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願わくば意識に滋味を

意識とは一つのワーキングスペース、内外の環境によって伸び縮みする小宇宙だ。外界から取り込んだイマココの情報によって脳の各部位は(好き勝手に全力で)発火する訳だが、それらをまとめ上げて文脈を見出すのが意識の役割である。

仮定し、発見し、記憶し、帰納し、演繹し、今はいつで、此処はどこで、私はだれかを定める。意識はそういった局在する曖昧な主体、揺らぎながら推論を繰り返す系だ。更新された意識は次の前提となり、内にこだます対話と創発のワーキングスペースになる。

最適な意思決定をするために、内から投げ掛けたものと、外から受け止めたものとに試行錯誤と畳み込み、信頼評価と重み付けを繰り返して、私たちは意識を保っている。ゆえに感性を耕すも荒らすも集中と選択次第。願わくば川面に石を投げて一日飽きぬ子らのような、柔らかく地味豊かな畑を!