見出し画像

ケーキ屋になった理由(わけ)その1

若い頃は自分本意で自由気ままに生きていた。

学生の時は中、高、専門学校と全て出席日数ギリギリで卒業。その割に成績はそれなりに出来てクラスの担任から両親に「ちゃんと勉強させればもっと上に行けますのでご両親から言って下さい。」と毎年電話があったらしい。

そんな事もお構いなしに「別に捕まる様な事しなきゃ自由で構わないだろ?」くらいで生活をしていた。

専門学校の就職活動の時には服装と金髪を直さず就職相談室に出入り禁止。相変わらずテストの成績は上位だったし資格も全部合格。だが単位が足らず学年で取得単位最下位。けっして裕福ではない両親が一生懸命働いて行かせてくれた東京の専門学校。卒業だけは裏切れない。そこから死に物狂いで単位を取って卒業しました。(自分以外の取得単位下位グループは全員退学しました笑)

その後就職しても「仕事なんて言われた事確実にこなせばいいんだろ?」くらいで先輩に平気で逆らう素行不良で遊び優先。だけど生意気で自由にいるには実力が伴わないといけない、お金をもらうだけのゴミ社員はゴメンだと人の倍の仕事量はこなしていた扱いづらいダメ社員でした笑

さらに某電力会社の関連会社、某ハウスメーカーの下請け、スノーボードショップ、居酒屋、怪しい会社などで働き、ほとんどの就職先で店長や責任者になってくれと言われたけど無責任で自由でいたかったから断ってた典型的なダメ人間

そんな中、知り合いの立ち上げた会社に誘われ幹部として就職したが2年半で倒産。初めて無職に…

ピンチはチャンス!歳ももう27歳。どうせならやった事ない全く知らない業界を体験してみよう!と軽い気持ちでケーキなんて全く食べた事もないのに地元の有名洋菓子店へ就職。「3ヶ月くらい働けば持ち前の要領の良さで独立出来るだろ!」と舐め切った気持ちでいました。

初めての挫折…社長がめちゃくちゃ厳しい、ケーキが想像以上に扱いづらくさわれば壊し、卵も早く割れない。自分の手先の不器用さに気づかされ、5つも下の先輩に理不尽に怒鳴られ頭に来てぶん殴って辞めてやろうとした…がこのままそんな辞め方したらただの負け犬。この先の俺の人生に傷が付く。

仕事で全員抜かしてお前らの仕事全部奪ってやる!と歯を食いしばって思い留まり冷静になって先輩らの動きを完コピ。そこに自分のアレンジを加えて後少しで抜かせる!と思った最中、自分が就職する前から決まっていたらしく仕事の出来る先輩達が全員辞めてしまったのです。

好きでもないケーキ屋を続ける目標もなくなり、友人達が就職した大手お惣菜店の店長として手取り40万円で誘われたので自分も辞めようと決めました。

善は急げ!すぐに社長に退職願を提出したら…「お前にNo.2になってもらおうと思ってたんだ。次の就職先はいくらくれるんだ?頼むから1年でいいから残ってくれないか?」と…

???正気ですか?ケーキ屋になって2ヶ月ですよ?しかも若くして独立して群馬県トップに育てたあげたプライドの高い社長がただ生意気なちょっと要領のいい小僧の俺に頭を下げてお願いしている?年商数億円の売り上げを背負う事になるんですよ?

「自分には荷が重すぎます。無理ですよ。」

社長が「今お前に抜けられたら困る。頼む」と…

ここまでケーキ屋群馬県トップの社長に頼まれて断ったら男が廃る。まだケーキ屋になって2、3ヶ月の小僧に任せる勇気と店を守りたい気持ちに敬意が芽生え

「分かりました。まだ何もちゃんと出来ませんがやれるだけやってみます。よろしくお願いします。」

正直、数億円のプレッシャーとちゃんと仕事を教えてくれる人が居ない事にビビりましたが、ただこんないい加減な小僧にそこまでしてくれた恩に応えたくて群馬県トップのケーキ屋のチーフになりました。


これがケーキ屋になった始まりです。

この3ヶ月後に大きな事件が更にプレッシャーをかけて来ましたけどね笑

その2に続く




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?