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Every day 揚げ浸し


揚げ浸し。

野菜を素揚げしてめんつゆ+α に漬けるだけの

いたって簡単な料理。


それに、完全にハマっている。


まず、彩りが美しい。

どうにかPVを稼ぎたいわたしからすると、こんなに映えるサムネイルはありがたい。


そして、安い。

ナスは3個入りで150円、オクラは8本入りで138円、ズッキーニは極太サイズで値段は忘れた。


ちなみに、サムネの揚げ浸しは昼寝をして体力が有り余っていたわたしが作ったのだけれど、やはりミスしようがないほどに簡単だった。プレモルが進む、進む。

ちなみにを重ねると、うちの嫁は揚げ浸しを食べない。ナス、オクラ、ズッキーニ、すべてNG。彼女は基本的にトマトしか食べない。作る側としては楽ではあるけれど、少し寂しくもある。まぁ、好き嫌いだから仕方がない。


弊嫁は「一度決めたことは曲げない」性格で

「過去に『食べるべきではない』と認定した以上、食べる必要はない」

との理由で、嫌いなものを食べない。


近所のおばちゃんの如くゴリゴリに推すとたまに食べるが、その感想のほとんどは「わざわざ食べるに値しない


彼女以上に自分に必要なものを見抜き、頑なに守り続けている人を、わたしは知らない。


その嫁は毎朝

・茶碗一杯の白米
・チキチキボーン1本
・ふりかけ適量
・キウイ1/2個

を必ず食べる。

チキチキボーンが前日の残り物になったり、キウイが葡萄になったりすることはあるが、基本的な打線の組み方を変えることはない。


一方、わたしは朝食を食べない。
以前はちゃんと食べていたのだけれど、いつからか食べなくなった。


… 思い出した。
去年、メンタルブレイクし始めたときから食べていない。


それまでは嫁と同じ打線を組んでいたのだが、だんだん食べるのが億劫になり、嫁のチキチキボーンの皮ひとかけと白米一口分を盗み食いするのが日課になった。

本格的にメンタルがお亡くなりになってからはそれすらなくなり、以来ずっと抜いている。

よくないと思っていても食べる気にならないのだから仕方がない。食欲がわかないし、なんなら気持ち悪ささえ覚える。


ここ半年ずっとそんな感じだったんだけど、まさに先ほど、その感覚をぶち壊す事件が起きた。

7:00に起床し、いつもどおりテキトーに顔を洗い、どこか臭みの残るタオルで滴る水を拭い、嫁を起こそうとしたその時だった。


「 揚げ浸し、食べたいかも…? 


ずっと心を閉ざしていた少女が、突然あらわれた美少年に恋をしたときの「わたしにこんな感情があったんだ」のアレ。

少女と対極に位置する35歳の既婚おじさん(子無し)に走った一筋の稲妻は、おじさんを動かす活力となり、気づけばわたしは冷蔵庫の前にいた。


昨日から漬けている揚げ浸し。
ボールを冷蔵庫から取り出す。



おー!うまそう!食いたい!これなら食える!

直箸でいっちゃおう!嫁寝てるし!そもそも食わねえし!



ナスうめぇー!ズッキーニうめぇー!オクラはいらねぇー!

てか朝メシうめぇー!ぜったい食おう!これから毎日!!!



実に半年ぶりの朝メシだった。

この感動を伝えたくて、嫁を起こす。


「おはよ。時間やで」

「今日、遅番」



家を出て、スタバに来た。


note という場所があって、よかったと思った。




そんな話。

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