保護猫プチマルの誤算
会社の敷地の倉庫からか仔猫のか細い声が、絶え間なく聞こえてくる。一向にやむ気配がないので、保護することになった。それがハチ割れの雌猫のプチマルだ。
まだ、彼女が乳飲み子だったため、自然に先住猫のターちゃんとチョコに受け入れられて仲良く暮らしていたが、プチマルが大きくなるにつれ、性格の悪さがわかるようになった。一番賢いさび猫のチョコを追いかけまわし、ついには本気の喧嘩をチョコに仕掛けるようになった。
チョコは可愛がってあげていた猫に歯向かわれるようになり可哀想でしょうがない。私がどんなにプチマルをチョコに近づけまいとしても、同じ空間にいれば無理なことだ。 チョコを無駄に攻撃した時は大きな声でプチマルを威嚇する私だが、一向にプチ丸の態度は改善しない。
その内に、ついには、チョコはリビングのソファの下の隙間に隠れるようになり、つまりはそこがチョコの住みかとなった。プチ丸としては私を巡ってのライバルを追いやり、目的を達したかに見える。 ところが、ターちゃんとみー子(プチマルより後に保護した猫)がプチマルを攻撃するようになった。ちなみにこの2匹はチョコへの攻撃などはしない。チョコの事が理由なのかどうかはわからないが、プチマルも自分の身の安全が脅かされる様になったのだ。
勿論、私は猫達の気持ちのすべてがわかるわけではないけれど、ターちゃんとみー子がチョコを応援しているようにも思えてしまう。実際、チョコは彼ら2匹がいれば安心してソファの下からでて水を飲んだりするのである。
プチマルはチョコを私から遠ざけたかったのだろう。だが結局は同じことをターちゃんとみー子にされている。友人に話すと人間と同じだねと言う。ともかく、現在の状況はプチ丸にとっては誤算でしかない。