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人事ポリシーに「倫理観」という抽象的ワードが入っている理由

株式会社Flucleではミッション・ビジョン・バリューに沿った事業活動を行っていますが、この秋、新たに「人事ポリシー」が作成されました。

人事ポリシーのある/ なしは、企業の考え方や事業フェーズにより異なり、形骸化するくらいなら作成の必要はありません。ではどうして私たちは必要としているのか、考えをまとめました。

また株式会社Flucleの人事ポリシーには「倫理観」という抽象度の高いキーワードが出てきます。社内でもニュアンスが掴みにくいという声があるため、オープン社内報として解説してみます。

▶Flucleメンバーへ
このnoteを端的にまとめた「カルチャードック」は社内Notionで読むことができます。迷ったらNotionを確認!


人事ポリシーは何のためにつくるのか

株式会社Flucleは「働くをカラフルに」を掲げるスタートアップです。カラフルにはさまざまな意味が込められますが、単に社内が多様であればよいわけではありません。それより大切なのは、日本のすべての人が「自分の意思で人生を選択でき、多様なスタイルで可能性を開いていける」社会をつくることです。

だからこそFlucleには、多様なスキルや夢を持ちつつも、同じ気持ち、同じ行動でビジョンに向かえるメンバーを集めなければいけません。

皆でビジョンを目指すためには「前に進むための行動指針」が必要不可欠です。ひとりでも自分のカラフルだけを優先する人が出てくると、歩みが遅くなってしまうからです。そして、その指針や行動、結果をまとめて「カルチャー」と呼んでいます。

では、いわゆるカルチャーフィットする人とどこで出会い、どうやって相互理解をしていくのか。すべての企業が直面する課題ですが、人事ポリシーはまさにこの難問をクリアするために存在します。

バリューと何が違うの?

人事ポリシーはバリューと混同されがちですが、存在意義は明確に違います。

◆バリューは「具体的行動」
◆人事ポリシーは、「あなたという人物」

会社のメンバーを「同じ船に乗る仲間」に例えることがありますが、スタートアップは、まさに宝島を探す海賊船。とても分かりやすいので、以下、海賊船に乗ったつもりで読み進めてください!

【あなたの乗った海賊船のバリュー】

  • 交代時間を守る

  • 天気に敏感になり、異変は必ず報告する

  • 食事は仲間と平等に分け合う

このバリューは、乗船している以上絶対守るべき行動指針です。全員が守らなければ船は進まないし、スピードは落ちるし、何より命にかかわりますよね!  
つまり、「陸にいるときの自分は時間にルーズだとしても、この海賊船に乗った以上は交代時間は守る」のが、バリューに対する正しい姿勢です。

では次は人事ポリシーを見てみましょう。

【あなたの乗った海賊船の人事ポリシー】

  • 「大志を持て」

  • 「仲間を尊重」

人事ポリシーは行動ではなく、「こういう人物だから、船に乗る仲間として認められるよ」という、存在に対する定義です。つまり、いくら時間を守っても、天気に敏感でも、「大志もなく、自分勝手」な人は船から降りてもらわないといけませんし、そもそも乗船できません。

では逆に、人事ポリシーを体現できている乗組員はどうなるでしょう。彼ら彼女らは自然と仲間としての大きな役割を果たすことができ、もしかしたらいずれは副船長や操舵長として活躍するかもしれません。そして、そんなメンバーが集まれば、3年かかると思われた航海は半年で終わり、ライバルより先に宝島を発見できるかもしれません!

その結果ゲットした財宝は、人事ポリシーを体現できている、一緒に荒波を乗り越えたメンバーで分け合うことになります。

これぞまさにスタートアップ!

株式会社Flucleの人事ポリシー

というわけで、私たちの人事ポリシーをご紹介します。

【株式会社Flucleの人事ポリシー】

Flucleは、自ら思考し、自ら行動する人とともに成長していく会社です

「働く」は、楽しいことばかりじゃないけれど。
答えのない問いに向き合い、行動すること自体が大きなチャレンジ。それを「カラフル」に開花させ、糧にできる人を支援します。そんな人が集まれば、仮説を立て、失敗を恐れずに進み、扉が開いたときに心から喜び合えるチームになれるはずです。

そのために持ってほしい3つのマインド
未知の環境を恐れず、自分の人生を生きること
人は、やったことのないことを正確に判断できない。予期しない環境も挑戦的に受け入れ、自分の働く意義を模索しよう。いつか「働いてよかった」と思うための物語は、今日も紡がれている。
コーチ&コーチャブルであること
伝えること、受け入れることから逃げず、ポジティブであれ!議論も成長痛。価値観の相違があってもギャップを埋められる体力をつけていこう。
倫理観を持って働くこと
自分の利益の最大化のために意思決定をしていないか、自分の仕事がよい影響を与えられているか、俯瞰する力を持とう。社会にも仲間にもGive!
ともに幸せになるための仕事をしよう。

社内Notionより抜粋

人事ポリシーに掲げた3つのマインドには、Flucleが「このようなメンバーと働きたい」という意思を込めています。そしてこの意思は、採用やキャリアアップの際の指針になっていきます。

バリューに沿った行動ができていても、ミッションに共感していても、「行動しない」「倫理観のない」方は、船に乗っていただくことはできない、ということです。

倫理観が入っている理由

人事ポリシーには、「倫理観」という抽象度の高いキーワードが出てきますが、「個人の利益ではなく、世の中の利益を中心に考える」というニュアンスで受け取っていただければと思います。

「家族を大切にする」「人を傷付けない」などの道徳的な教えと同じように、どうしてですか?と聞かれても、「そういうものだから」と答えるしかないものが倫理観です。

幸せは、どんなに突き詰めても「自分」で感じることしかできません。
しかし「私は自分のために生きているから、誰かが不幸になってもいい」という思想で人をボコボコにしてはいけないですよね。そんな当たり前のことを、人事ポリシーに入れました。

人として善きことをしましょう。
自分の理屈だけで考えず、世の中のことを思いやりましょう。
ただ、それだけのことです。

倫理観は、スタートアップの人事ポリシーとしては意外なキーワードかも知れません。しかし私たちは、単に会社の服務規律やルールを守ってればよい、法律でOKならよいという考えではなく、人としての倫理感を持つメンバーと一緒に働きたいのです。

だって、スタートアップのメンバーは
小さな船に乗り合わせた運命共同体ですから。

人生と社会を「善く」する存在になろう

2023年10月現在、株式会社Flucleに評価制度(給与テーブル)は存在しません。今のフェーズでは「よい評価が欲しいから、見返りが欲しいから」と考えるメンバーよりも、「この環境でチャレンジをすること」に重きを置いたメンバーとチームを組みたいと考えているためです。

しかし日々の業務が未来に繋がっているのか、自分は成長できているかのマイルストーンを刻むことは必要です。そのため業務フィードバックのための面談が小刻みに行われ、上長とのKPTサイクルが回っています。

ビジネスライクに考えると、MVVや人事ポリシーはあくまで事業計画を達成するための指針でしかありません。

しかしその指針を意識して生きることで、人生そのものに「善き」影響が生まれたら…それは自分自身だけではなく、家族や友人、そして社会にも波及させることができる。そう思いませんか?

自分の利益の最大化のために意思決定をしていないか
自分の仕事がよい影響を与えられているか

そう考え、日々行動とチャレンジを繰り返すことで、宝島までの距離はきっと縮まっていくはずです。


お読みいただいた社外の皆さま、ありがとうございました。

株式会社Flucleでは、このようなポリシーに賛同して一緒の船に乗ってくれる仲間も大募集中です!
詳しくは採用ページをご覧ください。



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