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沈黙が宿命になった時代に
自然は語らず、ただそこにある。豊穣で汚穢。無慈悲で清浄。規律正しく暴乱。さまざまな顔を見せる一方、私たちになにかを語りかけることはない。押し付けることも命じることもなく、与えることも奪うこともない。無言で不変の塊りから削りとったひとかけに、恵みや災いを感じながら人は生きてきた。
かつて人は至るところに神聖さを感じていた。小枝や小川にきらめく光、高き所(祭壇や神社)に敬虔さを覚えることは現代の私た
そも終わりなどあるものか
形あるものはいつか壊れるし、命あるものはいつか死ぬ。形あることでなにかを保っているのか、形がなくなることでなにか失われるのか、ヒトの身には分からない。産まれる前になにがあったのか、死んだ後になにがあるのか、ヒトの頭では知りえない。
この世の権勢を欲しいままにした王が、千年後にいったいなにを持つだろう。私たちはなにかを所有することはできない。なにも持たずに産まれ、なにも持たずに去る。ヒトは誰もがた
なんの不思議もない達人
善意の達人がいて、無関心の達人がいる。感謝の達人がいて、否定の達人がいる。
彼らは人より経験を積んでいて、無数の失敗を重ねている。パターン化していて、無意識で動ける。いつでも観察しており、微小の差異を見抜ける。
得たものを常に返そうとする。機会をすべて活かそうとする。喜んでやっていて、楽しんでやっている。自分のために努力していて、励むのが日常になっている。
特別なことはなにもなく
願わくば意識に滋味を
意識とは一つのワーキングスペース、内外の環境によって伸び縮みする小宇宙だ。外界から取り込んだイマココの情報によって脳の各部位は(好き勝手に全力で)発火する訳だが、それらをまとめ上げて文脈を見出すのが意識の役割である。
仮定し、発見し、記憶し、帰納し、演繹し、今はいつで、此処はどこで、私はだれかを定める。意識はそういった局在する曖昧な主体、揺らぎながら推論を繰り返す系だ。更新された意識は次の前
透徹する時空の集積体
プロとアマの差はなんだろう?
お金を稼げるか、では外に寄り過ぎだろう。自分の拘りがあるか、では内に過ぎる。
それはたとえば、受け手の感情をエミュレートしながら自分の拘りを昇華できること。降りてきた良いアイディアの実現に全精力以上を注ぎ込めること。
そこに大事なのは気構えで、緊密を重ねた姿勢だけが私を証してくれる。
選んだ琢磨を続け、それを他者に供すること。怠惰を振り切り、批
意味はあなたの鎖ならず
有意味だから好きなものは幾つもあるが
無意味でも好きなものは更にあるだろう。
風に、小石に、田んぼに、せせらぎ。
虫に、獣に、樹に、苔に。
そこにはただモノがあり、文字もなく意味もない。
(人が貼り付けた薄っぺらな解釈はある)
意味は人の中にあるもので、いくら重ねても実体にはならない。
あるモノの名前を世界中から10000個集めてもそのモノには無関係なように。
意味はあくまで人による人のた