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最高を更新し続ける花組〜アルカンシェルを観た〜

更新が久方ぶりになってしまいました。
さらにダラダラと感想を書いていたら花組千秋楽をとうに過ぎ、別箱が始まる月に差し掛かってしまいました。

それはともかく、アルカンシェル東京公演を観てきました。今回はその備忘録をモリモリ書いていきます。

チケ難すぎてびっくり

観に行けたとはいうものの、自名義は見事に全滅でした。そんなことある???花組人気恐るべし。友人が声を掛けてくれたためなんとか1回ですが観劇できました。大好きなホッティーの退団だから絶対にその勇姿を目に焼き付けたかったのだよ…

歴史モノは観づらい?

まず一言でまとめると、思ったより観やすい!と言うのが最初に出てくる感想かなと思います。
なんせ個人的に歴史が大の苦手であり、正直、背景をしっかりわかってないと物語の本筋を理解しにくいような演目は背景を追うので精一杯になってしまうことが多々あります。

しかし本作はナチスドイツ占領下のパリを背景にしながらも、本筋はパリの舞台やエンターテインメントを絶やしたくないという団員たちの想いで成り立っているため、歴史がわからなくても大丈夫でした。

まあ、歴史的背景がわかればもっと楽しく観られるとは思いますので、わかっているに越したことはないです。

また、一本物でありながらもショー的要素がふんだんに取り込まれていたため、観ていてダレてしまうことは個人的にはありませんでした。

ぺぺと少年イヴが再開して、フルフルを歌う場面は泣けましたね。一樹さんが父親の優しさを見事に表現し、それにしっかり無垢な少年姿で応える湖春ひめ花ちゃん。さすが。再会をエスコートするれいちゃん、ひとこちゃんやまどかちゃんも素敵でした。

今の花組の集大成

今作はトップコンビれいまどの退団公演ということもあり、キャラクターからそれぞれの持ち味を活かしたような当て書きがされていたように感じます。

また、演目の内容が今の宝塚の状況にも当てはまっているな〜と感じました。宝塚は昨年から色々ありますが、きっとタカラジェンヌの皆様が最高のエンターテインメントを届けたいという思いは揺るがないものだと思います。そんな中の「たゆたえども沈まず」というメッセージがリンクしていて。
トップコンビの退団を控え、新たな体制に立ち向かうべく、状況が変わるときだからこそこの情熱を絶やしてはならないという花組生の熱い想いが伝わってくるようでした。

キャラクター別感想

演目が今の宝塚の状況と重なっているように、登場人物と演者のリンク具合もあったように見えました。主要キャラクターを中心にキャラクター別感想も書いていきたいと思います。

マルセル・ドーラン/柚香光

アルカンシェルの人気ダンサーのお役。ダンサーのれいちゃんにはぴったり。舞月なぎささん演じるジェラールの亡命により、振り付けを任されることになりますがそのひたむきさや、マルセルならやってくれるだろうという団員の想いを託せるという人物像がれいちゃんに重なるようでした。レジスタンスに参加するところや一樹さん演じるペペを助けに行くところも当たり前にかっこいい。仲間思いで優しい部分が表現されていました。
あとやっぱりダンサーの役なので、色々なダンスを踊るれいちゃんが堪能できたのもまた良い。最初のレビューのシーンでれいちゃんが登場してきた時、なんだか泣きそうになりました。退団なのに一本物か…という不安を払拭してくれました。

カトリーヌ・ルノー/星風まどか

看板スターであり歌姫。まさにまどかちゃん。宙組時代から着実にトップ娘役としてのキャリアを重ね、実力とスター性を兼ね揃えたまどかちゃんが演じるカトリーヌだからこそ、マルセルは惹かれたのだと思います。舞台に懸けるマルセルとカトリーヌの想いは、れいちゃんとまどかちゃんが舞台や花組、宝塚に懸ける想いと同じなはず。芯の強い女性でありながらも、マルセルには心開いてゆくところがリンクしていると感じました。
お顔も綺麗で歌もダンスもお芝居も素敵なまどかちゃん。花組に来てからますますその可憐さに拍車をかけていたようですね。娘役の集大成がこの舞台で存分に味わえてこちらも大満足でした。

フリードリッヒ・アドラー/永久輝せあ

ポスター画像などを見る限りでは、どうやら劇団員ではなさそうだし、軍人だし、悪い奴…?と思っていましたが、想像に反してめっちゃ良い人でした。ナチスドイツの文化統制官でありながらも、アルカンシェルの団員たちが舞台にかける想いを誰よりも理解し、エンターテインメントの火が絶えないようにしてくれているだなんて…舞台中のセリフで、エンターテインメントは世界を繋ぐ〜というようなことを星空美咲ちゃん演じるアネットに語る場面があるのですが、私はそこが大好きで。その言葉に大きく頷くと同時に、やっぱり宝塚の再興の念みたいなものが見えるのです。小池先生の想いも、時期トップであるひとこちゃんに託しているんだろうなという気がします。
あとは個人的にひとこちゃんが演じる、「感じの良い青年」みたいな役が大好きなんですよね…そんな様子が存分に堪能できるお役だったとも思います。
ひとこちゃんも何をやらせても器用にこなすタイプなので、"ひとみさ"がどんな花組を作ってくれるのかがますます楽しみになりました。

アネット/星空美咲

時期トップ娘役に相応しい、まどかちゃんの意志を受け継げるような役でしたね…
私が美咲ちゃんを認識したのは銀ちゃんの頃でした。その時の抜粋は本人にとっても大変だったそうで、お稽古場で何度も涙を流したと仰っていました。そんな美咲ちゃんが堂々とトップ娘役街道を歩もうとしているだけでなんだか胸が熱くなるのです。可憐にエトワールを決めたと思えば、次はトップ娘役大羽根か…感慨深い。すみれコードのため大きな声では言えませんが、おそらく美咲ちゃんと私、年齢が変わりないんですね。だからこそ堂々としたお姿は本当に尊敬します。
ひとこちゃんとのミラクルの場面が本当に素敵で、おふたりの歌が堪能できたのできっとひとみさの花組も素敵なものになるのだと思えました。

コントラート・バルツァー/輝月ゆうま

まずはれいちゃんの退団公演に立ち会ってくれてありがとうと言いたい。95期がいなくなってしまった花組で、最後に同期と同じ舞台に立てたのはれいちゃんにとっても嬉しかったろうと思います。
最近イヤ〜な役が多いまゆぽんですが(記憶にございませんもそんな気する)、芸達者なので本当に嫌なヤツに思えるんですよね(褒め言葉)。まどかちゃんを誘惑したときの手つきがめちゃくちゃイヤらしくて、色気があって見入ってしまいました。
ギャツビーのアイスキャッスルの場面もそうですが、今回もナチス軍を率いて中心で踊る場面があり、そこがとにかくかっこいい。背も高く歌うまなまゆぽんがこうして中心で歌い踊るとなると全体の男!感が増して良いですね。

イヴ・ゴーシェ/聖乃あすか

めきめき男役としてのかっこよさを身に纏っているほのかちゃん。今回はストーリーテラー的役割だったため、1940年代のパリに生きる一員をほのかちゃん本人が演じているのを観たかったのも正直なところ。しかし堂々とした話しっぷりで物語をわかりやすく進めてくれるためありがたい存在でもありました。
友人が度々言うのですが、ほのかちゃんの顔つき(主に眉毛)が変わったと。冬霞の巴里辺りから変わったと言っていましたが、確かにその辺りから良い意味で男臭さが増したような気がします。そう遠くないうちにおそらく2番手になるでしょうから、花男らしさを存分に極めて欲しいな〜と思います。

大好きなほってぃについて

こちらの記事でも書いたように、私は帆純まひろさんのことも応援していました。

そんなほってぃこと帆純さんの退団は相当にショックで…マイティーが専科に移動してからと言うものの、特定の組に所属しているジェンヌさんの中では1番好きと言っても過言ではない存在でした。ほってぃの勇姿も目に焼き付けたので語ります。

ロベール/帆純まひろ

最後の演目で彼女の色々な面を観られたなと思いました。かっこいいダンスや歌はもちろん、アクロバットや可愛らしいピエロ姿でわいわいしているところなど。
何よりもレジスタンスを扇動しているメンバーなのだということがひしひしと伝わってきました。スチールがおそらくほってぃだけレジスタンスの時のお衣装だと思うのですが(違ったらすいません)。レジスタンスの中でソロパートを堂々と歌っているほってぃが観られただけでも私は幸せでした。れいちゃんと背中合わせで銃を取ったり、共に頑張ってきた仲間と称されたりと、彼女のこれまでが報われたというか、讃えられたというか、そんな瞬間を感じる演目であったようにも思えます。

やはりひとつ一つの所作が美しくて、舞台のどこを観ても目を惹いて。こんなにも毎回舞台上で観るのが楽しみだったジェンヌさんはいません。いつもいつも恋していました。フィナーレのお姿
も素敵でした。もっと彼女の勇姿を観たい気持ちもありますが、ほってぃが決められたことなので今後の道も応援します。舞台とかの報が入ったら観に行きたいな…

新生花組に向かって

とにかく、ダンスを中心として可憐な様子を魅せてくれた柚香光時代が幕を閉じました。私の宝塚観劇はれいちゃんのお披露目公演であるはいからさんから始まったので、1人のトップスターのトップスター道を見届けられた嬉しさと、もう観られないのだという寂しさが入り混じった気持ちです。私にとってはマイティーもほってぃもいなくなってしまったため、次からの花組は新生花組という気持ちで観るんだろうなと思います。

今月からは新トップコンビとほのかちゃんがそれぞれを率いて公演をし、秋にはパワーを付けた双方のチームが合流しさらにパワーアップした姿を魅せてくれることでしょう。
個人的次の観劇はLiefieになります。ドンジュアンは取れなかった…まずはほのかちゃん率いるリーフィーチームを楽しみに待ちたいと思います。

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