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2021年6月・精油の産地訪問

来月も、取材と勉強を兼ねての出張が続きます。

数年越しの念願叶っての、会津のバラ園訪問。
そして、八女のベチバーを見に行ってきます。

数年前、会津在住の方に教えていただいたバラ園のこと。
今のところ北海道〜東北の植物を見る機会が少ないので、会津に伺えるのはとても嬉しいのです。

そして八女は3度目の訪問。
今年から、ベチバーの蒸留をしている古民家を軸に、地域ぐるみのプロジェクトが動き始めたエリアでもあります。


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(八女では、こんな古民家を拠点にベチバーの蒸留体験を行っています)


4年間、仕事の合間を縫って、国内各地の精油の原料植物の産地を見学してきました。
最初はどのエリアに行っても何を見たらいいのか、訳も分からず帰ってくることの繰り返し。

そもそも生産現場の方々が使う、化学用語がわからない。
農林業の実情や、業界用語もわからない。
極め付けに、精油のことは多少知っていても植物についての知識が皆無。

この予備知識の無さでは、現地に行ってもただの観光旅行で終わってしまう…。
なんとかして、作り手との共通言語が欲しい。


そこで各種専門家の方々にお願いして、付け焼き刃でもいいから予備知識を得ようと考えたのです。
誰かが企画する講座やアロマテラピーの資格テキストから離れた、学びの始まりでした。


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(秋の八女は紅葉が実に美しかったです)


特に勉強したかったのは、化学と農林業について。

化学の初歩を教えてくださったのは、お茶の製法の開発を専門にしている有機化学のプロ。
生物と化学の両方を知らないと、農業はできない。
「農業は総合科学」ということも教えていただきました。

そして、林業について教えてくださったのは、森林管理の専門家。
林業や森林について知りたい人が受講する、1年間のオンライン講座「森に学ぶ」を通じて、春夏秋冬の森のことや林業の初歩的な知識を学んでいます。
私自身、運営スタッフを兼ねつつ勉強中です。

どちらも、植物や自然への敬意が根底にある方に教わることができたのは、本当に幸運でした。
そこも含めて、専門家に習いたかったのです。


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(蒸留中のベチバー。水の上部だけでなく、水中にも精油がちらほら)


二度三度と精油の生産地に足を運ぶ中で、作り手の方々が話してくださったこと。
年を変え季節を変えて、植物を含めた産地の風景を見ること。
その植物が育つ風土や、歴史を含めた文化を知ること。

それが少しずつ蓄積されることで、
「この精油(芳香蒸留水)をどんな時、どんな人に使うか」
という理解も深まると感じています。


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(ベチバーの収穫体験。葉も根も、それぞれ2メートル程度伸びています)


今回の出張では、どんな景色に出会えるかしら。

この状況でも産地や生産現場を快く見せてくださる方、車の免許がない私に車を出してくださる方(!)、様々な形で旅をサポートしてくださる方……関わってくださる方々には感謝しかありません。


私にできるご恩返しは、たくさんの人に、より良い形で各地の取り組みを広めること。
亀の歩みですが、できることからひとつずつ。

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