キャッシュレス決済を推進するべき理由
■キャッシュレス決済が普及してきた
「キャッシュレス決済の普及」は、経済産業省を主導とする推進政策であるが、近年、急速にキャッシュレス決済が普及してきている。
経済産業省 / キャッシュレス
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/index.html
2010年のキャッシュレス決済比率はわずかに13.2%程度だったが、
QRコード決済サービス開始の2018年には24.1%にまで伸び、
2023年には39.3%にまで上昇してきた。
それに伴い、キャッシュレス決済額も大きく上昇する結果となり、その中でもクレジットカードの決済額は、ついに100兆円を超えたので…あります。
経済産業省 / 2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html
2019年6月21日に、安倍内閣のもとで閣議決定された『成長戦略フォローアップ』にて目標設定された「2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とする」は、今にも達成できそうな勢いだ。
■キャッシュレス決済が普及した要因
理由はいくつか考えられる。
・携帯電話、スマートフォンの普及。(おサイフケータイ、Apple Pay、Google Pay)
・クレジットカードの利用人口の増加。(発行枚数3億枚突破!)
・QRコード、電子マネー、プリペイドカードの普及。
・事業者による導入促進キャンペーン。
・インバウンド需要。
・2019年10月から9カ月間実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」(キャッシュバック・キャンペーン)の効果。
・2020~2021年のコロナ禍による巣ごもり需要でネット通販の利用が増えた。
・現金は汚いものだ。
(不特定多数の手垢的な意味と、地に足が付かない的な意味で)
今では、コンビニ・スーパー・飲食店など、大半の店舗でキャッシュレス決済のカオスマップらしきものを見かける機会も多くなり、どの店舗でどの決済方法に対応しているかを確認しなくてはならない。
■海外のキャッシュレス事情
しかし、それでも、日本のキャッシュレス決済比率は、諸外国と比較すると低い状況にあるようだ。
比率が最も高いのが韓国。次いで中国。英国・米国・豪州が50%前後か。
韓国は、政府主導のキャッシュレス利用促進政策やアジア通貨危機の後遺症によるところが大きい。
中国は、偽札問題や脱税問題という、いかにも中国らしいお家事情もあり、複数の金融機関が共同出資して「銀聯」を設立したあたりから急速にキャッシュレス化が進んだ。
他にも国をあげてキャッシュレス化を促進する動きが盛んになり、気が付けば50%を超えるキャッシュレス決済比率になっていた。
■日本は今も現金崇拝主義
理由はいくつか考えられる。
・現金で特に何も困っていない。
・銀行の窓口やATMが街の至る所にあり、現金の出し入れが容易。
・治安が良く、盗難が少ない。
・ニセ札の流通が少ない。
・日本円そのものの信用度があり信認されている。
・加盟店手数料が高い。
・現金は汚いものだ。
(不特定多数の手垢的な意味と、地に足が付かない的な意味で)
他にもいろいろあるだろうが、キャッシュレス云々以前に「現金で困っていない」というのが大前提として挙げられるだろう。
一時の事を思えば、日本国内でもキャッシュレス決済は急速に普及して成長してきたが、それでもまだまだ現金崇拝主義から抜け出せず、現金決済が大好きな消費者やキャッシュレス決済の導入に乗り気ではない事業者がまだまだ多く存在している大きな原因にもなっている。
この事は、経済産業省主導の「キャッシュレス決済の実態調査アンケート」の結果を見てもハッキリしている。
https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210618002/20210618002.html
■更にキャッシュレス決済を推進するべき理由
理由はいくつか考えられる。
・売上金管理のコストやリスクを低減。
⇒日々の売上金の精算がラクになる。
⇒レジから盗まれる金額的リスクを減らせる。
・銀行口座の出し入れの手数料や時間を低減。
⇒レジの中の売上金をわざわざ銀行ATMに持っていかなくて済む。
⇒お釣りの小銭管理もラクになる。
・消費者側のレジ並びや精算にかかる時間を低減。
⇒財布から小銭をチョロチョロやっている時間はムダそのもの。
後方に並んでいる人からすればストレスでしかなく、周囲にも迷惑がかかる。
・事業者側のレジ対応にかかる時間を低減。
⇒迅速対応できるようになり、客の回転率が上がり、生産性が向上する。
⇒負担軽減できるようになり、人手不足にも対応でき、人件費も適切に抑えられる。
・現ナマに触れる機会を低減。
⇒衛生面が保たれる。特に飲食店では効果的。
⇒現金は汚いものだ。
(不特定多数の手垢的な意味と、地に足が付かない的な意味で)
・インバウンド需要。
⇒諸外国ではキャッシュレス決済が当たり前で、外国人観光客のニーズが高い。
個人でひっそり経営している店舗ならともかく、スーパーやコンビニのように客の出入りが激しいところであれば、加盟店手数料を払ってでもキャッシュレス決済を導入し、効率よく回転を上げた方が、結果として手数料の元を取りやすくなる。
■鉄道やバスにもキャッシュレス化の波
鉄道の改札を通る際には、交通系ICカード(Suica、manaca等)を利用する人が大幅に増えた。
そして、2021年4月3日より、南海電鉄が改札機でのクレジットカードのタッチ決済による乗車サービスを日本国内で初めて導入した。
https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/201224.pdf
南海に先を越された近鉄・阪急・阪神も(プロ野球チームかw)、2024年内に取り入れる予定である。
この背景には2025年に開催される大阪関西万博があると思われる。交通系ICカードを持っていない訪日外国人の増加が予想されるため、よりスムーズに利用できる環境を整えたい。交通系ICカードを持っていなくても、クレジットカードのVISAやMastercardでタッチ決済をできるようにしておけば混雑を緩和できるという事なのだろう。
2024年内に開始し、2025年春を目途に、全駅で導入を完了させる計画のようだ。
2024年春には、愛知県の名古屋鉄道の一部駅で実証実験が行われている。
正直、日本在住であれば、既に手元にある交通系ICカードで十分だろうが、インバウンド需要が高まる中で、交通系ICカードを持っていない外国人観光客に対応するためにも、クレジットカードで乗車できるようにしたほうがよいだろう。
■キャッシュレス化の波は普段の生活環境や金銭管理をも変える
コンビニやスーパー等での買い物で、クレジット決済やQRコード決済をメインに利用するようになってからは、現金通貨をあまり持ち歩かなくなった。
財布の中身は、現金の割合が減り、クレジットカードが何枚か入っている状態だが、スマホのアプリに取り込む事でカードレスでも決済できるようにもなり、後払いの預金通貨払いができるという、何とも便利な世の中になってきたな、と思う。
また、利用状況の確認のために、カード会社のアプリ(Vpass、セゾンPortal、イオンウォレット等)を毎日閲覧するようになった。月々の利用明細を見る事で使いすぎているかどうかがわかるし、不正利用にも気付きやすくなる。
だがしかし、前述にもあるように、キャッシュレス決済を導入していない店舗もまだまだ存在しているのが現実だ。
また、通信トラブルや停電等によって、キャッシュレス決済ができなくなる可能性もあり得る。
それゆえに、現金を全く持ち歩かないというわけにもいかないだろう。何事も、万が一や億が一のリスクやトラブルには備えておくものだ。
備えあれば憂いなし!
だが、いずれにせよ、これからも更にキャッシュレスの波は勢いよく押し寄せてくるだろう。
安倍総理!
日本でもキャッシュレス決済が一気に拡大していますよ!
でもまだ道半ば。4割を超えたら次の目標は5割です!
コロナ禍で数年遅れはしましたが、今は絶好調です!
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