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1月17日(水):「リアル&ライブ感」が支持される「インバウンド2.0」

昨日はニューヨーク・タイムズで「今年行くべき世界の52か所」に北米、パリに次ぐ3位で日本の山口市がランクインをしたことを受けてインバウンドのことに触れましたが、本日もそれに関連した話をもう少しばかり。

同誌で昨年に紹介された岩手県盛岡市をはじめ、最近の訪日外国人伸び率トップ10の地域(訪日外国人が過去最多となった2019年比)は、いずれも地方の田舎町が数多くラインナップしており、地方人気の高まりは顕著になってきました。

こうした流れは、その道の専門家の方も同様な見解を示しています。

例えばインバウンドビジネスの専門家として日本全国をまわって外国人観光客の集客や受け入れに関するアドバイスをしている村山慶輔さんは著書「小さな会社のインバウンド売上倍増計画 54の『やるべきこと』と『やってはいけないこと』」のなかで以下のように記載をしています。

「確信しているのは、インバウンドのニーズが変わってきているということです。端的にいえば、彼らはどんどん『地方や独自性を持つ小さな会社』を選り好むようになってきています。」

書籍内では様々な成功事例も掲載されていましたが、地方を訪れる外国人観光客が増えている流れがハッキリと伝わってきました。

昨日には外国人観光客を引き付ける要因として、「オリエンタル」「デリシャス」「ネイチャー」「リアル」「クール」の5つのキーワードに触れましたが、特に地方では「ネイチャー」や「デリシャス」、「リアル」を求める人が多いように感じます。

前述した書籍内では「ライブ感」と関連して次のような記載もありました。

「実は、日本人の普通のおじさん・おばさんが接客してくれているところも、外国人客の琴線に触れる部分です。おじさん・おばさんどころか、おじいさんやおばあさんが接客していることが、むしろ付加価値として捉えられることもあります。」

「それと同じ意味合いで、地元の普通の住民が買い物をしている姿やお店の人との会話を楽しんでいる様子も、実はライブ感につながっています。その地域の生活の一部にお邪魔させてもらっているという感覚は、旅の満足度アップに直結するからです。」

ここで記載をしていた「普通」というのは、その地域の飾らないありのままの日常としての「リアル」そのものでしょう。

また先週には日経MJで訪日外国人観光客の「コト消費」に関する記事では、地域の農業や食を体験する「ローカルガストロノミーツアー」を取り上げた記事もありました。

そこでは料理を通じて地域の歴史や文化などに触れるものが人気で、訪日外国人観光客の日本食に対する関心は、できあがった料理だけにとどまらず、個性豊かな食材やそれを育む風土にも向かっているといい、このあたりは「ネイチャー」や「デリシャス」の要素が見てとれます。

こうした文脈を理解しておくと、生産者と話ができたり、田植えや収穫体験が好評を博すことにも理解が及びます。

外国人観光客数もコロナ前の水準に戻ってきましたが、コロナを経てその中身はアップデートがなされて「インバウンド2.0」と呼ぶべき状態へ移行しているようですね。

飾らない日常が魅力に映り、価値を帯びていくのは持続可能なインバウンドでもあるので、そのような路線でさらなる発展をしていけば良いなと思っています。

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