとプロダクトとの関係値を強化するために、様々なチャネルを用いてコミュニケーション施策を検討・実施する能力。」と定義。現実業務では特に Email/Push/Chat/Coupon など、プロダクトそのもの以外のチャネルにおけるコミュニケーション施策に特化している場合が多い気がします。

特徴・メリット・デメリット
・自分自身も半年ほど CRM 施策のみに特化した時期もあるため、ここは非常に奥深いと思っています。突き詰めれば専業じゃないと回せない。
・PdM は特にリリースする機能そのものに特化してしまいがちですが、その機能をどう多くのユーザーに周知するか・導入率を高めてもらうか?またユーザーのライフサイクル全体を俯瞰して、いかにプロダクトをそれぞれのステージで使ってもらうか?などといった部分が CRM の領域に関わってくるため、レバレッジポイントはそれなりに大きいはずです。
・専門職が存在する場合、その全体のマーケティング設計が非常に複雑になるため、中途半端に関わろうとすると既存のシステムを破壊して、結果ユーザーの体験を損ねてしまう危険性があるかも。

CRMマーケティングという業務は、恐らく B2C/B2B 業界によってもかなり概要が異なり、またその実践・手法が相当に幅広くなる職能と言えそうです。そのため、やはり CRM について俯瞰的に考察した記事があまり見当たらない(定義が違いすぎる為、乱暴にまとめようとしているこの記事のほうがダメなのかもしれない…)ため、一旦、概略をかなり抽象度高く書いておられた記事をご紹介。興味を持たれた方はもっと沢山ググってみることをお勧めします。

あまりにも自分の興味にしっくりする記事が無かったため、いつか自分で考えをまとめて書いてみたい、とも思ったのですが、かなりトピックが広範囲に渡るのでしんどそうだ…

S-20. データサイエンス・抽出と分析特化型

概要
定量データに基づいて仮説構築・意思決定を支え、その質を高める能力。データ設計・抽出・分析・KGI/KPI 設計などなど。分析データ抽出ハードスキルとしては SQL・Python・Rなどが代表的だが、どのような分析手法をそれに加えるか・そこからどのような事象・仮説を導き出すのか、その落とし穴は何かを見落とさない、などといった俯瞰思考能力・論理能力・手法知識・プレゼンテーション能力が必要。ダッシュボード構築なども担当。

特徴・メリット・デメリット
・PdM 本来の職能とオーバーラップする部分が非常に多く、この能力に特化することで戦略検討・仮説構築・効果検証など多くの部分でレバレッジを効かせることができる。
・個人的には現状、業界の需要に対して供給が大きく満たされていないと思っている市場であり、プロダクトを高速に回したい場合にも、転職したい場合にもダブルで特化するメリットが享受できると思う。
・高速に大量のダッシュボードを作れる能力はステークホルダーへのコミュニケーションのためにも地味だが魅力的である。
・意思決定に大きな影響を及ぼす職能・スキルであるため、中途半端なレベルだと逆に誤った意思決定をしてしまうという、諸刃の剣になりえる?

@Hikaru Kashida さんの note 全般が必読。以下にご紹介したはデータサイエンティストのミッション・働き方・必要とされる能力などのまとめ。

07# スキルチャートで採点してみよう

いかがでしたでしょうか。この記事の主眼は「このエリア、勉強してみるの面白いかも?」と思えるきっかけを僕自身とあなたに提供できれば、というモノなので、興味を持たれた分野があれば幸い。目的達成。

さて、20 個の領域についてまとめてみたところで、スキルチャートを作ってみました。自己採点したものの、後述の通り今後のフォーカスポイントはもう決めていただけに、やってみると存外どうでも良くなってしまった。

ともあれ、空図も置いておきます。ご自由にお使いください。もっと厨二病感あふれるビジュアルにしたかったのだけど途中で面倒臭くなりました。

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08# 20 個全部のエキスパートになることは、不可能

あれこれ考察が終わったところで、ここでもう一度だけちゃぶ台返し。Dely, Inc. の VPOP を務める 奥原氏の この記事 は非常に示唆に富んでいて、こうした(あれば良い)スキルセットをすべて身につけようとする姿勢については懐疑的なようです。

もちろん、この全てができた方がいいのですが、それだと時間がいくつあっても足りません。そして、これらを全てのスキルがあったとしてもプロダクトを成長させられるとも思っていません。
これがプロダクト開発に必要なスキルにも生じていると思っていて、情報のアップデートが早すぎて、1年前の情報がもう使えないという世界観の中にいるので、それを追っていくだけでもかなりの時間が必要になります。

これについては自分も同意見。本稿で取り上げる 20 スキルをすべて身につけてしまうのはそもそも不可能なはず。仮に超人的な方が頑張ってこれを実行できたとしても、「浅かろう広かろう」となり、冒頭のタナカさんのように、意味を成さなくなってしまいます。

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更に、仮定に仮定を重ね、超人的な異常値の PM が現れ、大量のドメインに対して十分な知識を持てたとしても。それを業務レベルで専門職の方に匹敵して使えるレベルでキープし続けるためには、奥原氏も仰っておられる通り、もうひとつの大きな壁がたちはだるはず。

それは、「トレンドの壁」。

全ドメインの知識をチームそれぞれの専門職にフィードバック可能なレベルまで身につけられる「スーパーサイヤ人」がいたとします。

しかし、それぞれのスキルの専門職・業界におけるスタンダードは常に日進月歩のスピードでアップデートされ続けているため、PdM の本職をこなしつつ、同時にそれらすべてのドメインの最新事情を追うことは人間業ではなくなってしまうはず。

結果、常にトレンドをキャッチアップしている 専門職の方からすると「おっさん、おばさん、その知識古いで。老害が。黙っとれ。」状態に。(僕のケースで言うなら、例えば SEO に関する知識は 10 年前からアップデートできておらず、そうした議論になった時は一言も発せない。)

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個人的には最もきちんと追っている領域「UIUX デザイン」ひとつでさえ、ここ5 年で Adobe Illustrator/Photoshop、Sketch、Figma と各社で取り入れられるツールのトレンドは常に変遷しており、また Apple / Google の UIUX Guideline も常に更新され続けています。

結果、あくまでも自分は PM 業の傍らでこれをやっているだけなので、本職と比べるとキャッチアップはどうしてもおろそかに。なので、デザイナーさんから良く「最近のトレンド・常識」を勉強させてもらっています。

なので、集中して追えるのは、どう頑張っても 2-3 個くらいでは

結論。個人的には、アドオンスキルを身につけたいのであれば、2-3 個くらいのドメインに集中。それでも限界超えてるくらいかなぁと思っています。

09# 自分は今後このエリアを狙いたい

リサーチ・記事執筆を通し、今後フォーカスするエリアを決めました。

フォーカスを決めるにあたり考慮したポイント

・ 自身の今までの得意分野との関連性
・ PdM としての本職へのレバレッジが効きやすい分野かどうか
・ プロダクトの成長にレバレッジが効きやすい分野かどうか
・ 業務で実際に使って PDCA を回せるかどうか
・ こうしたエリアに長けている PM の少なさ
・ 業界内どこでも使える汎用的なバリューであるか
・ なによりも、情熱を持てるか。努力を楽しめるかどうか。

これらを踏まえたうえで、2020 年は、僕は以下のキーワードあたりのエリアに(圧倒的に理解が浅いので定義も良く分かっておらず、ごちゃ混ぜですが)フォーカスを置いて勉強するつもりです。

2020 年は  UX リサーチ周りを強化したい

UX リサーチ(問いの設計・プロセス・検証型/探求型の定性調査の手法それぞれ・ユーザーインタビュー・ユーザビリティ調査・フォーカスグループ・フィールド調査・エスノグラフィ調査・エキストリームユーザー調査・調査手法の What/When/How などなど)

畢竟、このあたりを今後 note で勉強しながらアウトプットしていきます。ド素人からの勉強なので「興味はあるけど何も知らない」といった僕と同じような「初心者」の方の役に立つ記事になるはず。興味がある方は、宜しければまたご来訪ください。

10# しつこいけどもう一度。本質は……

参考文献として読み込んだ記事たち。実は、その大半は「PM はどうあるべきか、どこに思考を置くべきか、どうチームをリードするか」に重点を置いた記事が圧倒的に多く、僕が今回題材として取り上げた「アドオンスキル」について参考になる記事はほんとうにほんとうにほんとうにに少なかった、ということを留め書きしておきます。

あらためて、いかにコード・デザイン・SQL・その他もろもろのスキルに長けていようが、それは PM 業の中ではあくまでも Nice to have なサブスキルセットであり、 Must have ではありません。数ある VPOP の方々の記事がそういっているのだから、そうなのです。

ということで、今後とも ○○ 強化はあくまで隙間時間でやり、もっともっと問題発見・戦略定義・優先順位決定・実行フェーズのファシリテートの能力向上に力を注ぐことを忘れないようにしようと心を新たにした次第でした。

11# 本稿のトピックに近い参考・関連記事

本記事の内容はかなり強く筆者の経験・理解に依存しているため、リサーチした中でトピックが近しい関連記事を以下にご紹介。あわせて読んで頂くことで、より包括的な理解が得られるはず:

日本語の記事:

PMに必要な13の能力とフェーズ別の重要度
企画分析の4象限とPMに必要な分析力
PMの志向の3類型
PdM職の細分化 3つのロール
プロダクトマネージャーに必要なテクニカルスキルを定義してみた話。
プロダクトマネージャーに必要な13のこと
非凡でなくともプロダクトは平凡にしたくないプロダクトマネージャーへ
プロダクトマネージャー1年目の教科書
一年間、クラシルのPdMをしてきて考えたこと

英語の記事:

Are you the product manager you really want to be?
What type of Product Manager you are?
The Skills a Product Manager Needs
MVPM: Minimum Viable Product Manager
The Hard Skills of a Product Manager
Key Product Manager Skills that are Required for Great PM Career
Skills and processes to thrive as a product manager
Qualities You Need to be a Strong Product Manager
What needs to be done by Product Manager (+Skills Chart)
5 Skills Every Product Marketing Manager Should Have
25 Resources that helped me get up to speed as (digital) Product Manager
The Macro and Micro approach to learning as a Product Manager

12# 次回予告

本記事でとりあげた 20 のスキルセットについては、個人的にはどれも興味があり、現在の業務にインパクトを及ぼし得るもの。なので、個別に最低限の理解はしたいと思っているのですが、今回はここまで。ちなみに 前回記事 はこちらです。

いろんなジャンルについて浮気しながら記事を書きたいので、本シリーズの次のがいつになるかはわかりませんが、次回は UX 調査について素人ながら色々と勉強して結果をまとめていきます。

次回記事予告:

ユーザー調査・ユーザビリティ調査・UX調査などなど、ぼんやりとしか判っていない「あのへんの領域」を自分なりに勉強しながらまとめてみた

ご意見ご感想お待ちしております。なんはなくとも、Twitter でフォロー頂ければとても励みになります、嬉しいです :-) 

それではまた。

お断り

本稿および note の全記事は個人的な解釈に基づいたもので、所属していた/している会社の意向・見解とは一切関係ありませんので、その旨ご理解いただけますと幸いです。


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USメルカリの Product Manger として主に UIUX の改善を担当。PDM・UIUX など、主にプロダクト周りについて書いていきます。ドイツと日本のハーフ、現在は米国在住。名前は「フリッツ」と読みます。https://twitter.com/fmkpro1984

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