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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論751」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第30号(2007.5.25発行)「世界の動き~法人市場で成功するためのポイント」2~※名称等は当時、一部文章省略

(2)顧客企業とクラブ双方の理解

法人市場に参入するなら、今日の企業が抱えている問題を経営者の立場から理解することが必須である。
そうすることで初めて彼らのニーズを正確に理解し、それに応えるプログラムを作成し、そのプログラムの価値を彼らに説明することが可能になるからである。
一方、顧客となる企業の側もフィットネスクラブがどのような価値と成果をもたらすのかをしっかりと理解した上で、どのような契約をクラブと結び、それをどう従業員に対して宣伝していくかを考えていく必要がある。

(3)コストと価値のバランス

通常の個人会員向けセールスの経験からもお分かりのように、入会金を低く設定すれば顧客は入会のリスクが低いと感じるとともに、クラブそのものの価値を低いものとみなす傾向がある。
つまり、入会金の低さに釣られて入ってくる顧客は定着率も低い傾向にあるが、同じことが法人会員に対しても言える。
クラブが法人向けプログラムとして、単なるグループディスカウントを提供すれば、それに釣られて顧客となる企業も多いだろうし、大した営業努力をせずとも顧客を獲得することが出来るだろう。
しかしながら、雇用主側がプログラムに対して何の投資もしない場合は、投資回収努力がされることはない。
結果として、こういう場合は企業側の従業員に対するプログラムの宣伝が満足に行なわれず、利用者が伸び悩み、企業側もクラブ側も潜在的なメリットを享受出来なくなるのである。

(4)プログラムの運営とフォローアップ体制

顧客に対して約束したプログラムやサービスをプロフェッショナルとして効果的にかつ効率的に提供するのは当たり前のことである。
それと同様に重要なのは顧客企業と連携して、従業員に対する宣伝活動を着実に実施していくことである。
ある調査によれば、アメリカ人の64%がエクササイズの重要性を理解しており、もっと運動したいと考えているが、きっかけがないために、あと一歩のところで留まってるという。
雇用主と共同で従業員に対して効果的な宣伝プログラムを展開すれば、彼らが必要とする決定的なきっかけを提供することは十分に可能となるだろう。

~ここまで~

法人システムを導入していたクラブ企業の勤務経験から、法人会員にありがちなケースを挙げてみますと、個人会員と比較して全体の利用率が非常に低い、しかも利用している人はごく一部で、法人会員制度が無ければ、普通に個人会員として入会しているだろう方々であることが多いと言えます。

つまり、個人会員になる可能性が高い方にディスカウント会費でサービスを提供しているに過ぎないということです。

本来、従業員の健康増進を図る企業の導入目的は、運動習慣の無い潜在リスクを抱えた人への効果的なアプローチを期待していると思いますので、そこを引き出せていない現状は、記事に挙げられた点をきちんと整理する必要があるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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