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いき、つづけて

死にたい人の何にもなれない

死別というものを経験したことはない
少なくとも記憶のあるうちは
近しい人を死によって失ったことはない

けど大切な人に会えなくなるということはあった
気持ちをつのらせても話すのは憚られ
重い想いを抱えてるのは悪いことで
教えてくれた音楽も香りも悲しい

そのうえ死が出てくるお話は全部その人が重なる

最近読み終わった小説、いっぱい人が死んでしまうんだ
ヒロインが自死を選んだとき、ひどく混乱して
嫌だ嫌だもう二度と大切な人は遠くへいかないで、と

人間失格もひよこの眼もノルウェイの森もぜーんぶ君がちらつく
主人公が感じた喪失に自分を見つけようとしちゃうよ
恥ずかしいね

いつか人は死んでしまう
仲良くいれる時間には限りがある
なんてこと学んだ一緒の時間は儚いし

どうしたらいいんだろうか
ただあの人が生きていることが私にとってどんなに大切でも
その人自身にはきっと関係がないものね
何にもなれないなあ

毎日祈ったところで
神頼みなんて頼りない
私が何かになれたらいい?
何にももってないのにね私


自分もかつて死のうと思っていたくせに
どうしたらいいかわかんないな
いや、わかるって顔すんのも違うでしょ

私が降り積もらせてしまった気持ちは
全部自分への同情心だったのか
もう何が何だかわかりません

君に対する純粋な感情が
なんと名付けられるのか
はたまた存在するのかわかりません

わかりませんを言い続けても
無責任になれない世の中だもの

私がどう思っていても
君の生は君が決めてしまうから

結局人間孤独でしかなく
一方通行的にしか生きられない

私の生に責任もてないから
君の生にも責任もてないのは確かで

私が何もかももっていたら
君が生を選び続けてくれるのか

私が何ものになれたなら
君を甘ったるい世界に連れてったげるのに

仮定法でしか語れない

生きていてよかったって思える時がなかったっていう君に
そんな思いを与えられたらよかったのかもしれないけど

無責任だよ君の生に
無責任でしかない
どんなに君に生きていてほしいって思ってても
結局生きていくのはまぎれもない君で
私はその生に少しだけ関わったり関わらなかったりする

君が死ぬなら私死ぬとでも言えば君は生きてくれるだろうか
そんなこと言ったってどうしようもないだろうけど

君にとってなんでもない
私が発する言葉なんて
無意味なんだろうけど
死ぬな死ぬな死んでくれるな
君死んだら泣くぞ死ぬな死ぬな死ぬな


怖いんだ自己都合でしかない君の死を恐れるのは
エゴなんだ死にたい君に悲しむのは
もうどうしたらいいかわかんないけど
死なれるのは嫌なんだ

どんなに今関わりがなくたって
君にとって私が無価値であったって
君の人生を肩代わりしてあげることも
君が喜ぶこと全然できなくても

私は無責任に生きていてほしいって思う

生きづらい世の中
寝て起きてご飯食べて
生産性ないなーなんて思いつつ
苦しい思いを書き綴って
死にたい死にたいと思いながらも
呼吸し続けていて

死なんでくれ
生きてくれ
君の存在に代わりはない

目の前に君がいなくとも
どこかで過ごしてることが
どんなに喜ばしいか

君にとってなんでもない私は
君に生きていてほしいって思ってる


どう言ったって
悔しいほどに君の何にもなれないけど
こんなどうしようもない文章書いてる
自分に酔ってんだか知らんけど

君が喜ぶこと書きたいのに
全然わかんない
どんな意味を持つんだろ
負担にはなりたくないや

君の生の邪魔にならなければいいつづけるよ
いきをして

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