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アンデルセンの目で見てみようー第7夕講

北欧デンマークが、
幸福な国に常に3位以内を
キープできている理由の一つに、
「教育」が、確実にその土台になっていると言えます。

日本が戦後、考えずに暗記させる教育へと移っていき、
その後、時は過ぎて、、、、

「私、あなた、にとって教育とはなにか?」
を今一度、考える時期に来ているのだと思います。

今、デンマークではコロナを管理下に置き、
今年の夏までには
16歳以上のワクチン接種が完了する計画とのこと。

なんとまぁ、この違いはどこから来るのでしょうか。

「コロナ・パス(個別のコロナに関する現在のステータス掲示アプリ)」
システムが機動的に立ち上がり、
国民の様々な生活スタイルの人にも
公平に行き渡っていく社会福祉の有り様に
羨ましさすら感じるのは私だけでしょうか・・・

さて、今日は、小学生のはるとくんが、
いよいよ中学生となり、
そろそろ自分のなりたい職業に
触れ始めてくる時期ですよ!。


第7夕講 「高等学校の意味が違うデンマーク」の学校教育

はるとは、今日もChibaさんのところで
色々なお話をしています。

いよいよ、自分の将来に向けて、
詳細なインプットが始まったようですよ!


はると:デンマークって、なんと言うか、
学校でギスギスしてないんですよね。

不思議だけれど、小学校を過ごして見て、
「そりゃそうだよね」と、
わかる気もしていて・・・。

要は、誰とも比べられないし、
誰でもがユニークだと教わるし、

だから、中卒後、
高等学校だろうが、
専門学校だろうが、
自分のなりたいことを自分で決めて
いく、この環境だからこそ
ものすごく気楽なんですよ。

Chiba:
そうだろうね。だって成績は?!模擬試験の結果は?とか
ほぼないものね。

さっき、進学先の話が出ていたけれど、
自分が将来なりたい仕事をどんな風に
して見つけるのだろうね。

はると:ほとんどがインターシップだったのでは?と思います。
8年生(中2)の時友達のお父さんの
職場を訪ねてみる機会がありました。

9年生(中3)では自分が将来なりたい!
と思う仕事に関係ある所で、
2週間位職場実習がありました。
高校へ行くものが約60%、
職業別専門学校へ行くものが約40%くらいかな。

Chiba:大体そんな割合だろうね。
ところで他に、何かつくに気が付いたことがなかったかな?

はると:あります、あります。凄~いことが。

生徒会の会長と副会長が【学校理事会の理事】となって理事会に参加するんですよ!まさに当事者意識を重視するデンマークならではですよね。

学校の理事会の理事は保護者代表X4、教職員代表X3,
そして僕たちの代表が2人も他の理事と同じ投票権を
持って参加できるんです。
ただし議題が職員人事になる時には生徒代表は参加できません。
これがユーザーデモクラシーというのかなって、体感しています。


Chiba:学校は自治体(市)立ですから、市が年度予算を配分し、その予算の使い方は学校運営理事会が決める。
それこそ、地方分権の最先端だからね。

しかし、まあ、なんと短い間にデンマークの民主主義まで学んだことでしょう。
教育の義務はその国の国民として必要な教育をすること。
だから人に差をつける教育がせず、
生徒には自由、平等、博愛、連帯、共生
と民主主義を徹底して教えていることが伝わるね。


高校入試・大学入試がないデンマーク

Chiba:さて、それじゃあ~最後。
大学入学試験てのはどうなってるの?

はると:大学は全部国立。
もちろん学士号を取れる3年半から4年制のもので、
教師、看護師、理学療法士、社会福祉士などに
より課程が異なります。


修士号を取る6年制のものとしては
医師、獣医、弁護士、歯科医、薬剤師、建築士などがあります。

いづれの課程も入学試験はなく
高等学校の時の成績が合否の基準になることが多いのです。

例えばどうしても医学部に入りたい!
と思っても高校の成績が悪いと入れないので、
高校をやりなおして入る人もいるみたいですよ。

Chiba:大学教育はその専門教育を
必要とする職業に就きたいものが受けるものだからね。

誰かに言われて、
「そういうものか」と思い、道を進んでも、
自分の頭で考えることをしなかったら、
やはり、道のどこかで、迷うことになると私は思います。

人生、やはり帳尻が合うようになっているのです。

だから、自分の人生は自分で決める力をつける。
そして、その決断を社会が「優劣をつけない」でいれば、
誰でもが幸せに暮らせる、ということに繋がるのです。 

はると:確かに、高校や大学にいくことが「基本誰でも当たり前の日本」と、「望んでもいけないデンマーク」には違いがありますね。

Chiba:大学が国民全入の場になることなどは、
デンマークでは、決してあり得ないのです。

大学も然り、最高学府の教育を理解できるものしか
入れないので受験勉強、などという子どもを
早期からいじめる地獄は、ここにはないのです。

大学入試が無いので、
ちょっと高校の成績が悪かったものでも
あることが評価されて入学を許可されることがあります。

はると:へぇ、日本のAO入試みたいなものですかね?

Chiba:例えば、受験者は高校卒業後の経験を添付します。
いくつか例に出すと、
①フォルケホイスコーレに在学した
②高卒後2~3年世界旅行をした
③高卒後2~3年就職していた

などです。
特に教育大学などの入学許可では、このクオーター制を重視してますね。
子どもを教える教師は成熟した大人がなるべきだという理解があるからです。
デンマークの教師たちは一般論として教える生徒みんながみんな大学へ入ることを望まず、むしろ優秀な職業人になって欲しいと願ってます。

言葉を選ばずに言うと、日本人が、デンマークの高校に行けるのは、もしかしたら30%程度ではないかと思います。


編集後記:徒然なるままに。
Sue:日本の学歴社会は、まだまだなくならないと思います。
すでに社会の暗黙のシステムとして、横たわっているからです。

Chibaさんも、私も、「知識」「学問」を否定しているわけではなく、
むしろ、それはある方がいいと思っています。

ただし、それを全部の国民一律に画一的に教えるには、
世界との格差がさらに広がるばかりなのでは、と、危惧しています。

社会は、多様な人々で成り立っています。

クリエイティビティも、科学も、様々な才能も、
とかく「こうあれば正解」「この成果が優秀」と、
何かしら、誰かが評価しがちですが、
時代が変われば、
白だったものは黒にもなり、
黒だったものは、白にもなるわけです。

では、何も言わずに中庸を、と言うのが本当に自分の言葉として、
納得感があるか、と問われると、私はそれはNoです。

私は「こう思う」と言える社会を作れるのは、
やはり小さな頃からの公教育の現場から、だと思っています。

現に、デンマークは教育現場に「競争原理」を一切持ち込みません。
競争、は誰とすると、この国で幸せに生きていけるのかを、
全国民が知っているようにも思います。

さて、あなたにとって、教育とはなんでしょうか。
正解はありません。だから臆さずに、是非教えてください。

あなたがサポートしてくれた費用は、今後設立予定のオンラインフォルケホイスコーレを盛り上げるための資金源とし、共に活動していく上で必要な人件費やイベントなどに使いたいと思います。