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評価において大切なこと(その7)

今回と次回の2回にわたり、評価者が陥りがちな心理的エラーについて書いていきます。

評価を行う人は人間なので、心理的な誤りを起こしがちです。そこがAIと違って人の人らしいところではあるのですが、これがあまりにも甚だしくなってしまうと問題です。
そこで、評価者は、どのようなエラーがありうるのか、知っておくことが大切です。

評価者の心理的エラーには、以下の6つがあります。
1.ハロー効果
2.寛大化傾向
3.中心化傾向
4.対比誤差
5.論理的誤差
6.期末効果

いかがでしょうか。
言葉を見ただけでは、ちょっと意味がわかりにくいですよね。
以下、ひとつずつ説明します。

まず、「ハロー効果」です。
ハローというのは「後光」という意味です。仏像やキリスト像などで、後ろから神々しく射す光のことです。
評価においては、「ある特定の現象に幻惑されて、対象の本質や周辺の状況を見誤る傾向」のことを指します。
たとえば、仕事に熱心な部下であるという現象から、「責任性」「協調性」「積極性」の全てが高いと考えてしまうというようなことです。本来、一つひとつの項目について客観的に判断する必要があるのですが、それを怠ることになってしまいます。そうすると、せっかくのフィードバックや成長機会を失うことになってしまいます。

次に、「寛大化傾向」です。
これは分かりやすいですよね。そうです、「評価レベルに対する間違った認識から、甘い評価となる傾向」のことです。
たとえば、信頼のおける部下であるということだけを理由に、業務遂行の目標が未達であるにもかかわらず高い評価をつけてしまうことなどです。これも、本人にとっては決してよいことではありません。

3つめは「中心化傾向」です。
これも読んで字の如くですが、「可もなし不可もなしという気持ちで評価し、優劣をつけられない傾向」のことです。
たとえば、評価が5段階の場合で、評価者が管理職として部下を指導・育成する自覚に欠けていて、複数の部下の評価が「3」に集中してしまうといったことです。本来、評価はメリハリをつけて行い、よい評価をつけた者にはさらによくなるように、残念な評価をつけた者には巻き返しを図るように、それぞれ必要な支援を行うことが大切です。全員一律の評価をつけてしまうと、その機会を失ってしまうことになるのです。

評価において大切なこと、
その7は「ハロー効果、寛大化傾向、中心化傾向に留意する」です。

いかがでしたでしょうか?
「評価者の心理的エラー」の続きは次回の記事をご覧ください。

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/



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