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4月17日(水):「増田リポート」から10年の消滅可能性都市

先般の日経新聞には「『増田リポート』10年 消滅可能性都市の今」と題した記事がありましたので、本日はこれに関連した話を少しばかり。

前述した「増田リポート」について簡単に補足をしておくと、こちらは2014年に日本創成会議によって出された報告書のことで、全国の市区町村の半分は消滅しかねないと警鐘を鳴らしたものです。

また消滅可能性都市の定義は出産の中心となる20~39歳の若年女性の人口が2010~2040年の間に5割以下になると予測される自治体を指します。

今回の記事は消滅可能性都市のなかで最も消滅の可能性が高いとされた群馬県南牧村で増田リポートからの10年後を取材した内容でした。

記事によれば2014年時点で約2200人だった村の人口は現在、約1500人に減少しています。

2023年12月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口では2040年で662人、2050年で406人と一段と落ち込む見通しになっています。

もちろん村も頑張っていて10年の間に子育て支援を拡充し、保育料や学校給食費は無料、さらに高校生がいる家庭を対象に通学定期券代、下宿代、学習塾や部活動などのために子どもを送迎する際のガソリン代を全額助成などの施策を展開してきました。

また子育て支援だけに限らず移住者を増やすための取り組みも行っていますが、それでも人口減少に歯止めがかかっているとは言い難く、非常に厳しい現実だと思います。

今回の記事で取り上げられていた村に限らず、類似した状況に置かれている自治体は少なくないでしょう。

現状では移住者等によって人口が増えている一部の地域もありますが、大半は人口減のトレンドのなかにあります。

同時に日本全体で人口が減少しているなかで各自治体が移住策を強化しても、結局は人口増になる自治体がある反面、人口減になる自治体を生み出す綱引きに過ぎません。

現状の行政区分のもと、それぞれの自治体の限られたリソースで子育て支援、移住策をするにも限界があるのに、それをゼロサムのなかでやっても非効率なのは明らかです。

やはり行政区分を見直すか、より上位にある行政区分が統制を取りながら、連携した取り組みを展開するのが望ましいだろうと思います。

増田リポートが与えたインパクトは非常に大きくて、各自治体への「問題提起」には十分な内容でした。

ただ、その先の「問題解決」までを考えると、今の枠組みのままでは不十分だと考えます。

問題提起から10年を経たいま、改めて10年を振り返って総括をしながら、この先に向けた提言、施策につなげてほしいと思います。

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