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管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力(その3)

前回は「聴く」ということについて書きましたが、今回は「伝える」ということについて考えてみたいと思います。

管理職やリーダーの皆さんは、上位層とメンバーの間に立つわけですから、情報の伝達役になることが少なくありません。また、仕事に関する知識や方法を教える機会も多いでしょうから、「伝える」という技術は極めて重要です。

物事を伝える上で大切だと思うことを、今日は5つお伝えしようと思います。

まず、伝える前に「目的を先に言う」とよいでしょう。
これから伝えることが何のためでどのように役に立つのかを話すことにより、聞き手が興味と問題意識を持って聴くことができるようになります。たとえて言えば、歩き始める前に地図で大まかな方向性を示すようなものです。

次に、伝える内容は「概要→詳細」という順番で話しましょう。いきなり細かいところから入ると、聞き手は全体が見えなくて不安になるものです。たとえば、「ポイントは3つです。一つ目は…」とか、「はじめに全体の計画についてお話しし、その後で各ステップの詳細を話しますね」と言ってから説明すると、相手は安心するし理解もしやすくなります。

3点目は、「伝えながら相手の理解を確認する」ことです。一方的に伝え、相手が理解しているだろうと思い込んで続けてしまうと危険です。途中で、「ここまでは理解できていますか?」とか「何か質問はありますか?」と確認し、相手が理解していることを確認しながら説明を続けましょう。もし相手が理解できていなかったとしても、決して怒ってはいけません。自分の説明の仕方が悪かったと考え、よりわかりやすく伝える工夫をしましょう。

4点目は、「複雑な事柄を伝えるときは図表や写真などを用いる」ということです。人間は、言葉や文字で理解できることには限界があります。「百聞は一見に如かず」というように、ビジュアルで訴えたほうが頭に入るということはよくあります。管理職やリーダーである以上、物事を図や表に表す能力も身につけておきたいものです。

5点目は、「繰り返し何度も伝える」ということです。人は、物事を一度聞いただけで全てを記憶に止めることはできません。どんなことでも、時間が経つと必ず忘れていきます。なので、「一度言ったから大丈夫」というのは誤りです。大切なことであればあるほど、何度も繰り返し伝えることが大切です。

このように、物事を伝えるためには、工夫と粘り強さが必要です。
リモートワークが広がりつつある今、伝える能力の重要性はますます高まっているかもしれないですね。

管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力、
その3は「工夫しながら粘り強く伝える」です。

いかがでしたでしょうか。
次回は「鬼手仏心」ということについて書いてみたいと思います。

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/



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