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経済的に死ぬYouTuberと死なないYouTuber

こんにちは、flat-です。
突然ですが、みなさんはこのコロナ不況を乗り切れそうでしょうか?
最初は甘く見られていたコロナウイルスも気づけば感染が拡大し、健康面だけでなく経済面でも世界中に大きな損害をもたらしています。特に最近は客の入りが少ないだけでなく、営業してる店に苦情入れるような人もいるらしいです。泣いちゃう。皆さん、手洗いうがいはしっかりしましょう。


さて、そんな最中ではありますが、近頃よく「やっぱりこの時期、オンラインのコンテンツは強いよね」というコメントを目にします。IT系の企業とか、それこそYouTuberは、このコロナ不況にも左右されず、また逆にこれをビジネスチャンスに変えているんじゃないか、という意見ですね。

これに関しては「人による。」が正しい回答となります。

勿論みんな一律に収益は減少するんですが、やり方次第である程度減少幅を抑えることは可能です。というわけで今回は最新のYouTube収益状況と今からYouTuberになる際の注意点についてお話ししていきます。


○地獄はいつまで続くのか

まず先にお伝えした通りですが、対策を講じない(対策できない)YouTuberの収益は今あり得ん下がっています。
これについては前回のnoteでも書いたので詳しくはそちらを参照していただきたいのですが、例を挙げると僕のチャンネルは再生単価が前年同月比で40%減です。

※再生単価:1再生当たりに支払われるお金のこと。


しかしこの減少幅、一律に40%減っているというわけではありません。僕は比較的、マシな方です。後で詳しく説明しますが、コロナショックをモロにうけたYouTuberは収益が60~70%減っております。

ここで「なんでこんな風に収益減に波があるの?」という話になりますが、これはYouTubeにおける広告の付け方に理由があります。当たり前なのですが、広告というのはターゲットに応じて付けられるものです。
勉強のチャンネルなら学生向けの広告が、ゲームのチャンネルならゲームやアニメの広告が、アウトドア系のチャンネルならアウトドアについての広告が付くものです。

……が、みなさん考えてみてください。今、アウトドアの広告なんてつける人いると思いますか?
僕はトルコアイス、デュエルマスターズというおもちゃ・ゲーム系の広告がつきやすいコンテンツを取り扱っています。特に最近はオンラインゲームのユーザー数も右肩上がりで増えており、この時期でも一定数の広告が期待できます。

しかし一方、アウトドアをメインに取り扱っているチャンネルを考えてみください。この自粛期間に「遊園地に行こう!イベントに行こう!」って外出を促す広告打つ人いますか?仮にいたとしたらそいつが人狼です。

とまあ、そういった理由から今はアウトドアに関連するものの広告が激減しています。よって、コロナショックをモロに受けたのは「鉄道、旅行、レジャー、アウトドア」をメインコンテンツとしているYouTuber。彼らは恐らく収入半減どころでは済まないでしょう。

そしてこの流れは、おそらく4月でおさまることはありません。というか確実に、5・6月も同じような収益減で推移します。
この理由は2つ。「コロナが終息の気配を見せないから」と「4月の広告単価から大きな変更があることは少ないから」。
コロナは現時点で収束する兆しを見せていませんので、この時期に「5・6月に収束することに賭けて広告を打とう!」と考える企業はまずありません。そもそも、従業員に給料が払えるかも怪しい現状になってきている企業が多いのに、経営的な観点でいえば一番真っ先に切り捨てるべき広告宣伝費にお金をかけるってのは、まずあり得ない話です。

その上で、僕の経験上、4月の広告単価が5・6月で大きく変化する、ということはほぼ有り得ません。YouTubeの広告は長期的な枠で買うことが多いためか、9月まで大きな変動を見せない傾向にあります。
おそらくこれはYouTuberの広告のシステムがそうなっているからだと考えられますので、正直4月だけ広告収益が落ちるといった一過性のものだとは考え難い。つまり短く見積もっても、収益が半減している状態が9月までは続く可能性が高いと考えられるわけです。


○YouTuberでもたないのは、〇〇でやっているところ

これ、恐ろしいのは、「弱小のYouTuberがヤバイ」って話では収まらないこと。
チャンネル登録者数5〜10万人でも十分危険です。

それを説明するために、YouTuberの収益情報をざっくりご紹介します。
因みにこれはYouTuberの特権ですが、知り合いのYouTuberとお互いの収益を教え合ったりしてサンプルを取ることで、似た系統のYouTuberであれば収益予想を立てることができます。これを市場分析といいます。決して他のチャンネルの収益をみてニヤニヤするためではありません。信じてください。

さて、そんな市場分析を用いて一つ収益予想をしてみましょう。例えばこんなチャンネルを想定します。

・カードゲーム系のチャンネル(これしか知らない)
・チャンネル登録者5万人 ・投稿本数は月25本程度
・動画の再生時間は10分越え(10分超えると再生単価上がります) ・再生回数は平均4万回

大体このレベルで月間再生数が200万前後になります(過去上げた動画が一定数再生されるため)。例年であればこのレベルまで行くと月収80万前後。会社員とは違い諸々の税金や保険料が別途かかりますが、それでも中々の金額が手元に残ります。二人でやってても一人40万なんでまぁ全然暮らせますね。

さて、ここで問題。このチャンネルは今年の4月、いくらもらえるでしょうか。




正解は約40万円です。ポイントは「再生時間10分越え」。再生時間10分超えてる動画って、視聴してるとシークバーの途中に黄色い点がありませんか?それが再生単価上昇の秘訣であり、コロナショックで収益が大幅に減少する要因となる「ミッドロール広告」です。

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(↑この黄色い点のこと)

実は動画再生時間が10分を超えるとYouTuberの意思で好きなだけミッドロール広告をいれることができます。しかしそこで実際に広告が付くかどうかはYouTube次第。動画の需要過多(広告の供給が多い)だといくらでも広告が付きますが、動画の供給過多(広告数が少ない)だと広告が付きにくくなります。

そして現在、広告を出す人が減っているため、YouTubeは圧倒的な動画の供給過多。その結果ミッドロール広告が差し込まれる確率が著しく低下し、ミッドロール広告に収益を頼っているYouTuberは大幅に収益を減らしました。

10分越え動画しか投稿していないYouTuberは最低で5割、収益が減っています。因みに豆知識ですが、今回のコロナショック、実は10分未満の動画しか投稿していない人はさほど影響を受けていません。実際僕の知り合いは0.5~1割減で済んでいます。

さて、本題に戻りましょう。収益が40万入ってきたとこからですね。カードゲーム系YouTuberはここからが地獄です。まず経費として約6万円前後(カード代、交通費、備品等)が引かれます。


ここでみなさんは「34万で文句言うなよ。○すぞ」とお思いになられるでしょうが、YouTuberはここからが凄いんです。


突然ですが皆さん、YouTubeチャンネルって結構多くのところが「二人以上」でやっていませんか?理由は色々あると思います。「一人でやるのが怖い」とか「分業することで効率が上がる」とか。特にカードゲームだと日頃の対戦相手を確保する意味でも二人以上で始めるケースが非常に多いです。しかし、二人以上でYouTuberをやる最大のデメリットがこれ、収益折半です。

名前の通り収益を二人で分けるので、一人当たりの収益は約17万円になります。しかもこれ、額面です。ここから税金が引かれるので手取りは15万いかないくらいでしょうか。


……これ一応チャンネル5万人想定なんですけど。


因みにこれが3人だったら、約12万円です。
しかもこれ、他に比べたらまだマシな「ゲーム」分野で想定していますから、他業界では目も当てられない惨劇が繰り広げられていることでしょう。

一つ、ちょっとした予言をしておきます。
「グループ系のYouTuberは、これからどんどん消えるか分裂する」。

もちろん本当に成功しているチャンネルは想定しません。
が、今説明した通り普通に5〜10万人チャンネル登録者がいたとしても、かなり厳しいのが現状です。
だから逆に言うと、これからYouTuberになろうとする人は、ソロ推奨です。楽しけりゃいいって人は別に止めませんが、本気でYouTuberになるなら一人で初めたうえで、無償で手伝ってくれる協力者を集めてください。今成功するにはこれしかありません。

○まとめ

ということで今回の話ですが、皆さんは

・新規でYouTuberをやるならソロ推奨
・YouTuberは収益が安定しない

ってことだけ覚えていただければ大丈夫です。

さて次回ですが、まとめにも取り上げた「YouTuberは収益が安定しない」について、収益を安定させるためにできること。題して「YouTuberのYouTube以外の生計」についてお話ししたいと思います。それではまた明日!

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