見出し画像

最近の夢

夢っていうと身近なようで遠いものだ。
まともに持った夢は考古学者。
世界ふしぎ発見でエジプトに惹かれて、子どもでもわかるような本をたくさん読んでいた。
ミイラ展に連れて行ってもらった時、吉村教授の講演会も一緒に観に行ったが、言っていることがわからなくて挫折した。綺麗さっぱり夢は何処かへ消えた。

次に持った夢は保育士だった。
中学校での仕事体験がすこぶる楽しかったからだ。「天職を見つけた!」周りの大人に言って回った。
そしたら塾長が東京の福祉の名門を進めた。盲目的にそこだけを中学から目指した。
うちの大学は社会福祉士を養成する事がメインだがそんな事は知らなかった。「ここに入れば保育士になれる!」夏少年は馬鹿野郎だった。
「へぇ、社会福祉士受けるんだ!頑張れ!」
入学早々コイツ何しにきたんだ?みたいな発言をして回っていた。

大学では演劇サークルにのめり込んだ。のめり込みすぎて授業に全く行かなかった。のめり込みすぎて、同級生から浮きまくった。保育コースでも珍獣だった。

大学最後(だと思っていた)公演と実習が被り
迷う事なく公演を選んだ。
大学の4年間はその前の5年間を簡単に風化させた。
とは言ったものの、保育士になりたいと口で言っていただけだったのかもしれない。夢を持って安心していた。

そこから大学を卒業し福祉施設に就職していた。先輩の劇団を手伝ったり、演劇とは縁を切れなかった。と言うより切る気なんてサラサラなかった。

「何年かしたら3年くらい役者をやって辞めよう」

これが当時の夢だった。どうせ成功できるわけないし、好きな劇団のオーディション受けて落ちたら辞めようと。

そこから社会人2年目になってインプロを始めた。インプロを始めたら仕事をより辞めたくなって、3年目にならずして役者1年目が始まった。

そこから漠然と、漠然と役者としての1年を過ごした。客演もでたし、インプロショーいっぱい出たし、好きな劇団のオーディションまさかの開催されるし、落ちるし、プラフォ入ったし、ってか自分の演劇ユニット立ち上げて2回公演したし。
物量だけ見ればたっくさんだ。
けれど漠然と。と自分では思っている。

しかし、最近脚本を書きたい、演出したい、舞台を作りたい、と心の底から思うようになった。
心の底から思うようになって、これが夢である事に気がつき、ちょっと前は夢ですらなかった事がわかった。

消極的な夢は自分になんの力もくれない。
決断する理由はくれたけど、エネルギーにはならなかった。

夢は大きく

とはよく言ったもんだ。

この夢を決定付けた言葉がある
「好きなものは続けられるけど、得意なことは続けられない」
柿喰う客の中屋敷法仁さんがツイキャスで話しているのをたまたま聞いた。
「得意な事は壁に当たった時超えるのは大変だが、好きな事は超えられる」
考えた事があるようで考えた事はなかった。

「好きなことと得意な事」

そこで身辺整理をしてみた。
今自分は比較的得意な事に取り組んでいる事が多い。というか得意な事ばかり取り敢えずやっているという感覚だった。

じゃあ好きな事ってなんだ???

【舞台を作ること】

だった。高校の頃より、まともな顧問が入ってきたのは引退直前の3年生。大学は崩壊しかけのサークルを自分中心で立て直した。社会人2年目の時は知り合いの企画のリーダーをやらせて貰った。

思えばそんなことばかりしてきた。岡本の演劇はそうやって来た。
独学だ。確かに独学である。これはコンプレックスでもあるのは事実だ。けれどこの「俺なんかが」は好きを邪魔していたかもしれない。

確かにもっともっと学びたい。必要がある。
舞台にたくさん立って経験を得る必要はあるだろう。
だが、気付いてしまった以上好きは止められなくなった!

事実この1年、何度も何度も脚本を書かせてもらう機会が増えた。脚本自体は大学生の頃からこっそり書いてはいたが、人に見せる事なんて滅多になかった。しかし、昨年自劇団で書いたことを皮切りに後押ししてくれる思い出が増えた。
「楽しい」
そう言ってもらえる事が沢山あった。
「観て楽しかった」「やって楽しかった」
漠然とした中、唯一積み重ねられたと感じていた。書いていいんだ。書く人って思ってもらえるんだって。

勿論褒めてもらえるから嬉しいし頑張りたいのもある。しかし、それ以上に自分の頭の中にあるモノを形に出来るのが楽しいのだ。

所属劇団のplatformのクラウドファウディングの個人ストレッチゴールでモノローグを書かせて貰った。結果的に11本書かせてもらった。
一本一本は短いモノであったが、信じられないくらい大変だった。基本的に1日中頭を痛めて書いていた。無職でないと為せない技であっただろう。
だが、その日々が気付かさせてくれた。

「俺は書くのが好きだ!」

拙い文章だろう。
無秩序にも思えるだろう。
お前なんかが書くんじゃあない!と言われるかもしれない。

だけど好きなもんは好きだ!

面白いって言ってくれる人がいる。
演じて楽しいって思ってくれる人がいる。

それだけで十二分じゃないか。

そんなこんなで最近、明確な夢ができた。
脚本家になりたい。演出ももっとやりたい!

もう既にやっているが「舞台を作りたい!」
いや、やったからこそ真に思えたのだと思う。

どうせどこでも茨の道。
今やっているインプロも演技も、無職も、何かわからんけど日々感じるドキドキとかモヤモヤとか嬉しいとか、全部ひっくるめて糧にしたい。
別にじゃあ今から脚本しか書きません!ではない。一つの終着地点として見据えてみるのだ。
変わることもあるだろう。人間は変化する生き物だ。けれどもきっと臆して見ないふりをしていたエネルギーを持ったからには一味変わるだろう。


この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?