お魚ランキング(広島編)
ここ3年ほど、日本(と言ってもほぼ西日本)各地で魚を購入もしくは釣ってきて、寄生虫がいるかを調べています。その中でも最も行った回数が多いのが広島県です。かつて広島大学に所属していたことから知り合いがいたこともありますが、広島県はとても魚を集めやすい場所で、釣りをしたり、漁港で魚を購入したりと多くの魚種を採集しました。検査した魚は特に理由がない限りは食べるようにしています。そこで、今回は広島で採集した魚で印象に残っているものを紹介します。
広島の地形
広島県に行く時にいつも思うのは、「東西に広い」です。兵庫県から広島市に行こうとすると、広島県に入ってから1時間以上高速道路を走る必要があります。また、面積の7割が森林や山になっており、庄原市の帝釈峡のような名所も多くあります。海側には広大なデルタ地帯や干潟があります。このように、山でできた養分が海に流れ込み魚の餌場ができる環境があります。
また、島が多いことから釣りができる場所がおおいのも魅力的です。私が住んでいる神戸では、メバルやカワハギを釣りたかったら、場所や潮の流れを入念に調べておかないといけないのですが、広島だと防波堤で竿を下ろせばどちらかは釣れます(個人の感想です)。広島では、目当ての魚が釣れないことがあっても、ぼうずで帰ったことはなかったかもしれません。
アナゴ
記録を見直してみたのですが、アナゴを購入して寄生虫の検査をした記録がありません。しかし、東広島の魚屋で購入したアナゴが美味しかった”記憶”だけあります。手に入れた魚は、バックアップを兼ねて寄生虫がいるか調べる前に写真を撮影しているのですが、アナゴの写真はありません。しかし、その時にいたメンバー全員が「あの時のアナゴは美味しかった」と言っており、購入して食べたことは間違いなさそうです。
そんな広島のアナゴは、私が紹介するまでもなく有名です。もし、広島に行く機会がありましたら、カキと一緒に焼きアナゴも食べてみてください。広島の海にはたくさんの牡蠣筏が浮かんでおり、そこにはカキがぶら下がっています。カキは生きている間に泥を吐き出しており、吐き出された泥が海底に堆積することで、小型の甲殻類や魚の身を隠す場所になります。そして、これらの魚や甲殻類はアナゴの餌となっているため、質の良いアナゴが広島で取れるという仕組みになっています。
また、広島のすごいところは、島で釣りをしていると時々、いい形のアナゴがつれてしまうことでしょうか。大学院時代に友人と釣りに行った時に、「間違えてつれたからあげる」ともらったアナゴもとても美味しかったです。捌き方がわからず、ちょっと変な食べ方になりましたが。
カワハギのきも
広島では主に釣りで魚を採集していたので、メバルやカサゴ、クロダイなどいろんな魚をゲット&イートしました。釣った魚をすぐに食べているので、鮮度は最高なのですが、その中で一番印象に残っているのが”カワハギのきも”を湯通ししたものです。
3年ほど前にどうしてもマタナゴが欲しくて、江田島で釣りをしていたのですが、肝心のマタナゴが釣れず、代わりにとても大きなカワハギと大量のカサゴが釣れた日がありました。しかも、昼くらいから気温が下がり、雨にも降られるという最悪の日でした。
夜遅くに広島で場所を提供してくれた方の家で釣った魚の調理を始めたのですが、「こんだけ大きいのだったら肝を食べたい」と、あるメンバーが調理を始めました。調べてみると、カワハギの肝は”海のフォアグラ”ともよばれアンコウの肝と同じくよく食べられているようです。カワハギの肝を食べたのはこの時が初めてでしたが、レバー感はなく脂の塊といった感じでした。どうやら、栄養を脂肪に変えて肝臓に蓄えるのと、フグ同様に血合い(腎臓かな?)の代替機能として肝が非常に大きく発達しているためだそうです。
今回、カワハギの肝が美味しい理由を調べている時に知ったのですが、肝を生や湯通しなどで食べるのには鮮度が良くないといけません。ただ、カワハギにはアニサキスがいることがあるので、注意喚起をしているサイトがありました。言われてみれば、ときどき出てきました。肝臓の表面にうずまきみたいなのがあるときは、注意してください。
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