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『ブルーロック』におけるサッカーは手段でしかない


2023年3月26日(日)朝の6:00になりました。

本日は、今年2度目のフルマラソン当日です。目指せ4時間半。

どうも、高倉大希です。




超次元サッカー漫画である『イナズマイレブン』では、シュートを打つ際に技の名前を叫びます。

「イナズマブレイク!」とか、「ファイアトルネード!」とか。


『イナズマイレブン』


一方で、「サッカーを面白くするのは監督だ」というキャッチコピーで話題になった『GIANT KILLING』では、技の名前を叫びません。

監督の視点から、極めてリアルなサッカーが描かれます。


『GIANT KILLING』


おそらくほとんどのスポーツ漫画は、どちらかに分類することができます。

『テニスの王子様』は前者で、『ダイヤのA』は後者です。


観る前から、『ブルーロック』は前者だろうと勝手に思い込んでいました。

キャラクターデザインやあらすじを見る限り、そうとしか思えなかったのです。


『ブルーロック』


全国から優秀な300名の高校生FWを集め、ブルーロックと呼ばれる施設に軟禁する。 世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれないというのが持論。 日本に必要なのはたった一人の英雄だと主張し、300名の高校生に生き残りをかけた特殊な訓練を課す。
マンガペディア」より


実際に観てみると、その予想は見事に裏切られました。

結論から先に言うと、これは「サッカー漫画」ではありません。

「サッカーを通じた人間関係を描いた漫画」でも、「サッカーを通じた主人公の成長を描いた漫画」でもありません。


「メッセージを発信するための手段が、たまたまサッカーだった漫画」でした。

サッカーを描くわけでも、サッカーをしている人間を描くわけでもありません。

「人間を描くために、手段としてサッカーを利用している漫画」だったのです。


「敗北というのは勝負の世界に必ず発生するただの現象だ。たとえ世界一のストライカーでも全戦全勝なんてのはありえない。大事なのは敗北に何を学ぶかだ。敗北した者はそのフィールドから否定される。戦う者にとってそれ以上の絶望はない。それなのに、多くの凡人どもはその絶望を正しく刻まない。ここ重要。自分に才能がなく非力だったと否定され、間違いを認めるのが怖いから、無意識に言い逃れをするんだ。それはそれは見事に無意識に。いままでの努力を無駄にしないためにも、諦めないのが正解だとおのれを錯覚させる。」
『ブルーロック 第18話』絵心甚八の台詞より


こういう作品がときどき出てくるから困ったものです。

漫画にせよ、アニメにせよ、やはり見てくれに騙されてはなりません。





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