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10月25日(水):黒田監督の「負けない組織のつくり方」

昨日はJリーグのFC町田ゼルビアがJ1初昇格を決めたこととあわせ、高校サッカーの監督からJリーグの監督に転身して見事な結果を残した黒田監督のことに触れました。

黒田監督の記事などを見聞きした私の印象は論理が明確で、なおかつ話していることの解像度が高く、表現や例えが極めて的確だと思っていたので、本日は黒田監督の過去のインタビュー記事を振り返りながら、関連した話をもう少しばかり。

「GOETHE」のweb版では以前に黒田監督のインタビュー記事を連載をしており、これが同監督の考え方などを掘り下げた以上に良い内容だったので、今回はそのなかの「“負ける”想定からつくる“負けない組織”のつくり方」から一部、ピックアップをさせてもらいます。

同記事で「勝ち続けるチームの条件はなんでしょうか?」との問いに対しては「勝ち続ける条件は無限にあると思います」と前置きしながら、「『負ける可能性のあるマイナス因子』をどれだけ整理や排除できるか」だと説明をしていました。

その理由として、こうすれば勝てるなんて方法があれば誰もがやっているから、その逆の発想として確実に負ける原因となる「マイナス因子」をどれだけ整理して排除していくかが大切で、そこが整理されてはじめて、勝ち続けるチームづくりを目指すことができる、といった趣旨のことを語られています。

サッカーの1年を通じたシーズンは長丁場で、かつ相手も分析などを通じて周到に準備をしてくるから、すべての試合に勝ち続けることはそもそも無理なので、「できるだけ連敗をしない状態」をつくろうとの意図です。

そのうえで、負けた時の対応について以下のように話をされています。

「負けた原因や引き分けた原因をチーム全体でしっかり共有でき、繰り返し同じ失敗が起こらないよう徹底して詰める必要があります。そのためのベース作り(チームコンセプト)を1月のキャンプから細部に渡って浸透させています。」

「負けた時にはこのコンセプト(ベース)という原点に立ち返って、出来ていなかったことや失点の原因を洗い出します。すぐにベースに立ち返り、早期改善することができれば、再びチームとして同じ方向に歩いていけるのです。原理原則を含めたベースとなる部分をチームで何度も繰り返し共有していくことが重要なのです。大切なのは根拠を持って具体的に前進させていくということ。『成功の要因』も『失敗の原因』もすぐにチームとして明確に理解し合えることなんです。これは会社組織などでも同じようなことではないでしょうか。」

「大事なことは、勝った時にポジティブなアプローチでチームづくりをするのではなく、試合中に生じたあらゆる失敗因子や不安因子を抽出し、僅かでも負ける可能性のあった現象について、その原因を徹底追求していくことです。試合で幾度となく起こる失敗こそが『負けるチームの悪い習慣』であり、それをチーム全体で明確にしていくことで、同じ失敗を繰り返さないという『危機感溢れるチーム状態』に導いていくことが重要です。これこそが『負けない組織』の作り方の本質だと思っています。」

一つひとつの言葉には、これまでの経験などに裏打ちされた自信や信念を感じ取ることができます。

こうしたアプローチでコンセプトを浸透させ、原理原則を通じて負ける因子を取り除き、実際に試合に負けた際にはコンセプトに立ち返って問題を掘り下げて改善を図ってきたことで、町田ゼルビアは今シーズンの39節を終えた時点で連敗がありません。

今シーズンのなかでは現在までに7敗を喫していますが、それが尾を引くことなく建て直しのマネジメントが出来ているのは見事というのほかないですね。

私たちは民間のフィットネスクラブを運営する企業なので、プロサッカークラブとは全くの畑違いですが、それでも組織・チームを作っていくうえでの観点でいえば、学ぶべき点が凝縮されています。

リーダーとして、まだまだやるべきことがたくさんあるなと痛感させられた次第です(笑)

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