見出し画像

【レビュー】脳と心でつながる絆『SCARLET NEXUS』

 プレイ開始自体は春だったのですが、ゼルダの伝説TotKの発売とともに中断してしまい、9月末から再開しました。本作は主人公が2人から選べるのですが、それぞれの視点から物語を進められるため2周目も新鮮な気持ちで遊べるようです。…というのも、私はまだ1周目ユイト編(男主人公)を終えただけでこれから2周目に入るのでまだその楽しさは未体験です。たぶんユイト編が正統1周目っぽい。表裏で言えば表かな。2周目のカサネ編も含めた感想は、自企画の『スクショで振り返ろう』にてネタバレありで語りたいと考えています。

 本作で一番特徴的だったのは、キャラクターそれぞれが『超脳力』を持っていること。超"能"力ではありませんよ?この力は仲間と脳を仮想ケーブルで繋げること(SAS)で共有できるという面白い仕様になっています。そのため、主人公の脳力は念力ですが、SASを使えば炎や電気での攻撃、瞬間移動、物質の複製、ダメージ無効化などなど仲間のあらゆる脳力を使うことができます。面白い!

 物語は、この脳力を駆使して戦う怪異討伐軍、通称『怪伐軍』の主人公たちを中心に大きく広がっていきます。それではレビューに入ります。


良かったところ

飽きの来ない度肝を抜かれ続けるストーリー

 本作はめちゃくちゃストーリーが面白い。起承転転転転転結ぐらいの割合で「ええっ!?そうなのぉ!?」という驚きの展開が続き、この後どうなるのかずっと気になってしまいます。話は全体的に超シリアス。なはずなのですが、仲間たちに支えられ、一緒に過ごしていると「めちゃくちゃ大変だけどなんとかなる!」という気持ちにさせられます。全ての伏線が綺麗に回収されたとは言えませんが、それでも点と点が繋がった時はやっぱり気持ちいですね。

本作1番の伏線シーン
回収の仕方に思わず「そういうことだったのか!」と納得

キャラクターにめちゃくちゃ愛着が湧く

 本作はこれまで書いてきた通り仲間の存在が大きな役割を持っています。主人公を戦闘面でもメンタル面でも支え続ける彼らの存在にプレイヤーである私も癒されました。主人公を含めパーティメンバーは全部で10人もいるのですが、誰1人として陰が薄いということはなく、一人一人にしっかりと背景や見せ場があります。本作は1章が本編フェイズとスタンバイフェイズの2部構成となっており、スタンバイフェイズではアジトで仲間たちとふれあうことができます。絆を深めれば深めるほど、戦闘でも高い効果を発揮し、いかにも脳を繋げているからこそ感情の繋がりが脳力に反映されているように思えます。みんながいてくれたから最後まで戦えたと主人公を通して強く感じることができるほど魅力的なキャラばかりでした。

仲良くみんなでゲーム大会
醜い争いが幕を開ける…!

 あとこれは余談ですが、この世界はキャラクターの見た目と年齢はイコールではありません。怪伐軍では超脳力を維持するために肉体が歳をとらないような処置をしているため、思ったより年上だったり、兄弟や家族の見た目の年齢が逆転していたりということも珍しくないのが面白かったです。

ゲンマは50歳以上らしい
作品内では肉体年齢は高め
こう見えて16歳の主人公よりずっと大人なルカ
…のはずだけど趣味は結構子供っぽいのも面白ポイント

戦闘が楽しすぎる

 冒頭で書いたように本作の戦闘を面白くしているのはSASシステム。ブレインパンクアクションというオリジナルな戦闘システムがとにかく爽快で楽しい。最終的には9種類の仲間の脳力を自在に切り替えながら戦闘を行うのですが、発動時の演出がいちいちかっこよくて大好きでした。

借りた仲間のカットインが現れる

↓こちらはエリアボスのネタバレがありますが、動画の方がスタイリッシュさがわかりやすいです。ネタバレが気にならない人向け。

 さらに敵にはクラッシュゲージというものがあるのですが、これを削るとHPが残っていても一撃でとどめを刺すことができ、その演出もまたかっこよくてクセになります。

グラフィックが綺麗

 ゲーム中はどこに行っても景色が壮大で美しいです。近未来的な建物から廃墟まで全てが作り込まれていてどこを切り取っても絵になります。

 あまりにも綺麗すぎて、敵もすごくリアル。『怪異』というのですが、その生まれた経緯も相まって不気味さが半端ないです。

あまりにも溶け込んでいて逆に気持ち悪すぎ!!!

曲が良すぎる

 基本的にはノリのいいテクノ調な音楽が多いのですが、シーンによってはヘビメタロックだったりしっとりしたピアノだったりと種類もさまざまです。かっこいいアクションの後ろでかっこいい曲が流れているもんだからもうテンションもあがっちゃいます。私のおすすめはこちら↓(ラスボス曲も良かったけどタイトルがネタバレすぎたので泣く泣く抜きました。)


気になったところ

イベントシーンが多め

 多いこと自体は特に悪いとは感じていません。ただ、他のゲームに比べると多めなので、操作していると度々イベントシーンが挟まり手持ち無沙汰になることがよくありました。テンポを乱される感じとでも言いますか。スタンバイフェイズに関しては一部イベントを除くといろんなキャラとの会話シーンを眺めているだけという状態が30分ほど続く感じがほとんどでした。でもキャラクターも大好きなのでつまらないとは思わないですけどね。だいたいニヤニヤしながら見てました。

イベントシーンはほとんどがスキット形式

 本作も『スキット』と言っていいのかわからないのですが、バンダイナムコはテイルズシリーズも作っている会社でして、スキットというのはテイルズでよく見られるシステムです。

キャラクターが立ち絵内で会話する
テイルズシリーズの名物的システム
引用元:テイルズチャンネル+

 私はテイルズオブジアビスの実況しか見ていないので全てのテイルズシリーズがそうなのかは知らないのですが、本編外で小話をする際にこういうシーンがあり、メインイベントはこれとは別に操作画面の延長で繰り広げられていました。スカーレットネクサスでも似たようなシステムで会話が行われるのですが、7割ぐらいこういう感じなんですよね。ギャグシーンからシリアスシーン、アクションシーンまでほとんどがこのようなコマ劇場で行われます。とても綺麗なグラフィックで操作キャラの動作もすごく自然なのに静止画で話が展開していくのに正直最初はがっかりしました。クリアまで行った今ではさすがにもう慣れましたけどね。

キャラの表情や口は動くけど後ろは静止画

といっても、ここぞという場面では見応えのあるアクションムービーシーンもちゃんとありますのでご安心を!

カサネかっこいいー!

総合★★★★★(5.0)

  プレイ当初はバンナムゲー初心者だからかマイナスに感じた点もいくつかありましたが、クリアした今単純にどうだったか考えると普通にめちゃくちゃ楽しかったです!!!ゲームを評価する上で重視する項目が私にとってはどれも満足いくものでした。今はただただ早く2周目がしたい。ユイト(1周目主人公)が困難に立たされ奔走していた時、カサネ(2周目主人公)は一体何をしていたんだろう?どうしてあんな行動をとったんだろう?とストーリーを多角的に眺めたくて仕方ないんです。最初はコツを掴むのが難しかった戦闘でも慣れると本当に楽しかったので、2周目にキャラも私も強くてニューゲームできるのが楽しみすぎます。いやー…これはPS5でしたかったかもしれない。買い替えまでに急いでクリアしてしまったけど綺麗な画面、スムーズな動作をさらに味わうならPS5の方がいいかも。2周目はハード変えてやろうかな…でも覚えてるうちにやってしまいたいし…むむむ…….。

 こういうアニメ調のキャラクターが出てくる、なんて言うんでしょう、アクションJRPG?は実は初めてだったりします。たぶん。歳をとったせいもあり、キャラクターにむちゃくちゃ感情移入しながらプレイしてしまいました。楽しい。このゲームはたしか発売と同時にアニメも放送されていましたが、正直ゲームの方がキャラデザがいいのでアニメ見るかゲームするかで迷っている人がいたら絶対ゲームしてください。

 今後これ以上に戦闘の楽しいゲームをできるのだろうかと心配になるくらい夢中で遊びました。興味があるけどまだプレイしていない方は是非遊んでみてくださいね!


その他レビューはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?