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刺身

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鮮度が取り柄。盛り付けへたっぴ
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#年越し独り旅

独り旅 三日目後半-下山

十分あったまったし、体も動くようなので下山を決心した。頂上に着く苦労を知ると非常に名残惜しく、後悔を残さないよう、あらゆるところを写真に収めた。

下山の道は驚くほどやさしかった。なだらか!岩がゴツゴツしてない!
登りの道よりも明らかに整備されている。階段になっていたりして、岩はあまりなかった。筋肉痛も和らいでいて、どんどこ進むことができた。

道端に、土にまみれた白い鉱石を発見した。誰も気づいて

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独り旅 三日目後半-山頂

数々の岩を乗り越えて、数々の「あともうちょっとですよ」を聞いた。登山道で聞く「もうちょっと」ほど信用ならんものはない。果てしなくもうちょっとは続く。もうちょっと信仰はその場しのぎの気休めに過ぎず、すぐさま「ちょっとじゃないじゃん……」と絶望させる。どうであれ前に進まなきゃいけないことは変わらないのに、罪つくりな言葉だ。

しかしなんだかんだで無事、山頂にたどり着いた。みんな、リュックやシートを敷い

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独り旅 三日目後半-登山

少し違うことに取り組まなくてはならなくて、最後のが書けてなかった。あとで、しかも何ヶ月も過ぎて振り返り書くのは旅の最中に書くのとまた違うね。他の旅の話はリアルタイムにスマホに打ち込んでいたから、こんな風に何ヶ月も後でパソコンに話しているのがなんだか不思議。
ここから先は、思い出話です。長いので、三日目後半は登山、山頂、下山と分けています。

「あけましておめでとうございます」と声をかけられ、足元の

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独り旅 三日目前半

ジョナサンで、するすると筆が進んで日記は書けるけど、思ったより時間がない。
一年を締める日記って何書けばいいんだ?決めきれないまま、「いい年だった。」と紙面の隙間に滑り込ませてからリュックにしまう。うー、若干書き足りない。本当は「いい」なんて簡単な形容詞じゃくくれないよ、この一年。でも「いい」とまとめておきたいんだよな、私は。
十一時四十分ごろになったので、ジョナサンを出てお寺に向かう。

ぼー

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独り旅 二日目

朝、温泉を出発して、電車の待ち時間を生かして焼津港で海を見る。

今回では初めて海をみたかな。一度見たことのある焼津の海。焼津といい熱海といい、火と水が想像できる地名って不思議だよね。

焼津や静岡を発つ。

静岡は電車に揺られているだけで山と海に挟まれるから嬉しいな。視界にいっぺんに映るのは素敵だ。意識せぬまま、そういう自然に惹かれていて、静岡に来ることを選んだのかも知れない。私、静岡好きなのか

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独り旅 一日目後半

さわやかから静岡駅に向かおうとしたら徒歩四十五分と出たので、バスで向かおうとする。年末だし、次が最終バスらしい。

三十分くらい待った。寒かった。途中で向かいのバス停なことに気づいて慌てて道路を渡る。このミスはよくやりがちなんだけど、今回は気づけてよかった、天才だな。

バスを待つのってつらい。寒いし、どきどきする。時間があるので泊まる場所を検索する。泊まる場所は、いきあたりばったりにぴったりな

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独り旅 一日目前半

独り旅 一日目前半

二〇一八年十二月三十日から、二〇一九年一月一日までの静岡を歩いたり大山を登ったりした一人旅の記録。旅行中に書いたことほとんどそのまま載せる。

本当は、二十八日に出発するはずが、忘年会オールや部屋の片付けをしていたら二日間も余計に東京にいてしまった。残念がる気持ちもあるけど、東京に何かを思い残したままでは落ち着かないからよいのだと思う。

三十日朝、知らない電話番号から電話。佐川急便から、頼んで

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