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1月21日(日):健康寿命とあわせて「脳寿命」の延伸を

教育現場で広がり始めた睡眠教育に端を発して、昨日は厚生労働省の睡眠指針の「成人」や「高齢者」の睡眠に触れながら、認知症予防のための脳の休息のことを記しました。

本日は認知症予防に関連した話をもう少しばかり。

昨日は九州大学の疫学調査「久山町研究」による1日の睡眠時間と認知症リスクの関係を記載しました。(1日の睡眠時間が5〜7時間未満の人々と比べて5時間未満の人の認知症リスクは2.6倍、睡眠時間が10時間以上の人の認知症リスクも2.2倍)

同研究からは睡眠以外の認知症予防に有効な手段も示唆されており、それが運動です。

余暇時や仕事中の運動量が多い高齢者グループでアルツハイマー病の発症リスクが有意に低下していた点が報告されています。

本件に限らず運動による認知機能の改善等の研究事例は多数あり、運動が認知症予防に有効なことは既に定説です。

昨日は日経新聞の「脳に適度な休息を 認知症予防につながる生活習慣は」と題した記事を取り上げましたが、そこでは運動が脳の健康に寄与する3つの主な経路が示されています。

まず1番目は運動に伴い筋肉から脳細胞を保護する物質が分泌され、これが脳に到達すると、脳の栄養分といわれる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」などの分泌を促すことが挙げられていました。

次いで2番目は、運動によって「喜び」や「うれしさ」といった前向きの感情が強まり、これらの感情に関連した脳部位の血流が適度な運動によって増える点です。

そして3番目は記憶をつかさどる海馬への作用で、運動によってヒトの海馬の血流が増加することが確認されており、動物実験では運動で海馬の神経細胞が増え、記憶力が向上することが示されています。

私たちはスクール制小型クラブを運営する民間のフィットネス事業者なので、習慣的な運動を通じて認知症予防ができる場を担います。

昨今は「健康寿命」を延伸する必要性は多くの方に理解されるところとなってきましたが、それとあわせて認知症にならないように「脳寿命」を延ばしていくことも大事になってくるので、クラブ内ではこうした点も啓発を進めていければと思っています。

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