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#遺書
必要なくなると手に入る
噛み合わせの悪い引き出しから双眼鏡を取り出し、せめてもの思いで、あの心臓が消えた方角を向く。
うねるような鼓動の音をこだまさせ、森へ一直線にかけるのが見える。その力強い鼓動から漏れ出た心臓の思惑が、私の鼓膜を波打つ。私にはそれが何を意味するのかが分かるのだ。
私はかつて愛し崇拝したその心臓のその後を想像し、祝福と絶望にかきこまれ、また涙する。霞んだ視界には、かすかにその心臓が半身を切ってこちら
噛み合わせの悪い引き出しから双眼鏡を取り出し、せめてもの思いで、あの心臓が消えた方角を向く。
うねるような鼓動の音をこだまさせ、森へ一直線にかけるのが見える。その力強い鼓動から漏れ出た心臓の思惑が、私の鼓膜を波打つ。私にはそれが何を意味するのかが分かるのだ。
私はかつて愛し崇拝したその心臓のその後を想像し、祝福と絶望にかきこまれ、また涙する。霞んだ視界には、かすかにその心臓が半身を切ってこちら