【ゲーム感想】『ココロクローバー』――集え、朝アニメのお約束
こんばんは、飛び亀です。
今回はおすすめゲームレビュー!
『ココロクローバー シーズン1』をとにかく推していきます。
↓CM(っぽいPV)↓
SteamとNintendo Switchで遊べます。
インディーゲームなのですが、スイッチで遊べるんですよ!
10月4日現在セール中です。もうまもなく終わっちゃう。
日曜朝アニメ風!
ココロクローバーは「日曜朝のホビーアニメ」がテーマのアクションゲームです。皆さんは朝アニメって見たことがありますか?
というか、日曜朝アニメ風と言われたとき、どんなイメージが浮かびますか?
僕はクレヨン王国とかおジャ魔女は少しだけかじりましたし、デジモンやガッシュ、レジェンズ、土曜になりますがふたご姫やケロロ(夕方の印象も強いんですが)、おとぎ銃士赤ずきん(深夜33時の印象も強いんですが)とかも見てきました。プリキュアや仮面ライダーとかはあんまり見てない。
それでも「日曜あさ」のアニメと言われてパッと「こういうの」「ああいうの」と言えるイメージは浮かびませんでした。
ところが、こちらのオープニング映像をご覧ください!
「あー、これこれ、朝アニメね!」
って、なりません?
僕はなりました。朝アニメがなんたるか分かっていなかったのに、分かった気になってしまいました。
ココロクローバーは、そういう気分にさせてくれるゲームです。
そう。このゲームは、中身まで「朝アニメのお約束」で溢れているのです。
※ちなみにエンディングもあるしアイキャッチもあるしCMもあります。各話タイトルコールもありますし、オープニング前のアバンもあります。
※ちなみにOP曲はゲーム内タイトル画面やサウンドテストでフル版を聞けます。ラスサビ転調最高すぎる。
さあ以下、ネタバレ全開です!
ここまで見て気になった人はぜひ先に購入して、プレイしてくださいね!
朝アニメっぽいバラエティなキャラによるコミカルキュートでたまにカッコいい掛け合い
(日本語でおk)
オープニングに惹かれて1000円強を支払い、ゲームを始めた飛び亀。
すると、よく分かっていないけど「朝アニメっぽい!」キャラクターたちが出迎えてくれました。
まず主人公はトレフィという精霊使いの女の子。
女の子主人公なのでおジャ魔女とかプリキュアとかプリパラとかふたご姫みたいな感じのお話かな、と最初は思いました。当たらずとも遠からずって感じですが、話の大筋は冒険ものです。クレヨン王国かも。ふたご姫も初期はそうだっけ?
精霊たちと仲良くし、使役できる「精霊使い」という稀有な能力をもったトレフィは、ある日ひょんなことから宝石「ココロクローバー」を手に入れます。その直後から、ココロクローバーを狙う悪者たちが次々とやってくるように。
しかしトレフィは精霊使いとしての魔力?霊力?で戦える女の子なのです。しかも、精霊と憑依合体?して変身!できるのです。めっちゃ朝アニメ要素ですね。
最初の敵を追い払ったとき、突如ココロクローバーが輝き出し、光を放ちます。その光が指し示す先に何かがある。そう確信したトレフィは、精霊たちと旅に出るのでした。
多彩なライバルキャラと毎話使い捨てのモブ敵!
精霊たちは水・火・土・風といった属性に分かれていますが、性格もさまざまな、強弱多彩な精霊たちが続々登場して、そこは例えるならデジモン感(レジェンズもそう)が溢れています。
そしてココロクローバーを狙うのは、悪い人間に悪い精霊、さまざまな悪役たち。いつものやつら、悪の精霊組織、帝国軍、それとはまた別枠の敵など……。次第にライバルが多様化していって、それも朝アニメっぽい気がします!
こんな強そうなやつらから……
ちょっとドジで憎めない悪役もいれば……
……ボクっ娘の怪盗まで!
これだけ多彩な敵キャラクターがいるのですが、実は毎話こいつらと直接戦うわけではありません。敵幹部の送り出す精霊が心のスキを突かれた人間と憑依変身し、怪人となって襲いかかってくるのです。
もちろん基本的には1話1体で使い捨ての敵。例えば仮面ライダーも使い捨て怪人のイメージですし、アニメカービィもそんなんでした。あと、心のスキを突かれた人間が悪に染まるのは女の子向けでもよくありますよね。しゅごキャラとかも?
濃ゆい友達キャラたち
さて、トレフィは冒険出発後すぐに大きな街に到着し、そこを拠点にするのですが(拠点システムあると朝アニメらしく引き伸ばし箸休め回がやりやすいよね)、そこを中心に友達が増えていきます。
モモちゃんは初登場時こそキツいお嬢様キャラですが、すぐその話のラストでトレフィにべた惚れするとかいうぶっ飛んだ展開に走ります。主人公パーティの誰かにべた惚れする女の子ってのはあるあるですが、ヒロインにべた惚れガールってのは僕の脳内データにはあんまりありませんでした。
モブ男子はよくあるパターン。
その一人が心のスキを突かれて怪人化するのもままある話ですよね。
そして、トレフィの相方枠を欲しいがままにしているのがスコルくんです。トレフィ自身は彼を知識のある解説役としか思っていませんが、実は彼の正体は……!
他にも、各話ごとにゲストキャラが出てきて、交友を深めたりします。場合によっては、再登場もあるかもね。
トレフィの恋
そして、子ども向けアニメだろうが大人向けアニメだろうが外せないのが少年少女の恋心。あろうことかもちろん女の子であるトレフィも旅の中で恋心が芽生えることになります。お相手は……
オオカミさん……オオカミ?
モモちゃん→トレフィ→オオカミさんという意味不明な複雑な関係がここに生まれます。トレフィはとある大ピンチに自分を救ってくれたオオカミさんに恋してしまうのです。なんということ。
ところが……!?
オオカミさんことウルトールさんの正体は、なんと悪の精霊組織の幹部だったのです。
恋する相手が悪いやつだった?
というパターンは、近いものをふたご姫やしゅごキャラで見たことあります。まあどっちも結局は味方だった気がしますので、ウルトールさんもそうなんでしょう、きっと。
トレフィはこの事実を知り、怒ってウルトールとのガチバトルに突入します。展開的にはいなされてしまいますが、トレフィはウルトールをライバル認定。でも、その直後にまた助けられてしまって……
敵でありライバルであり恋する相手であり、そして実はいつもそばに……
という詰め込み過ぎな関係性ですが、今後どうなってしまうのか。
そう、実は「ココロクローバー」はシーズン1の名の通り、全く完結していないのです。
そう、始めるなら今なのです!
朝アニメっぽいコメディと熱血の交わる展開
ここまで話してきた中で伝わった部分もあるでしょうが、朝アニメ=子ども向けらしく全体的にはコミカルで楽しい雰囲気のお話です。
ところが、話の根幹にかかわるところはしっかり熱く、熱されています。
そして主人公の大ピンチにはつきもの。
それはそう、新たな武器、新たな変身!
金髪、髪型チェンジ、剣!
激アツです。
何より盛り上がりどころのBGMが最高です。
個人制作の2Dドット絵アクションゲーム
さて、ここまではキャラクターや展開に焦点を当ててきましたが、このココロクローバー、もちろん本物のアニメではなくゲームです。それもアクションゲーム。
実はアクションゲームツクールという、ツクールシリーズ(RPGツクールが有名ですね)で制作された個人制作ゲームなのです。インディーゲームです。(音楽のみしのりゅーさんによる電子音風のBGMですが、それ以外はすべてひこてるさん個人による制作)
しのりゅーさんのBGMは本当に素敵でピッタリでかわいくてかっこいい。そして、ひこてるさんの描くドット絵。よく動くし可愛すぎます。ここまでのスクショでもそれは伝わると思いますが、これは本当に遊んでみてほしい。動くドット絵って最高!
このドット絵や音楽を活かして、ストーリーモードはなんと大半がここまで載せてきたスクショのような「お話」部分に割かれています。その途中で各話アクションステージが挟まったり、ボス戦が挟まったりします。移動シーンや戦闘シーンにゲーム部分があてがわれるのです。
個人的にはこの感じ、ちょうどいい塩梅で好きです。何となくバンダイ・バンプレストあたりの版権ゲームを思い出すような。全部お話を読むだけじゃつまらない。でもアクションばかりで話を邪魔されたくもない。
このバランスには「第○話」というアニメっぽいステージ制と、「アニメ風時刻表示(左上)」が活きていると思います。各話(ステージ)ごとに必ずアクションパートがあるという約束、そして話の展開とともに進んでいく時刻表示。これによって「あ、そろそろゲーム入るな」「これもうボス戦来るぞ」「え、今回はまだなの?」「ええ、早くも10分でボス戦!?」といったワクワク感や驚きが呼び起こされるのです。
これもう何言ってるか分かんないですよね。
ぜひ遊んでみてください。きっと分かりますよ。
こういうのは、やっぱりアクションゲームだからこそ。
ノベルゲームだったらちょっと魅力も半減だったかなぁ、と僕個人は思います。でもちなみに、なんとステージやボス戦をスキップする機能もついています。すごい。
そうそう。
ストーリーモード以外にも、ちゃんとアクションゲーム中心のモードやボスラッシュ、コレクションモードがあります。
アクションとしては非常にシンプルで、かつダンスと言う名でごまかされた驚異のノーリスク無敵アクションを使えるので、ちょっと慣れればものすごく簡単です。それによって「ゲーム部分はおまけ」などと言うレビューもあるかもしれないのですが、僕はそれは違うと思います。
もう一度書きますが、バンプレスト的な「アニメのゲーム化」は、やっぱりゲーム部分あってこそなのです。ココロクローバーもアニメの中にアクションゲームを置くことで「眺めるだけじゃない」楽しさが生まれます。自分で動かして、自分で倒して、それでアニメが進むような体験。これがエモいのです。
またアクションゲームとしてはものすごく簡単に見えますが、無敵ダンスを使わなければダメージは避けられないような難易度調整になっています。だから、縛りプレイをどこまで課すかによってアクションとしても割と色んな楽しみ方ができると思いますよ。
何よりこだわりを感じるのは、アクションモードでもステージの途中にキャラクターたちが配置され、隠された物語を動きだけで伝えてくれること。
そのあたりはこちらのレビュー記事もご覧ください。
なんというか、「アニメをゲーム化した際に収録できなかった話をアクションステージとして極力再現してみた」みたいな感じがあります。ステージを進むだけで、ストーリーモードとはまた別のお話が見えてきます。素敵です。こういうの憧れます。
他にも書きたいこと、おすすめポイントはたくさんあるのですが、10月4日という発売2ヶ月記念にギリ間に合うようにこの記事をアップしようと思います。時間切れです。
正直、本当にたまたまニンテンドーeショップで安いソフトを眺めていたら出会った、という奇跡の巡り合せでこんな楽しいゲームを遊べるとは思ってもみませんでした。
本当に朝アニメ、というか子ども向けホビーアニメのお約束をピンからキリまで古今東西東奔西走集めてきたようなストーリー展開、ネタの候補です。ゲームがゲームがとも言いましたが、やっぱりお話も面白い。キャラもかわいい。
そして、インディーゲームらしく現在進行系で鋭意開発中。
シーズン2はもちろん、このシーズン1のアップデートも秋~冬に準備中だそうです。皆さんぜひアプデ前に一度遊んでみてください。
ワクワクワンダーな冒険が待っていますよ!!
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