8月29日(火):結果は振る舞いによってもたらされ、振る舞いは構造が規定する
夏の甲子園では慶應が107年ぶりの優勝で話題になりましたが、それに関連した話を少しばかり。
慶應で取り上げられたことにはスタンドの応援のほか、選手の髪型や指導スタイルがメディアのフォーカスした点でした。
具体的には選手の自主性を尊重して、個々が自ら考えて判断し、野球を楽しむエンジョイ・ベースボールです。
これ自体は素晴らしいもので、尚且つ結果も伴っているから、チームビルディングとしては到達点に近いものがあります。
とりわけ従来の指導法などとの違いもあってメディアもそのことを取り上げますが、だからといって全てのチームがすぐに同じことに取り組めばいいかといえば、決してそうではないと思います。
システム思考では現象としての結果は、振る舞いによってもたらされ、その振る舞いは構造が規定する、との考え方をします。
先の例でいうと107年ぶりの優勝が結果であり、その指導方法などが振る舞いに当たるわけですが、さらにその下には土台になる構造があります。
大事なのは、この構造を捉えることであって、そこを無視して振る舞いとしての指導スタイルだけに着目した模倣では上手くいきません。
身も蓋もない話かもしれませんが地頭があって一を聞いて十を知るような選手ばかりで、なおかつ野球の面でもセレクションを通じて集めた集団なら、これは自主性に任せても成立します。
でも素行が悪くて規律もない、マインドとしての自立もない、考えるための原理原則も持たない状態でチームの自由度を高めても、それは早晩に問題が生じてきます。
自主性に任せたら大麻が蔓延しました、では話にならないからです。
野球に限らず、あらゆるスポーツの現場で変革が必要なのは間違いありません。
ただ、成功例の表面的な模倣だけでは上手くいかないので、その土台にある構造に目を向けて、そこに手を入れたり、構造をふまえた振る舞いにするなどしていく必要があります。
構造の一部を変更すれば、それに伴って振る舞いや結果にも影響を及ぼしてくるので、そうした時間軸での変化に応じて更なる変革を進める、そんな展開です。
かなり丸めて書いてしまいましたが、現象としての結果や分かりやすい振る舞いだけに目を奪われるのではなく、その土台にある構造に目を向けることが大事だと思っています。
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