見出し画像

【六次化、商品開発、サステナビリティ】三陸水産イノベーションサミット2022 DAY2 速報

初日から、福島県浪江、青森県大間、宮城県石巻の現場から熱いトークが繰り広げられた「三陸水産イノベーションサミット」。三陸水産業を盛り上げる漁師、水産加工業に携わる多様な人たちに開き、三陸を世界一水産イノベーションが起きる地にすることを目指して開催するトークセッションの2日目も、濃厚かつ熱いトークセッションになった。

(株)尾駁鮮魚団のお二人。左が中田創氏、右が橋下翔氏。

スタンバイの段階からずっと屹立したまま配信の時を待っていた、青森県六ヶ所村 (株)尾駮鮮魚団 代表取締役 橋本翔氏 & 中田創氏。DAY2最初のトークセッションは、「漁業団体爆誕! 六ヶ所の漁師 × 六次化マーケターの快進撃」で始まった。青森県六ヶ所村の定置網漁師の橋本氏と首都圏の六次化マーケター中田氏が衝撃的な出会い。尾駮鮮魚団は、創業からまだ3年。漁師がセレクトする鮮魚BOX、漁師カードなど新しい試みも試行錯誤の中から生まれた。

当日いただいた漁師カード。全部で140種類あるらしい。

中田氏が「誰とやるか、が大事。いろんな魚種が獲れる強みを活かして、青森ブランドを拡げていきたい」と話せば、「思ったことは失敗を恐れず続けていくこと。地元で思いがあってもなかなかできない人たちと手を組んで、もっと深い漁師チームをつくっていきたい」と橋本氏が応える理想的な関係。尾駮鮮魚団の快進撃は、まだまだ始まったばかり。

共和水産(株)代表取締役 鈴木良太氏

 王冠を被り登場した、岩手県宮古市 共和水産(株)代表取締役 鈴木良太氏が語る「宮古の奇才『イカ王子』が見据える三陸の未来」。岩手県宮古市の水産業を救うため、自分が広告塔になると決意して『イカ王子』となった鈴木氏。お気に入りでやっているのかと思ったら、自身がイカ王子を受け入れるまで8−9年かかったという。

宮古は6年連続タラの水揚げが日本一で通年で獲れることに着目。自分の港町で消費をさせたい、それが外から人を呼び寄せる観光資源になるような、地域で食べられる食文化を作りたいと考案した手作り感のあるタラフライがヒット商品に。

「イカ王子は手段。無駄なことに意味があるし、わからないことは楽しい。人生って、どこで伏線を回収できるかわからない。三陸の魚は美味しいのでみんなと一緒に三陸を発信できるコミュニティをつくっていきたい」。惑いながらも突き進んだイカ王子。その姿勢にブレがない。

(株)臼福本店 代表取締役 臼井壯太朗氏

世界に蔓延るIUU(違法・無報告・無規制)漁業。宮城県気仙沼市 (株)臼福本店 代表取締役 臼井壯太朗氏のトークセッションは「気仙沼のサスティナビリティのトップランナーが見る世界の水産業の今」をテーマに語る。2019年のG20で初めてIUUを世界のマーケットから撲滅しようというコミットメントが明記され、欧米では流通する全種類の水産物の違法漁獲物の輸入と売買が禁止された。しかし日本では、まだまだ規制品種が少なくまぐろは規制対象になっていない。

「欧米に、輸入で弾かれた魚が日本に入ってきている。獲る漁師に厳しいルールを与えるだけでなく、輸入する国や人、商社、サプライチェーン、消費者それぞれが責任を持たなければならない。でたらめな安いものが売れるのではなくて、真面目にやっている人の商品が売れるようなマーケットになっていかないと、日本はダメなんじゃないか。水産の世界から、地方から、日本を変えていきたい」と、熱量を込めて力強く語った。 

フィッシャーマン・ジャパン事務局 松本裕也

第二部は、フィッシャーマン・ジャパンの現在進行中のプロジェクトを紹介する「フィッシャーマン・ジャパン レポート2022」。フィッシャーマン・ジャパン事務局の松本裕也が「SeaEO PROJECT」について紹介した。SeaEOとは、水産業界にイノベーションを起こすため多様な人材が活躍できる枠組みを目指し、自身の得意分野と水産業を掛け合わせる取り組み。地域の水産加工会社の社長の「右腕」として、水産業の新しい取り組みや課題にチャレンジできる。

さらに熱く盛りだくさんな内容になったDAY02。本日最終日(DAY03 11月30日)も、18時より開催。当日の視聴申し込み受け付け中。

視聴申し込み・イベント詳細はこちら。
https://sanrikusuisan-innovation.go.jp/
『三陸水産イノベーションサミット2022』
■日程:2022/11/28(月)・29(火)・30(水) 18:00~21:00
■視聴方法:Youtube live 等を用いたオンラインによる配信
■申込方法:事前申込制です。上記URLからお申込み下さい。
■視聴対象:水産業、一次産業、地方創生、イノベーション、三陸・常磐に関心のある社会人、学生等。水産加工業を支援したい金融機関、テック企業、研究機関、関係機関、自治体等。
■主催:経済産業省、フィッシャーマン・ジャパン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?