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3月20日(月):コモンの再生には「場」と「運用」

このところは政府が進めようとしている学校や家庭以外の子どもにとっての「第三の居場所」づくりに向けたモデル事業に端を発して、昨日はコモンのことに触れました。

現状の子供を取り巻く環境として「核家族化や両親の共働き」「塾通いの低年齢化」「スクリーンタイムの増加」「遊ぶ場の減少、できることの制限」などが挙げられ、端的にいえば遊ぶ場所、遊ぶ時間、遊ぶ相手がない状況です。

そうしたなかで「場をつくる」ことで初めて生まれるものがあるから、みんなが、いつでも、自由に(互いへの配慮のもとで)、いつまでも使えるような場である共有地としてのコモンを再生していく意義はあると思います。

そのような場があることで接点が生まれて関係性も発展的になるし、その結果として各地域で孤立を深めないような、ゆるやかなつながりをもった共同体社会への揺り戻しも考えられます。

しかしながら、場をつくっただけで状況が改善するほど簡単でないとも捉えています。

各地でコミュニティを再構築している山崎亮氏は著書「コミュニティデザインの時代」のなかで「まちが寂しくなった理由」として「活動の屋内化」と「コミュニティの弱体化」を挙げていました。

冒頭に触れた政府が推進する第三の居場所づくりのモデル事業として公園を設置することで、子どもの活動の場を屋内から屋外へ振り向けるきっかけにはなります。

一方で現在は少子化が進み、なおかつコミュニティが衰退しているから、かつての時代のように場があれば勝手に賑わいが生まれるような状態とも違います。

だから場を上手く活用すること、運営することも含めて取り組まないと、単なるハコモノ行政となんら変わらない結末に終わってしまう懸念もあるでしょう。

今回は子どもの孤立を解消することにフォーカスをされていますが、孤立を深めているのは何も子どもだけに限った話ではありません。

公園をつくって、あとは子どもが自由に遊んでくれ、というだけでは変化も限定的なものに留まると思います。

子どもの孤独は決して子どもの社会だけで生じているものではなく、大人も含めた地域社会のなかで生じていることであるからです。

そういった前提に立つと、もう少し違った捉え方をしていく必要性もあるだろうと感じるので、そのあたりはまた明日に続けます。

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