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追悼をする、自主合宿2日目の日記

眠りを切り裂くような救急車の音と、その音に合わせた隣の犬の遠吠えで目が覚める。スマホを見ると5:24。まだ眠いけど起きるかと、身体を起こそうとすると、首と肩がバキバキに固まっている。寝ている間に鉄を移植されたのかと思うほどだ。

つけっぱなしだったエアコンを止めて、窓を開ける。雲間から太陽の光がほんのりこぼれている。リビングの窓も開ける。顔を洗う。部屋に戻ると、ほんの数分過ぎただけだというのに、太陽がもう顔をのぞかせ、光を放っていた。

着替えて家を出る。玄関の扉を開けた瞬間、セミが目の前を横切って飛んで行った。郵便物をポストに投函し、近くのお寺に向かう。歩いていると体がすごく重く感じる。起きたばかりだからではなく、単に太ったからか、運動不足なだけかもしれない。

お寺の入り口に「大施餓鬼会」という立て看板が立てかけられていた。境内に入ると、セミの声が一段と大きくなり、シャワーのように降り注いでくる。よくよく聞いていると、3種類くらいの鳴き声が聞こえる。もっとあったかもしれない。どの鳴き方がどのセミかはわからないが、ただただうるさいだけでなく、控えめな音量で風流に鳴くセミもいるようだ。左手の墓地ですでにお墓参りをしている人がいた。柄杓が手桶にあたる音が、カーン、カーンと響いている。

本堂でお参りをして、また家に戻る。6:00前だというのに、もう汗ばんでいる。リビングの窓を閉めて、エアコンをつける。今日のカードを引く。「力とペンタクルのクイーンの逆」。「やり遂げる日。追い込みすぎないように」とメモする。朝のルーティンは後回しにして、キッチンでお湯を沸かしマグカップに入れる。少しお腹がすいていたので、昨日の夕方買っておいたラムネを食べる。

6:30から自主合宿の2日目スタート(詳しくはこちら)。最初に昨日書いたノートを読み直す。続いて『20世紀言語学入門 現代思想の原点』の読み残した章を読み終える。ちょうど90分たったので(90分1コマで、1日4コマ取り組もうという計画)、そのまま朝休憩。

昨晩の残りのスパニッシュオムレツと、キャロットラペとフォカッチャで朝ごはん。Paraviで「MIU404」を見る。「アンナチュラル」のUDIが出てきてびっくり。

本来ならここで朝のルーティンをして2コマ目に入る予定だったが、あまりにも眠い。少し寝るか、それともモーニングページを書くかと数分迷って、このままずっと眠いままだと効率が悪くなりそうだと思い、ベッドに横になった。

結局寝れなかったので、予定通り9:30から2コマ目に取り組む。先ほど読んだ部分の赤線部を中心にノートにポイントを書いていく。肩と首が固まっているのは、このノートを書くときの姿勢が原因だ。ときおり背筋を伸ばしたり伸びをするも、テーブル上に本とノートがあるのでどうしても前傾にならざるを得ず、どうにもならない。途中、ガムやラムネを食べて気分転換をしながら進めた。

予定時間を少し過ぎて1冊目の本が終了した。ノートを書くのに時間を取られ、想定の1.5倍の時間がかかった。この自主合宿でやっていることって、実は「1人ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)」のようなものだ。ダイアローグの時間はないけど。結構集中力が必要とされる。裏を返せば、普段はたいして集中もせず、漫然と本を読んでいるってことなわけだけれども。

それにしても、『20世紀言語学入門』を1冊目に持って来てほんとうによかった。今までバラバラだった言語学界隈の人名や用語などが脳内でつながってくれて、ちらかった部屋をきれいに片付けたようなときに近いすっきりとした気持ちの良さがあった。もちろん概要書なので、各々の理論の説明は短すぎてほとんどわからない。これは各論でもっとちゃんと読んでいかないといけないのだが。

ブルブルマシンに両腕をのせ、床に膝をついて、数分肩や背中をほぐす。お湯を沸かしてお茶を入れながらしばしぼーっとする。その後まだ書けていなかったモーニングページを書く。

正午に1分間の黙祷をして、3コマ目をスタート。2冊目の本『言語哲学入門』に入る。この本も、章ごとに読んで、ノートに書いてと交互に進めていく予定でいたが、論理学的な文章なので、じっくり読まないと「ちょっと何言ってるかわかんない」になりそうだ。ノートのことは後で考えることにして、ひとまず先に通しで読むことにする。首肩のガチガチがやばいので、ソファーにクッション何個も重ねて、寝っ転がって。もはやいつもの読書と変わらない? 1冊目のインプットがあったので、人名や理論の用語は既視感がある。そこは作戦成功。

13:30にお昼休憩。長男がつくった鶏ハムと、昨日作ったきんぴらと、しらすかけご飯で軽めにお昼を食べて、昼寝をするつもりでベッドのなかで先日から読んでいる漫画『はだしのゲン』を読む。小学校のとき読んで以来だ。結局また眠くならず、予定通りの時間に4コマ目を始める。その分、夜にぐっすり寝れるだろう。

4コマ目の90分が経った時点で一度休憩をし、残りの数十ページを読んで2冊目の本も読了。「言語哲学とは?」「言語学と何が違うの?」なども含め、内容については後日、合宿報告などとあわせてあらためて。

その後、少しぼーっとしたあと、毎日ちょっとずつ読んでいるインタビュー写真集を手に取る。すでに亡くなられた方も多いけれど、どの人のインタビューもそれぞれに重くて、なかなかガーッとは読めない。


この後は、シャワーを浴びて洗い物や食事の準備をしたあと、NHKのドラマ『太陽の子』を見て、そのまま続けて、民間人への戦後補償についてのNHKスペシャルを見てから寝る予定。

どれだけの苦しさや悔しさややるせなさや悲しみを持って、どれだけたくさんの方が命を落としていったのか。戦争が終わってからも、どれだけたくさんの方が、どれだけの過酷な時間を生き抜いてきたのか。自分の生かされている間、目をそらさずに、見つめ続けようと思っている。そんな2020年の終戦の日。

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