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さふしゃ
2019年5月23日 22:00
「だってあなた、あたしに全然興味ないでしょう」隣に座る彼女が、俺の顔を覗き込むようにして言った。何もかもが突然だった。ふいに、嫌いになったの?と問われ、わけを聞き返すとそう答えられたのだ。「いいや」「ないのよ、わかるの、もう無理なんでしょ」「そんなことないさ」「ごめんね、あたしわかんないの。関心がないってことは好きじゃないってことでしょ、なんで?なんで一緒にいるの?」「なんでって
2019年5月8日 11:00
私が性別のことを意識せざるを得ない状況に長くいたからなのか、自分が生まれ持った性別を他人に指摘されるのが苦手となりつつある。別に自分がこの性別であることに今強く嫌悪している訳でもなく、昔に比べたら受け入れている方なのだけど、どうにも男や女という言葉、特に書き言葉では、抵抗がある。まあ、使っちゃうこともあるけど。男や女を使う文体というのも、すっきりしてて、飄々としてて、自分にはない文体だから面白
2019年5月7日 19:00
死にたい人の何にもなれない 死別というものを経験したことはない少なくとも記憶のあるうちは近しい人を死によって失ったことはないけど大切な人に会えなくなるということはあった気持ちをつのらせても話すのは憚られ重い想いを抱えてるのは悪いことで教えてくれた音楽も香りも悲しいそのうえ死が出てくるお話は全部その人が重なる最近読み終わった小説、いっぱい人が死んでしまうんだヒロインが自死