小林彩子

グラフィックデザイナー&アロマキュレーター。日本の精油の産地を訪ね歩くことがライフワー…

小林彩子

グラフィックデザイナー&アロマキュレーター。日本の精油の産地を訪ね歩くことがライフワーク。主に旅日記と、日常を心地よく過ごすための香りづけのような情報、頭の中のメモを書き綴ろうと思います。

マガジン

最近の記事

私が旅をする理由〜2021年の終わりに

毎年恒例の、年末事務所オープンデーが12月30日に無事終了いたしました! 初めましての方、お久しぶりの方、毎年行きたいと思っていたと心待ちにしてくださった方、お出かけや帰省ついでにお越しくださった方、つたないライブ配信を見守ってくださった方。 そして何より、素晴らしい商品を届けてくださった生産者の皆さま。 たくさんの方に支えられて成り立った会になりました。 会場では偶然に再会した方、オフラインでは初めて会ったという方、新たなご縁が生まれた方も。 年末のお忙しい中、関わっ

    • 2021年6月・精油の産地訪問

      来月も、取材と勉強を兼ねての出張が続きます。 数年越しの念願叶っての、会津のバラ園訪問。 そして、八女のベチバーを見に行ってきます。 数年前、会津在住の方に教えていただいたバラ園のこと。 今のところ北海道〜東北の植物を見る機会が少ないので、会津に伺えるのはとても嬉しいのです。 そして八女は3度目の訪問。 今年から、ベチバーの蒸留をしている古民家を軸に、地域ぐるみのプロジェクトが動き始めたエリアでもあります。 (八女では、こんな古民家を拠点にベチバーの蒸留体験を行ってい

      • 「腰痛にいいブレンド」について考えてみました

        (※2019年3月21日のアメブロ記事に、加筆修正しています) 先日、わが夫が「腰が痛い」と訴えていたので、その対策に精油をブレンドしてアロマクラフトを作りました。 …という話をTwitterでつぶやいたところ、アロマ初心者の方から 「腰痛にいい精油のブレンドって、何ですか?」 という質問をいただきました。 文字数制限がない形でお返事した方が良いように感じたので、ちょっと長いですが、お付き合いください。 いきなり結論です。 「腰痛対策にどのブレンドがいいかは、相

        • アロマ愛好家にできる、森づくりのカタチ。

          「地元の山や畑の素材を使って、精油を作りたいんです」 こんな夢物語を、今まで何人の人から聞いたでしょうか。 敢えて「夢物語」と書いたのは、国内の産地を巡る中で、精油生産を事業として継続する大変さを知ってしまったから。 精油生産は、一攫千金の仕事じゃない。 ひたすら地道な仕事だからこそ、情熱と資金を継続させることが必須だと思っています。 そんな夢物語を現実にするために取り組んでいる人の一人が、QUSUYAMA LLC. 代表の吉水純子さん。 純子さんは、ネパールの原生

        私が旅をする理由〜2021年の終わりに

        マガジン

        • デザイン
          3本

        記事

          国産アロマの産地をめぐる方に必ず知ってほしいこと

          ちょっと偉そうな書き出しですが… これから国産アロマの産地をめぐる方に、必ず知っておいてほしいことがあって記事を書いてみました。 国産精油への注目が高まるにつれ、 「自分も精油の産地に行きたい!生産者に会いたい!」 という方が増えているようです。 それ自体はとても良いことですが、 行く側が大前提を間違えると、せっかくの産地見学自体が行われなくなる可能性もある ということを頭に入れつつ、読み進めていただけたらありがたいです。 まず、最初に知っておいてほしいこと 声を大

          国産アロマの産地をめぐる方に必ず知ってほしいこと

          「森林大国」に住む私たちは、木の成長の仕組みを習わない

          昨日、樹木生理学の研究者のお話をオンラインで聞きました。 日本の小学校〜高校の授業では、植物の成長について伝える際、木の成長の仕組みについては一切教えないのだそうです。   「木の成長は、草の成長の仕組みとは大きく違う。 どうしたら木が育つのかも知らないのに、大人になってからいきなり『森を大切に』なんて言われて、話が理解できるだろうか?」と。   日本は、国土面積の約7割が森林の国。 国の資源を大切に活かすことを考えるなら、小さな頃から、木について学ぶ機会を増やす必要がありそ

          「森林大国」に住む私たちは、木の成長の仕組みを習わない

          森の入り口、ないなら作っちゃおう!

          コロナ禍でずーっと温めていた企画、やっと情報解禁です。 林業のプロを目指してはいないけれど、森と林業の基本的な知識を学びたい人へ向けた、月1回×12ヶ月のオンライン講座。 ついに、募集開始いたします!   香りをきっかけに、興味を持った日本の森と林業について。 森のアロマは、木材としては売れない枝葉が活用できる。 つまり、お金がつかないものに価値をつけられる。   だから、もっと広まればいいのに!という私に対して、 「そんなに簡単じゃないんだよ……」 と困った顔をするのは、

          森の入り口、ないなら作っちゃおう!

          2020年飛騨旅(2)〜迷ったら、森へ行こう。

          2020年7月4日。 私は飛騨古川の森の中で、シャワーのような雨に打たれながら歩いていた。 ぬかるんだ地面からは、湿度を含んだ土の香り。 その香りは若葉の芽吹く香りと混ざり合い、霧になって私を包む。 頭や肩を指先でタップするように、降り注ぐ雨粒。 歩みを進めれば、雨音に沢や滝の音が重なる。 一緒に歩く人たちは、ときどき慣れない山道に足を滑らせながら笑いあう。 そんな中で突然頭に浮かんだのは、高校生の頃のこと。 なんであんなに昔のことを、森の中で思い出したんだろう。

          2020年飛騨旅(2)〜迷ったら、森へ行こう。

          精油の産地をめぐる、旅の記録ダイジェスト(2017−2019)

          香り好きが高じて、アロマテラピーの世界に足を踏み入れました。 最初は多種多様な植物の香りをあれこれ楽しんでいたのですが、ある時、ふと気がついたのです。 「精油は、植物の加工品である」 ということに。 アロマセラピストの資格まで取ったのに、小瓶の原料になる植物のことを全く知らない。 それは、魚の缶詰の味をいっぱしの顔で品評するくせに、海を泳ぐ魚の姿を知らないのと同じなのでは? 「精油を知るなら、原料植物やその土地のこと、作り手のことも知りたい」 そう考えたのが、旅の

          精油の産地をめぐる、旅の記録ダイジェスト(2017−2019)

          森に行けないなら、音と香りで森を味わおう

          日々のニュースに、心がざわついている方も多いのではと思います。 森林浴でもできたら気分も変わると思うのですが、週末の外出自粛を言い渡されている東京では、なかなかそれも叶いません。 というわけで、「森に行けない人は、音と香りで森を味わおう」という提案です。 森の音を自宅で聴いてみる普段つけているテレビを切って、自然の音を取り入れてみるのはいかがでしょう。 ●Forest Notes JVCケンウッドによる、森の音をライブ配信するサービス。 ラインナップは、白神山地、やまな

          森に行けないなら、音と香りで森を味わおう

          2020年飛騨旅〜(1)ヒマラヤ、私、そして飛騨。

          岐阜県・飛騨古川〜飛騨高山に、旅をしてきました。 地元の木を使った取り組みを行う飛騨の方々に会い、飛騨の文化を見に行くことが今回の目的でした……が、その前に少し長めの「旅のきっかけ」を。 私と「ヒマラヤ精油」との出会い飛騨旅にお誘いくださったのは、QUSUYAMA LLC.の吉水純子さん。 純子さんは「Thousand Snow from Himalaya」、通称「ヒマラヤ精油」と呼ばれる精油のメーカーの代表です。 ヒマラヤ精油は、ネパールの山岳地帯の植物から生まれた精油

          2020年飛騨旅〜(1)ヒマラヤ、私、そして飛騨。

          はじめまして 〜デザインと香りと〜

          初めての投稿なので、長めの自己紹介です。 小林彩子(こばやしあやこ)です。 1975年東京生まれ、東京育ち、東京在住。 グラフィックデザイナー、そしてアロマキュレーターと名乗っています。 好きなことを、仕事にせざるを得ない昔から、読書と音楽が好きでした。 好きが高じて新卒で音楽系出版社に入り、本の装丁や雑誌のレイアウトをするデザイナーになりました。 フリーランスの今も、読み物や印刷物のデザインが生業です。 よく「好きなことを仕事にできるって幸せね」と言われますが、極度の

          はじめまして 〜デザインと香りと〜