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#53_オーガニックコスメの有機表示基準

「オーガニック(有機)」と名乗るには、それなりに高い基準をクリアしなければならなさそうですが、ことコスメ(化粧品)については、特に基準がないという話を耳にしました。

コスメについては女性がうるさそう(?)な気もするのに、ほんとうにそうなのか?と思って少しリサーチしましたが、実際そのようですね。

海外では、ヨーロッパの「NATRUE(ネイトゥルー)」、フランスの「ECOCERT(エコサート)」、イギリスの「Soil Association(ソイルアソシエーション)」、アメリカの「USDA」(これは、厳密には加工食品の基準を利用しているようですが)といった認証機関があるようです。

一方、日本では、特に規制に関する法律はなく、公的な認証機関もないので、極端な話、ちょっとでもオーガニック原料を入れれば(その意味で、嘘ではないということにすれば)、オーガニックコスメを名乗れてしまうとのこと。

なお、ISO9001(品質マネジメントシステム)ISO14001(環境マネジメントシステム)で有名なInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)に、ISO16128というのがありますが、これはあくまでも「化粧品の自然・オーガニック指数を計算するための基準」であって、オーガニックを名乗ってよいかどうかを決める基準ではなさそうです。

他方、これが食品なら、有機表示をするには「有機JASマーク」を付す必要があり、それには登録認定機関の認定を受ける必要があるので、法律上も基準がはっきりしています。

(農林水産省パンフレット)
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/yuuki_leaflet_2013.pdf

この点、不誠実な業者は評判(レピュテーション)が落ちて淘汰されるだろう(なので基準を定めるまでもない)という考えもあり得ますが、「ケミカル(化学合成品)」か「オーガニック」かと単純にいわれれば、後者を選ぶひとの方が多いでしょうから、オーガニック原料の割合が高いほどコストがかかると仮定すると、(評判が落ちない程度に)「ほどほどに」オーガニック原料を使う業者が多くなり、「真面目に」オーガニックを追求する業者が現れない可能性があります。

では、「オーガニック100%」が最良なのか?といわれると、そう簡単にもいえないほどコスメの世界は奥が深いようですが、まあ、一般的な「オーガニック」という言葉から受けるイメージからしても、なんらか基準はあった方がよいような気がします。

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