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妊娠中に子どもに教えられたこと(双子妊娠ストーリーNo.35)

双子妊娠発覚、14週から週に1度の通院、28週で管理入院、33週で夜間緊急帝王切開と、ドラマティックな出来事だらけの妊娠・出産を経験しました。

人生の中でそう経験することのない妊娠期間だからこそのスペシャルな学びや気づきがたくさん。これまでの私の価値観や考え方がまるっきり変わってしまうくらいの発見の数々をご紹介します。

1.人と比べることは全く意味がない

管理入院で1ヶ月病院で過ごしました。双子の母は私だけで、そのほか様々な事情を抱えて入院するお母さんと赤ちゃんに出会いました。胎盤の異常で妊娠8週から入院し退院後も休職が必要な人、切迫早産の疑いありで24時間点滴が欠かせない人、赤ちゃんの成長がゆっくりのため妊娠中期から2ヶ月以上入院している人、とても早く小さく生まれてNICUに長く入院する赤ちゃん。人の数だけ事情があり、ドラマがありました。確実に言えるのは、どのお母さんも赤ちゃんも精一杯今を生きているということ。そしてこれほど経過が違うのだから、お母さんも赤ちゃんの皆違って当然、誰一人として同じではないということ。人間は比較するのが好きだし比較して自己肯定感を高めたりしてしまいがち。でも、それって本当に無駄。だってお腹にいるときから赤ちゃんは自分の人生を歩み始めていてそれはほかの誰とも一緒ではないから。お母さんもそうで、例えば「双子妊娠」「高齢出産」という同じカテゴリーにいる人でも経過は様々。SNSでキラキラ輝く毎日を過ごす妊婦さんを見て、マタニティライフをエンジョイしていてうらやましく思ったり、妊娠後太ってしまって自分が嫌だと思ったり、他の子どもを見てうちの子が大きい・小さい、賢い、かわいいなどと比べるのは本当に意味のないこと。自分自身や自分の赤ちゃんに目を向けて、小さな変化や成長に喜びを感じる方が幸せを感じ、心の平穏を保つことができると思うのです。

2.物事は多面的である

私はこれまで自信過剰な面があり、「これは間違っているー--!」とか「これには反対!!」と思うと自分の正当性を主張するようなところがありました。でも入院中にそれが間違っていたことを痛感したのです。

管理入院中、消灯後も廊下の電気が煌々とついていて部屋に差し込み寝付けなかったので助産師さんに電気を暗くしてほしいと伝えました。でも結局改善されず不満を持ったままでした。

なぜ改善されなかったのか、出産後にようやく気付きました。それは電気をつけておく必要があったからなのです。

出産後は高頻度でトイレに行きたくなる、しかも術後の痛みで動きが緩慢で時間がかかる。そして3時間ごとに搾乳しNICUにいる子どもに届けてもらうため所定のボックスに時間までに入れなければならない。つまり、消灯後に産後お母さんは廊下を歩く機会がたくさんあるのです。実際、夜中の2時30分に搾乳をもって廊下に出ると、トイレに行く人、赤ちゃん預け部屋から自室に運んでいる人、ざっと3~4人が廊下にいたのです。夜中の2時30分に、4人ですよ!!

物事は多面的で、そうなっているには理由がある


この時ほど私が思い知ったことはありません。自分はこう思う!と主張する前に、別の角度から考えるとどうか?違った考え方の人もいるのではないか?と想像力を働かせることが大切で、こうした見方が新たな視点を与えてくれるのかなと気づきました。

3.「お体大切にしてください」の意味

これまで社交辞令もしくは挨拶の文言の一部として「お体大切にしてください」といったことは数知れずあります。でもハイリスク妊娠を経て、「本当に」お体を大切にする重要性を学びました。体を大切にするために必要なこと、

①自分のカラダとココロに目を向けること
ちょっとした変化や異常に気付くこと
そして整えること

体に気を付けましょう!といっても、自分のカラダとココロをスキャンするようにじっくり見つめたり、変化に気づいたりできないと、専門家に相談することも養生することもできません。

私は、ヨガ、整体、ダンスを通じてカラダとココロを向き合う術を学んでいてよかったとこれほど思ったことはありません。妊娠中幾度となく襲ってきたどんなピンチにも心を落ち着けることができましたし、カラダの異常は速やかに自分で対処したり医師に相談したりすることができました。

これを食べたら痩せる!とかこの運動でらくらくダイエット!のようなメソッドが巷にはあふれかえっていますが、健康への一番の近道は、自分と向き合い自分を整える術を持つことなのではないでしょうか。私がこれからライフワークとしてぜひお伝えしていきたい智慧だと強く自覚しています。

4.「ハッピーバースデー」の意味

どんな赤ちゃんや子どもも周りの人を笑顔にして、幸せな気持ちをおすそ分けしています。そしてたくさんの愛情を注いでもらっています。

私は恵まれない幼少期を送った、だれからも愛されていない、そんな風に思う人もいるかもしれません。でもそんなことはありません!絶対に、最低でも一人の人はあなたを見て笑顔になったし、心温まる気持ちになったし、愛情を注いだはずなのです。

赤ちゃんは、産まれたその瞬間から人を幸せにする力があります。
だから「ハッピーバースデー」と呼ぶんじゃないでしょうか。

自分は無力だ、何のとりえもない、生きている意味もない、そんな風に思わないでください。あなたは既に人の役になっている、社会貢献している、必要とされている、無駄な命なんかない、私は声を大にして言いたいです。

生きてきただけで、生きているだけで素晴らしい!

そのことを子どもが教えてくれました。

これにて双子妊娠ストーリー全35話は以上です。毎回読んでくださった皆様、ありがとうございました。つづいて双子育児ストーリーが始まります。これからも楽しみにしていてくださいね!

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