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1月3日(火):対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術」①

もう少し休日モードとして書籍の紹介を続けます。

今回ピックアップしたのは「対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術」です。

本書では組織の中での働き方として望ましい状態を、自分に課せられた業務で成果を上げて周囲からの信頼と自分の自信につなげ、同時に継続的な成果の土台になる個人の能力や資質に磨きをかける成長が伴い、かつ所属する組織への貢献と存在意義が感じられるものとしています。

この「業務」における成果、「個人」における成長、「組織」への貢献、これら3つを対話を通じて上手く連結させていくための方法論に触れた書籍です。

人材育成において「1on1」を導入する企業は増えていますが、それが適切に機能していなかったり、形骸化をしている事例も散見されるなか、それらは「1on1」の形態に問題があるのではなく、正しい方法論がマスターできていないからだという指摘はもっともだと感じました。

私も「1on1」で対話をする場が常にありますが、どうしても直近で課題になっていることが中心になっている点は否めず、先のような点がバランス良く網羅できているかといえば、そうではありません。

「1on1」やフィードバック、面談等については、これまでも書籍では「ヤフーの1on1」や「フィードバック入門」、「できる上司の面談力」、「プロカウンセラーの聞く技術」、「質問力」といったものは手に取ってきましたが、組織内での上司から部下スタッフへの「1on1」アプローチを深掘りし、かつ体系化しているのが本書の特徴だと思います。

具体的に「何を話すか」ということでいえば、前述した「業務」「個人」「組織」の3つの観点と、「過去」「現在」「未来」を掛け合わせた9つのフレームは明確で、「1on1」をするなかでも相互理解をしながら進めやすいと感じます。

このあたりの詳細は明日に続けようと思いますが、本書内で触れられている前提の理解が大事だと感じます。

昨今はテレワークをはじめ、間接ツールでのコミュニケーション、残業が減り、さらには職場での飲み会等の機会も減り、そして副業などが解禁されていくことで、物理的に組織と個人、ならびに個人同士がかかわる時間が減少し続けていることです。

つまり放っておけば個人と組織の物理的、心理的距離が離れていくような潮流にあるからこそ、対話型のマネージャーの必要性が際立っている、との指摘です。

そうした前提をふまえれば適切な「1on1」の型を身につける有用性も理解ができると思います。

「対話型マネジャー 部下のポテンシャルを引き出す最強育成術」
世古 詞一 著
日本能率協会マネジメントセンター


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