フィレンツェからアッシジへ 名物パスタとウンブリアのワイン
フィレンツェから電車で日帰りの旅、アッシジへ行ってきました。
アッシジはウンブリア州にありますので、トスカーナ州のフィレンツェからは州をまたぐ小旅行。イタリアでは州をまたぐと、食べ物とワインがいっきに変わるので、グルメは旅の醍醐味のひとつ。
アッシジは、イタリアの守護聖人である聖フランチェスコの町で、カトリック教徒の巡礼の地となっています。一番のみどころは、サン・フランチェスコ聖堂。
ウンブリアのグルメと神聖なサン・フランチェスコ聖堂をめざしてアッシジへ行ったときの様子をご紹介します。
アッシジへの行き方
フィレンツェからアッシジは、電車で行くことができます。
フィレンツェからアッシジへの電車は、特急や急行が通っていないため、ローカル線のみ。約3時間かかります。しかも本数が少なく、フィレンツェ発の午前中の電車は2本だけ。
昼食前にアッシジに着くために、8時の電車に乗りました。
電車の窓からは途中、トラジメーノ湖を見ることができます。トラジメーノ湖は、イタリアで4番目に大きな湖。トラジメーノ湖が見えるとウンブリア州に入った印です。湖とオリーブの木がある風景が心を癒してくれます。
アッシジの駅からアッシジの中心街まではバスで10分ほど。
バスからは、丘の上にそびえるサン・フランチェスコ聖堂が見えます。その堂々とした姿に迎えられている気がして、胸が高鳴ります。
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂
バスを降り、徒歩でサン・フランチェスコ聖堂へ。
白の石の街並みがきれいで、歩いているだけで心洗われるような気持ちになります。
坂を上っていくと、見えてきました、サン・フランチェスコ聖堂。
サン・フランチェスコ聖堂の内部は、撮影禁止だったので、写真を撮ることができませんでしたが、「すばらしい」を100回くらい並べても足りないくらいの美しさ。いつまでも留まっていたいと、心を奪われました。
サン・フランチェスコ聖堂の地上階部分は天井が低くて、荘厳。
シモーネ・マルティーニの連作壁画『サン・マルティーノの生涯』や、チマブーエのフレスコ画『玉座の聖母子と4人の天使と聖フランチェスコ』が目を引きます。
地下には、聖フランチェスコの墓があります。
上の階に行く途中に、いったん外に出ます。いくつものアーチの向こうには緑の平野が広がっています。ウンブリアはオリーブオイルの産地としても有名で、オリーブ畑が見えます。
上の階は、天井が高く、太陽の光が入り、明るい印象。
聖堂の壁にぐるりと描かれたフレスコ画は、ジョット作。聖フランチェスコの生涯のエピソードが描かれていて、特に有名なのが『小鳥に説教する聖フランチェスコ』です。
『小鳥に説教する聖フランチェスコ』は、フランチェスコ修道会の茶色の修道服をまとったフランチェスコと、木から降りてフランチェスコの話を聞いている小鳥たちが描かれています。華やかなカラーやシーンではないにもかかわらず、一度見たら忘れられない、心打たれるフレスコ画です。
ちなみに、サン・フランチェスコ聖堂は、入場無料です。見終わって外に出たものの、もう1度見たくなり、再度入りました。
アッシジのお土産
サン・フランチェスコ聖堂をゆっくり見た後は、サン・フランチェスコ通りを歩いて、コムーネ広場へ。
サン・フランチェスコ通りは、サン・フランチェスコ聖堂とコムーネ広場を結ぶ目抜き通り。雑貨やお土産などさまざまなショップが軒を連ねています。
オリーブ畑が広がるこの地方では、オリーブの木のグッズがお土産に人気があります。
オリーブの木は非常にかたく、イタリアでは高級まな板として人気があります。
最近は、チーズやハム・サラミなど、おつまみを盛りつけるプレートとして小さめのカッティングボードがポピュラー。ひとつひとつ模様が違うので、どれにしようかな~と選ぶのも楽しいです。
カッティングボードのほかにも、小皿やボウル、ヘラなどいろいろな商品がありました。
私は、小さめのカッティングボードをふたつ購入しました。(ひとつ10ユーロでした)
アッシジでのランチ 郷土料理ストランゴッツィ
ランチは、おめあてのウンブリア料理を。
ウンブリアのパスタといえば、ストランゴッツィ。ストランゴッツィとは、小麦粉と水だけで作られるモチモチしたロングパスタです。
トスカーナには、ピチという似たようなパスタがあります。
ストランゴッツィの定番のソースといえば、ノルチャ風。ノルチャとはアッシジの南東にある町で、ノルチャ風とはサルシッチャ(豚ひき肉の腸詰め)の入ったクリームソースです。
サルシッチャと生クリームなんて聞いただけでもヘビーそうなソースですが、サルシッチャはしっかり脂抜きしてあり、思ったよりヘビーではありませんでした。
本来は、このパスタにウンブリア産のトリュフがかかっているのですが、この日は「トリュフが届かなかったため、トリュフはありません」といわれ、がーん😨
トリュフも目的のひとつだったのでショック😨 でも、ないものはしかたがありません。トリュフなしでいただきました。
ストランゴッツィはコシがあって、モチモチしていておいしかったです😋
もう一品は、ガチョウのミートソースのニョッキ。ニョッキはしっかりとした歯ごたえ。ガチョウはホロホロとしていて、コクがあるのに脂っぽくなく、美味。
どちらも、トスカーナでは味わうことのできない料理です。
ワインは、ストランゴッツィに合わせて白ワインをオーダー。
ウンブリアの白ワインといえば、グレケット。フレッシュでさわやかなワインとなることが多い品種です。
柑橘系のフルーツや桃の香りで、生き生きとした酸味。
豊かな酸のあるワインの味わいが、パスタのクリームソースにぴったり❤
ライトすぎなく、ほどよいストラクチャーのあるボディのワインが、もっちりしたパスタにも合いました。
サンタ・キアーラ聖堂
コムーネ広場からさらに先に行くと、サンタ・キアーラ聖堂があります。
ランチの後は、サンタ・キアーラ聖堂へ。
サンタ・キアーラ聖堂は、聖フランチェスコの弟子であった聖キアーラにささげられた聖堂です。
内部は撮影禁止だったため、写真を撮ることができませんでしたが、聖キアーラが眠る地下が印象的でした。
アッシジのドゥオモ(サン・ルフィーノ大聖堂)
サン・フランチェスコ聖堂とサンタ・キアーラ聖堂の陰に隠れているドゥオモ(サン・ルフィーノ大聖堂)は、ひっそりとしていますが、ロマネスク様式のファザードはとても美しいです。
イタリアでは、各町にその町の聖人がいて、アッシジの聖人はサン・ルフィーノなのです。サン・フランチェスコは、ここサン・ルフィーノ大聖堂で洗礼を受けたそうです。
内部には、少年カルロ・アクーティスに捧げられた祭壇がありました。カルロ・アクーティスは1991年生まれ、15歳で逝去し、福者(聖人に次ぐ敬称)になった少年で、祭壇は2022年に置かれたそうです。
眺めのよいバール
ドゥオモから坂をのぼっていったところにバール(カフェテリア)があり、そこで休憩をすることに。
広々したテラスからはドゥオモが見え、遠くの景色まで見渡すことができました。
小高い丘の澄んだ空気の中でのお茶(コーヒー)は最高。時間の流れがゆっくりしていて、小鳥のさえずりに耳をかたむけながら、のんびりすることができました。
効率よくアッシジ小旅行へ
バールで休憩したあと、名残惜しみながら、16時半ごろにアッシジをあとにしました。バスそして電車に乗り、フィレンツェへ戻ってきました。
少々不便ですが、アッシジは行く価値が充分にあります。
電車では約3時間かかりますが、車だと約2時間で、車のほうが時短にはなります。
フィレンツェ・イン・タスカでは、運転手付専用車を手配しています。
運転手付専用車はこちらから。
また、電車での同行もおこなっています。
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