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国産アロマの産地をめぐる方に必ず知ってほしいこと


ちょっと偉そうな書き出しですが…
これから国産アロマの産地をめぐる方に、必ず知っておいてほしいことがあって記事を書いてみました。

国産精油への注目が高まるにつれ、
「自分も精油の産地に行きたい!生産者に会いたい!」
という方が増えているようです。

それ自体はとても良いことですが、

行く側が大前提を間違えると、せっかくの産地見学自体が行われなくなる可能性もある

ということを頭に入れつつ、読み進めていただけたらありがたいです。


まず、最初に知っておいてほしいこと

声を大にして言いたいことを、最初に。

生産者は、産地見学の対応がメインのお仕事ではありません。
産地見学をさせてくれるのは、あくまで「作り手の好意」です。
(たとえ、そこに見学の代金が発生していたとしても)

生産の手を止めて作る工程を見せていただくことに対して、使う側の私たちが敬意と感謝を持って接する。
生産者に産地見学を継続してもらうには、その姿勢が不可欠です。

国産精油は、小規模な作り手が支えている

国産精油の生産体制は、どこも小規模です。
私の知る限りでは個人で作っている人、会社化はしているけれど家庭内手工業的な形で作っている蒸留所が大多数のようです。
(大規模施設を持っている精油生産者は、国内ではおそらく片手で収まる数ではないでしょうか)

つまり、「非常に少ない人数で生産している」ということです。

どこかに出店する人的・時間的余裕もない、蒸留所が狭くて人を入れられないという生産者もたくさんいます。
だからこそ、見学会を開いてもらえることはとても貴重で、例外的であることも、見学する側として知っておきたいポイントです。


店舗のない生産者(メーカー)もたくさんある

イベントの時は直売が可能でも、小規模での運営をしていることから、普段は店舗を持たない生産者も多いです。
その代わり、多くの生産者はネットショップを持っています。

ところが。
「店舗がない」とサイトに明記しているにもかかわらず、生産者が常駐していない、店舗の存在しない住所に「突撃」してしまう人もいるようです。
(その住所が、生産者のご自宅である場合もあります)


生産者と会って話したい。
その前に、よーく、想像してみてほしいのです。

自分が行くことは、生産者側の大切な仕事の時間を奪っていないか?

自分がお邪魔するのはたった1回でも、生産者側は同じような人の対応を何人もしているとしたら?

知らない人が自宅に押しかけて来たら、どんな気持ちがする?


※実は私の投稿を見て、店舗を持たない生産者の事務所に「突撃」してしまった方もいたようで、心苦しいです。書き方が至らなかった、配慮が足りなかったことを非常に反省しています。


お互いにいい形で、出会って話そう

生産者に会いたいと思ったら、まず最初は

・マルシェなどの出店予定をチェックして行く
・生産者の企画する蒸留見学会に参加

のいずれかをお勧めします。

私自身、知り合いが間にいない場合は、生産者主催の企画に参加することからファーストコンタクトを取るようにしています。


商品を通じて、地域の未来を考えている生産者の方々

産地を訪れた3年半の間に出会った生産者は、手がけた商品を通じて、地域の未来を考えている方々ばかりでした。
毎回お会いするたびに、アロマの書籍を読んでも決して学べない、現在進行形の情報を教えていただいています。

精油や芳香蒸留水を作り出すのは、原料植物だけではないのです。
その土地の気候、文化、地形、歴史、水質……
作り手の考え方や、選ぶ道具、蒸留法によっても変わります。

そういった方々と一緒に話せるだけの言語を持ちたくて、少しずつ林業、農業、化学、歴史、そして植物の勉強を進めている最中です。
(そして、行くたびに自分の不勉強さにげんなりしつつ、「また学ぼう!」と思うのです)

都会に住む私に、できる仕事を考える

教えていただく一方ではなくて、都会に住む私ができること。

それは、素晴らしい地域が日本にはたくさんあり、そこで元気に頑張っている生産者の取り組みを伝えることではないか?と思い至りました。

都会の人が、さまざまな地域を自分の田舎のように大切に考える。
アロマや植物は、そのきっかけになり得るツール。

だからこそ、アロマや植物を学び、素晴らしい生産者の取り組みを知って、たくさんの人に伝えたいのです。

アロマ愛好家は、地域の関係人口になり得るのでは?

地域活性に絡む話でよく登場する、「関係人口」という言葉があります。

「関係人口」とは?
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。

地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。

出典:総務省『関係人口』ポータルサイト
https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/

この言葉を知った時に、東京にいながらにしてできることは、アロマを通じて各地の「関係人口」になることだ!と思ったのです。

アロマツーリズム計画、始動します!

東京で生まれ育ち、親戚も東京近郊にしかいない私には、田舎がありません。

それなら日本全国、私の好きな土地を田舎にしよう。
そして、好きな土地の「関係人口」になろう。
なんなら、一緒に「関係人口」になりたい人も増やしちゃおう。

そんな野望も込めての、アロマツーリズム計画。
来年から始動予定です。

まず第一弾は、今週お邪魔してきた愛媛県の大三島から。

すんなりと旅の計画が進まないご時世ではありますが、社会状況を見ながらじわじわ進めていきたいと思います。

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