『鋼こむらがえり』 #毎週ショートショートnote【大会編】
今日はAIロボコンの初戦日。
今年の課題は鋼こむらがえりだ。
夏場にこむら返りが起きやすくなるため、AIロボにもその機能をつけ、こむら返りに苦しむ姿をリアルに見せることで脱水症予防を呼びかける、というのが主催者側の意図だ。
しかし、人間とは違い筋肉なんてものがないロボットにその機能をつけるのは容易ではなかった。
そのため僕らは筋肉を作るところから始め、最終的にAIロボの片足を人体模型のように皮が剥がれた状態にし、筋肉の伸縮バランスが崩れる様子が見えるよう工夫した。
あとは本番にこむちゃんをベッドに寝かせ、遠隔操作でこむら返しを引き起こし、痛い!と言わせるだけなのだが…
一向に対戦相手が現れず、A高校棄権、B高校棄権というアナウンスが流れ出し
「おい!このまま不戦勝じゃね?」
共同開発者が興奮したように騒ぐ。
「さて今回の大会だが…」
主催者が現れ
「残念ながらこむら返りの危険性を訴えるには棄権するのが正解だ」
と手の平返しされた。
大人になるまで「こむら返り?何のこっちゃ?」と思っていたのですが、明け方の激痛を知って以来、こむら返りの恐ろしさを痛感しました。(手のひら返しはいつだって怖いけどね!)
皮膚や爪の色で脱水状態が確認できるため下記のサイトをご参照の上、みなさんもお気をつけ下さい🙏🙏
(回し者ではございませんが、動画を回すのはご自由に。)
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