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にこごり

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閉じこめたきらめき。食感不安定
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魚

落としたら壊れてしまうから
君はガラスと似ている

透明だったから あまりにも透明だったから
ふれることができなかった

ひとたびかすったら
溶けてしまうかも
凍ってしまうかも
消えてしまうかも

ゆえに指いっぽん
さわれない

今の君は
みんなに見つけられたようで
きっともう透きとおらない
ひとあんしん

まあ
眩しいから触らない
だって見つからなくなったとき
眼に涙ばかり映る

〜〜〜 〜〜〜

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hノAゾJケiヌmノeイtズe

hノAゾJケiヌmノeイtズe

脳みそがとろける
空気で感じろ電気風呂
帽子が震える
椅子が震える
震える震える脳みそ脳汁
今宵の震えはノイジー
アルチューは禁断の
手足の震え
脳のパチパチ
閃光だ
魔のヤク光る
ぐわんぐわん
びぃびぃびぃ
ズゥンズゥン
ダービーダビィ
ぐにゃぎゃ
じーんとするのは耳の奥
響いてる
ひりいてる
響いてる
右耳からはなれない
とれない響きが
とれないノイズが
ジィジィジィ
耳垢よりもこびりついた

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ノイズバンドはパソコンときいてはならない

ノイズバンドはパソコンときいてはならない

呪詛と呪いと悪魔の笑い声
耳をつんざく恐怖のパーティ
いえぃえい鼓膜が震えてる
ドゥンドゥン
きゅいんきゅいんキュイン
鼓膜破れる
大地が震える
震える
地が揺れる揺れる揺れる
マグニチュード100

嬉しくてずっと吐きそうだった
と君が言うなら
喜びを胃液に浸そうぜみんな

耳耳体からだ揺れるゆれる
ずぃんずぃん
ディンディン

叫べ!叫べ叫べフルエロいかれいかれろ
鼓膜が震えていたいのだ

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モストラブ

モストラブ

夜の最寄駅
たまたま寄った逆側ホーム
傘を持たない彼女

若葉のような鮮やか緑
俺は釘付け
かしずいて
見つめて

お一人ですか
可愛いですね
雨止みそうにないですよ
とりあえず、違うとこ行きません

差し出した提案に
するする乗ってくれて有頂天
小躍りこらえ
紳士エスコート

周囲は見て見ぬふりの無関心
この美しさを知らずに哀れ
どうもありがとう

近くで見る彼女は優雅
名も知らない方だけ

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りかいり

言わないから
勝手に空白を埋めてね

どんなものでも大当たり
想像通りに
生きてみせるの

わたしが感じる
  や  や  ばかりの
あんな数時間も
黙っていれば
気づかないでしょ

わたしが過ごす
  で  で  しかない
こんな数日間も
噤んでいれば
分からないでしょ

みせた顔を引き延ばし
そう生きてるだろと
思ってていい

勝手に空白を埋めてね
言わないから

みちとあそぶ

私はこどもになって
道と踊っていた
街と遊んでいた
音に反応して
足が引きずられて
心はこまばアゴラ劇場!
あらゆる音が私のもとにやってきて
身体に作用して
夢ん中のしゃぼんに包まれている

電車の通過音
ヒールの足音
服の擦れる音
遮断機の音
バイクの走る音
シャッターの閉まる音
通り過ぎる人の声
コンクリートを踏む音

カタカタカタカタ情報過多

音符を乗せたカラフルな
スーパーボールがはしゃ

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Goodli-stener

好きなものには素敵だと
嬉しいことにはわーいって
憧れにはすごいねを

いいたいいいこといいあいたい
だけどひみつみつみつみつのあじ
たららとなめりゃ
ひとにはいえないことばかり

あのさGoogle
「猫 癒されすぎる」
「友達 優しすぎる」
「海 大きすぎる」
「恋人 可愛すぎる」
「ごはん 美味しすぎる」
「今 しあわせすぎる」

おしえてほしいわけじゃない
ただきいて
いとしいあの子

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たに ん

そちらに孤独
こちらに孤独

孤独でありながら
二 人でいる

沈黙を共有し
言葉の境のない
空気が二 人を包む

you and I have no talk
ないがある
ここにいつづけ
相手を感じる
それだけ

ちぐはぐな視線
そっぽ向く顔
意味をもちえぬ
仕草の数々

なに考えてるか
どう思ってるか
同じ気がして

無の流れを
ぼんやり眺める

二 人が
一人で
だから
嬉しい

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二十歳駄郎

お国からお届けものよ
うらしまさん
海でいじめや茶封筒
救う気もない亀のため
年金機構に連れられて
青い竜宮覗き見る
お札が定期に舞踊り
未来に現る乙姫の
姿も確信できぬまま
軽い玉手も重くなれ
開ければ箱に
貯めた若さは消え失せて
うらめし爺は無一文