12月12日(月):組織風土を健全に保つためのコミュニケーション
このところは静岡県裾野市の保育園で起きた園児への虐待事件を引き合いに企業文化、組織のカルチャーの話をしましたが本日も続きをもう少しばかり。
「組織風土の病は『死に至る病』である」というのは遠藤功さんの著書「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」に出てくる言葉ですが、組織風土の劣化は組織内のコミュニケーションが決定的に不足することでそうなるケースが多いといいます。
あわせて組織内で十分なコミュニケーション量を確保しようと考えた時に不可欠な要素として挙げられているのが「心理的安全性」です。
心理的安全性は「率直に発言したり懸念や疑問やアイデアを話したりすることによる対人関係のリスクを、人々が安心して取れる環境のことである。」と定義されています。
双方向でのコミュニケーションをしようと思っても、要は言いたいことがストレートに言えない状態であってはそれも画餅に終わります。
今回のケースでいえば暴行をしていた保育士に対して、その上司も同僚も何も言わない、言えない状態になっていたからこそ組織内での自浄作用も起きなかったわけで、組織内でのコミュニケーション不全に陥っていたことは想像に難くありません。
同書では組織というのは何もしなければ「言えない化」「言わない化」に陥るのが普通であるからこそ、あえて自由闊達にものが言える状態を意図してつくっていく必要性を説いています。
これは非常に合点がいくところですね。
何か意見を言うにしても、指摘をするにしても、それが「タテ」の関係であれ「ヨコ」の関係であれ、自分が発した言葉には大なり小なり責任が生じるので発言に対して慎重になるのもわかります。
またモノを言う場合に「下から上」へはもちろんですが、「上から下」の方向であったとしても、膝を突き合わせて何か至らないことを指摘するのは心理的なエネルギーも含めて労力を要します。
特段に組織内の風通しが悪くない状態でも種々の心理的なブレーキがかかりやすいものだから、組織風土が悪化している状態であれば尚更です。
だからこそコミュニケーションがしやすい状態をいかに保つかは、組織風土を適切に保つためにも大事なことだと思います。
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