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映画「Perfect Days」感想 : あの夏の日

あの夏の日

朝にラジオ体操へ行き、
朝ご飯を食べて、
好きなように遊んで、
昼ご飯を食べて、
外に遊びに行って、
夕ご飯を食べて、
風呂入って、
寝る。

あの夏の日をずっと追い求めている気がする。

社会人ってなんでこんなに疲れなきゃいけないんだろう。
心をすり減らして、傷に蓋をして見ないようにして。

求められるもののハードルは上がっていき、
それには無償の努力が求められる。

あの夏の日に戻りたい。

別に勉強なんてしない。

別に将来のことなんて考えない。

明日着る服も明日の献立も考えない。


あの夏の日にあるのは「今」という自由。

「今」を生きられるのは即ち豊かさ。


Perfect Daysの平山の生活が羨ましく感じるのは、
そこはかとなくあの夏の日の気配がするからだ。

「今」を生きられる自由と「今」の豊かさ。


あの夏の日の気配を追い求め

新しい今を待ち侘びながら今日も眠る。


あの公園のベンチに座ったら
平山さんは会釈をくれるだろうか。

あの制服の女性のような私を見て、
居心地悪そうに目をそらすんだろう。


疲れた。


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