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2月3日(土):生活習慣病予防は「+10」もあれば「-10」もあるから要注意!

毎年2月は日本生活習慣病予防協会が定める「全国生活習慣病予防月間」ということもあり、一昨日からはそれに関連したことを記しています。

そこから派生して昨日は厚生労働省が提唱する「+10(プラス・テン)」を取り上げました。

生活習慣病の予防には日頃の生活習慣を見直すことに尽きますが、だからといって運動や食事、睡眠など、一度にあれもこれもと欲張ってしまうと、結局は三日坊主で終わってしまうことも少なくありません。

だから「今より10分多く体を動かそう」というメッセージが「+10」の趣旨です。

たかが10分ですが、厚生労働省が実施したメタ解析では「+10」の継続によって「死亡のリスクを2.8%」、「生活習慣病発症を3.6%」、「ガン発症を3.2%」、「ロコモ・認知症の発症を8.8%」低下させることが可能である旨が示唆されています。

これを見てもわかる通り、10分といっても馬鹿になりませんから、まずは今より10分多く動くことから始めてみるのがおススメです。

その一方で理解をしておいたほうが良いと思うのは「10分の裏返し」です。

先ほどは「+10」によって身体がより良く変わっていく効用を記しましたが、それとは反対に日常生活での活動量が減って今より「‐10」になってししまったら、その「‐10」の積み重ねによる身体へのデメリットも馬鹿にならないということです。

例えば岡山県が行った県民の健康に関するアンケート調査の結果が先日にリリースされていましたが、そこでは79項目中、生活習慣などの15項目で10年前より悪化したことが発表されていました。

特に日常の活動量と関係した部分では「1日に歩く平均歩数は男性が5,589歩、女性が4,797歩で、いずれも10年前より1,400から1,800歩ほど減っている」そうです。

減少幅は10年で約2割減ですから、日常の活動量・活動強度の低下は顕著で、これを見れば意図して動かなければ「‐10」に傾いてしまうのは明らかでしょう。

また新潟大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科分野研究室と新潟県阿賀野市、三条市との小中学生生活習慣病予防事業の共同研究プロジェクトでは、長時間のスクリーンタイム(テレビやパソコン、ゲーム、スマートフォンなどの画面を視聴している時間)が、女子において小児肥満と関連していることが明らかになったとリリースされていました。

スクリーンタイムは相加的に肥満と関連し、スマートフォン3時間以上かつスマートフォン以外2時間以上の女子では、いずれにも該当しない女子と比較して、肥満リスクが約7倍上昇していたとのことです。

スクリーンタイムが増えることで身体を動かす時間が減ったり、さらには睡眠時間が短くなることで、肥満リスクが上昇する形ですね。

こうした研究事例が示唆しているように現在の私たちを取り巻く環境は、放っておけば「‐10」に陥りやすい状況です。

現在を境にして「+10」をすれば身体はより良く変わり、反対に「‐10」となれば不調につながってくる表裏一体の構造をもった10分だといえます。

無自覚に「‐10」に流されてしまうよりは、意図した「+10」をつくり出したいですね。

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