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よいしょ(自選詩)

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#春

詩| 衣替え

詩| 衣替え

厚着明けは首周りが心許なくて、忘れ物の予感と似ていたから、振り返れば春だった。
建設現場のフェンスから漏れ出すノスタルジア。愛しい轍は霞んでいく。
スカーレットの鈍行列車。秘色の膝の裏。おやすみのベルガマスク。
質量を失くしても背負い続けて、土踏まずを凹ませた。
あれから何も出来ないままで、湿っぽくなった風が吹く。

トーキョータワーのアンテナが、脳漿に放つ微弱な電流。目まぐるしいこの街で、立って

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詩| 春の夢

詩| 春の夢

吹き溜まる花びらを見て、信号待ちの君が何を思うかは知らない。
柔らかな風に包まれれば、なんだか逆上せてしまって、君と僕とで縺れるように桜になれたらと思う。
終わらない三寒四温。
すれ違うオードトワレの香り。
愛想笑いで虚しい会話。
まだ散らないでと願った両目。
浮き立つような春霞。
何度でも忘れてしまうだろう。いつかまた君と会った時、心から美しいと思えるように。
発進した車が巻き上げた花びらが、時

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