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vol.17 Amazonキラー!? Shopifyが急成長したワケ $SHOP

GAFAの一角として今も成長を続けているAmazon $AMZN

そのAmazonの存在を脅かすのではないかと言われているのがカナダ発の企業Shopifyです。

今回はShopifyのビジネスモデルや、なぜ急成長しているのか、その理由を開設していきます。

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Shopifyは誰でも簡単にECサイトを構築・開設できるWebサービスを月額課金制で販売している会社です。

FY2021には営業利益が2億7000万ドル(約300億円)を突破しており、過去10年間の株価騰落率は+2500%超と、その成長は留まることを知りません。

なぜ、Shopifyはここまで急成長できたのでしょうか。

その理由は

✅ 中小事業者をメインターゲットにしたビジネス
✅ EC事業者に対するアップセルの仕組み
✅ 他サービスへのスイッチングコストの高さ

の3つがあると考えられます。

以下、それぞれ解説します。

本来ECサイトの構築には、
・サーバー構築
・カートシステム
・商品の登録、管理システム
・顧客管理システムの導入 etc…
などが必要になり、通常のWebサイト以上にコストと労力を要します。

また、これら複数のシステムを一気通貫して開発、提供している会社はさほど多くなく、
あったとしても大企業が中心となるため価格が高く、中小EC事業者にはなかなか手を出せない構造となっていました。

ここに目を付けたShopifyは月額$29~という低価格で、上の機能を有したECサイト運営サービスを提供しています。
これはAmazonなどのモールへの出展料と比べると破格の安さです。

一方で、Shopifyは自社の決済システムを利用する事業者に対して、取引手数料として決済額の数%を徴収することで、中長期的に収益を上げる形を採用しています。

こうすることで、初期投資をできるだけ小さくしたい事業者がこぞってShopifyを導入するようになりました。

続いて
✅ EC事業者へのアップセルの仕組みについて

先ほどShopifyはECサイト構築ができるサービスを提供しているとお伝えしましたが、Shopifyが提供するのはECサイトの構築サービスだけではありません。

在庫管理や発送など、その他付随サービスもオプションで提供しているのです。

実際にShopifyは自社で倉庫を保有しており、商品の代送サービスもオプションで手掛けています。

EC事業者からしたら、注文が増えて発送などの雑多な業務が増えてきたときに、そのままShopifyで在庫管理や発送処理も完了できるのであれば濡れ手に粟です。

このオプションはもちろん、従来のECサービスに追加で料金が発生するため、自社製品を利用して成長した事業者が、さらにお金を落とすアップセルの仕組みとして機能していると言えます。

こうすることで、Shopifyはサブスクリプション収益だけでなく、追加のアドオン料金により客単価の上昇を実現しています。


最後に
✅ 他サービスへのスイッチングコストの高さについて。

Shopifyは、ECサイトという小売事業者にとって非常に重要で、かつ複雑な部門を担っています。

商品管理、在庫管理、顧客管理、発送処理etc…

これらを管理するシステムの入れ替えは非常に骨が折れますし、しかもシステムを新しくしたときには、新しいしシステムに慣れるまで時間もかかります。

結果として、システムで対応する領域が基幹業務に関われば関わるほど、また領域が幅広くなればなるほど、他の競合サービスに乗り換えるのに相応の経済的、心理的コストを要します。

このコストをスイッチングコストといい、顧客の解約率を下げる効果と強力な参入障壁をもたらします。


以上からShopifyは

✅ その安さゆえに多くの中小事業者を抱え込み、
✅ 事業者の成長に合わせて客単価の向上が期待できるうえ、
✅ 解約率を下げやすい商品特性をもつ

ために、ここまで急成長してきたと考えます。

このように、投資検討をする際には、
その企業の成長ドライバーがどこにあるのか、しっかりと理解するようにしましょう。

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