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管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力(その7)

今日は、部下や後輩に仕事を教えるということについて書いていきます。

教えるのには手順があります。
1.説明する
2.手本を見せる
3.やらせてみる
4.できたことは褒め、正すべきことをアドバイスする
5.反復させる

それぞれについて簡単に解説します。

まず「説明」です。
これは単にやり方を説明するだけではなく、仕事の意義や目的の説明も含まれます。意義や目的を説明することで、本人のモチベーションもぐっと高まります。そして、仕事に必要な知識、実際に行うための技術や手順について説明します。本稿の「その3」でも書いたとおり、概要から詳細へ、順を追ってわかりやすく説明しましょう。

次に「手本を見せる」です。
説明した内容を、実際にどのようにやるのか自分が手本を見せます。人は、ビジュアルで物事を理解します。百聞は一見に如かず。実際にやっている姿を見せることで、「自分にもできそうだ」と思わせることがポイントです。

そして、「やらせてみる」です。
本人に実際にやらせてみて、技術としての習得を促します。できれば、まずは簡単なことから始め、自信を持たせながら徐々に難しいことに挑戦させるとよいでしょう。

ここで、やらせっ放しにしないことが大切です。
4点目の「できたことは褒め、正すべきことをアドバイスする」を行うことにより、習得の速度を加速させることができます。

そして、「反復させる」ことにより、技術として定着させます。

いかがでしょうか?
手順を踏むのは回りくどいようにも思えますが、結局はこれがもっとも効率的なやり方です。

これには、理論的な背景もあります。
NLP(神経言語プログラミング)の分野では、学習のプロセスを4段階に分けて考えます。
第1段階「無意識・無能」:知らないからできない
第2段階「有意識・無能」:知っているけどできない
第3段階「有意識・有能」:意識すればできる
第4段階「無意識・有能」:意識しなくてもできる

自動車の運転を例に取ると分かりやすいと思います。
始めは車の運転の仕方がわかりません(第1段階)。
そこで、教習所に行って車のメカニズムや運転方法を習いますが、まだ運転はできません(第2段階)。
教習所内で実際に車を運転し、考えながらであれば車を動かすことができるようになります(第3段階)。
免許を取得して日常的に運転を繰り返すうちに、いちいち意識しなくても自然に車を運転できるようになります(第4段階)。

仕事も同じです。
もし部下やメンバーの仕事がうまくいっていなければ、どこで躓(つまず)いているのか確かめてみましょう。
知識が足りないのなら改めて教えることが必要ですし、知っているけどできないなら、やり方を指導したり反復練習をさせたりすることがよいでしょう。
このように、学習のプロセスについて知っておくことも、管理職・リーダーには大切なことです。

管理職・リーダーのためのコミュニケーション能力、
その7は「学習のプロセスを理解し、効果的に教える」です。

いかがでしたでしょうか。
次回は「評価とフィードバック」について書いてみたいと思います。

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/


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