【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(番外編)初期4クラス
オンラインRPG「Tree of Savior M」の攻略記事です。これまで5つの記事で、このゲームにおける「クレリック」という「クラス系列」(一般的なRPGでいう「職業」)のスキル構成例についてご紹介してきました。本記事ではその「オマケ」として、「初期4クラスはどうなのか?」を調べた計算例をご紹介したいと思います。
本記事はもしかしたら、攻略上のご参考になるというよりは、純然たる好奇心を満たす、もしくは初期4クラスが選択肢の全てだった時代を懐かしく思い出す、という感じのものと言えるかもしれません🌸
本記事の本編と言いますか、先立つ5つの記事は以下です。必要に応じて適宜参照していただければと思います。
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―①スキルカタログ|EK (note.com)
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(1) 汎用セット一例と計算|EK (note.com)
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(2) 対悪魔型・変異型|EK (note.com)
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(3)おみくじ構成例|EK (note.com)
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(4)回復支援型構成例|EK (note.com)
上の各記事でもそうですが、お忙しい方は、太字のところだけ目で追っていく、という風にしても何となく雰囲気が分かるように書いてみました。そうしていって、気になるところがあったらその前後の文章や表を見てみる、というのでも良いかと思います。
本記事がご参考になれば幸いです。
1.いきなり結果
はい、いきなり結果です(笑)。本記事の主内容は多分、下記の一枚の表に尽くせるのではないかと思います。
表の見方を説明します。表中の水平線より上は初期4クラス、下は「マスタークラス」です。「HPS」は「秒間HP回復量」であり、ステータスの「治癒力」を100としたときに毎秒いくつのHPを回復させることができるかの値です。「DPS」は「秒間ダメージ」であり、通常攻撃ダメージを100としたときに毎秒いくつのダメージを与えるかの値です。「SP消費/秒」は1秒あたりのSP消費量です。赤文字は、各項目で最も高い数値です。ただし初期4クラスとマスタークラスとで別々にしています。
以下、各項目についてもう少し説明します。
まず、初期4クラスというのは「クレリック」、「パラディン」、「インクイジター」、「プレイグドクター」の4つです。表では適宜名前を略してあります。ここで言う「クレリック」は、「クレリック」というクラス系列に属する「クレリック」というクラスです。ややこしいですね(笑)。
レベル70までの間は、基本的にこの4つのクラスから1つを選んで各種コンテンツを進めていくことになります。戦闘中以外ならいつでも変更できます。これら初期4クラスでは、スキル構成があらかじめ決められています。ユーザーが変更することはできません。
一方「マスタークラス」では、ユーザーが一定の制限内で自由にスキルセットを組むことができます。それによって火力や支援能力が千差万別(というのはちょっと大袈裟ですが)に変化します。
ここで挙げた4つ(「マスター〇〇」と書いた4つ)は、私が勝手に代表例と見なして持ってきた4つです。
マスタークラスの仕様の詳細については、上掲の記事「クレリックのスキル選びについて―①」の、該当箇所を参照してください。
クレリックとプレイグドクターは「火力」と「回復」の2通りに分けてありますが、その違いは、「エンブレム効果」のうち1つを回復スキルにあてたか否かの違いです。あてた場合が「回復」、あてなかった場合が「火力」です。
「エンブレム効果」というのはこのゲームの装備につく特殊効果の1種です。特定のスキルの効果を向上させてくれます。2024年3月現在、4つのエンブレム効果をつけることができます。それを全部火力用にしたか、そのうちの1つを回復用にしたか、の違いです。
「HPS」は上述の通り、「ステータスの『治癒力』を100としたときに毎秒いくつのHPを回復させることができるか」の値です。治癒力がその10倍だったら単純にHP回復量も10倍になります。
なので、例えば治癒力30,000の人がクラスとして「クレリック(回復)」を選んだ場合、その人は毎秒69.85×30,000/100=20,955のHPを回復させる、ということになります。
「DPS」も同様です。こちらは「通常攻撃ダメージを100としたときの毎秒あたりの与ダメージ」です。パラディンで一般ボスを相手にしたときのDPSが表では「1564.46」と書いてありますが、そのボスに対して通常攻撃で10,000のダメージを与えるというプレイヤーだったら、毎秒の与ダメージはその10000/100=100倍になります。つまり1564.46×10000/100=156,446になります。
さて、それでは、表に示された結果を文章でも記述してみます。
参照の便のため、上に載せたのと全く同じ表をここにもう一度載せます。
まず初期4クラスの様子を見てみましょう。2023年10月のサービス開始以来、2024年1月に「マスタークラス」が実装されるまでは、その初期4クラスが選択できる戦闘スタイルの全てでした。
その中で最も高い回復能力を持っていたのは「クレリック」でした。HPSが69.85となっています。ただし火力は最も低いです。
ボス一般に対して最も高い火力を持っていたのは、インクイジターでした。DPSが2437.36となっています。「一般」と書きましたが、より正確に言えば「悪魔型もしくは変異型以外」です。このゲームではモンスターにそれぞれ「獣型」、「植物型」などの「種族」が設定されており、ボスモンスターも例外ではありません。その中で、「悪魔型」もしくは「変異型」以外の種族のボスモンスターに対しては、インクイジターが一番強かったということです。
他方、「悪魔型/変異型」のボスモンスターに対してダントツの火力を誇っていたのがパラディンでした。DPSは圧巻の4048です。これはまた、
おそらく当時としては全職中でも最高だったようです。
ついでに、一般ボスに対するインクやプレイグの「2437」とか「2185」というDPSも、当時としては全職中トップクラスに入るものだったみたいです。クレリックの黄金時代だったようです...( = =) トオイメ
一番総合力が高そうなのはプレイグドクターでした。回復・支援もできますし、火力も一般ボス相手ではインクイジターの90%が出せています。対悪魔変異ボスではさすがにパラディンが異常なので突き放されていますが、順位としてはそれに次ぐものであり、おそらく当時としては十分トップクラスだったぽいDPSが出ています。
メインクエストで節目節目の関門となるボスモンスター戦でも、プレイグドクターにはいつもお世話になっていた印象があります。
私は2023年12月にこのゲームを始めたのですが、そのときに自分で各クラスを使用しながら体感で感じていたことと、上記の計算結果はおおむね一致するものでした。懐かしいですね。
同じく昨年からやっていたというプレイヤーの皆さんも、「そうだった、そうだった、懐かしいなあ」と共感していただけたら嬉しいです🌟
さて、2024年1月に「マスタークラス」が実装されると、各クラスに分散していた強スキルを一定の制限下とはいえ一気に集めてくることができるようになりました。なので、さすがにそれ以降は「マスタークラス」のほうが強いという状況になったようです。現在ではほぼ全ての人が、レベル70以降はマスタークラスでプレイしています。
マスタークラスのスキル構成例の中で、「一般ボス」つまり「悪魔型/変異型以外のボス」に対して最も火力が出そうなもののひとつが、表の「マスター汎用火力」のところで参照した構成例です。
具体的には、以前の記事「クレリックのスキル選びについて―②(1)」で、最もDPSが高かったもの(そこの4-1節のもの)、に少し修正を加えたもの、です。何を修正したのかというと、「破魔矢」を「切開」に変えました。実はその記事を書いていたとき、2番スロットに「切開」を入れられるということを度忘れしていたのです(-_-;) 後日それに気づき、そこを「切開」に代えて再計算してみたところ、そちらの方がDPSが高かったので、それ以来の記事ではその数値をずっと使ってきたのでした。それをここでも使った次第です。(ちなみに、そのことによって上掲の「②(1)」で述べた諸考察が変化することはありません。比較した全ての構成において単純に火力が底上げされるだけです)。
また、以前の記事では特性枠を2枠ほど自由枠としていましたが、ここではインクイジターとの比較の都合上、その1つに「インクイジターマスタリー」を入れています。
「マスター汎用クラス」のところの数値を見ると、DPSは「3352.01」となっています。初期4クラス時代に最強だったインクイジターと比べると約1.375倍ですね。
他方、「悪魔型/変異型のボス」に対して最も火力が出そうな構成の一例が、「マスター対悪魔変異」として参照した構成です。具体的には、以前の記事「クレリックのスキル選びについて―②(2)」で、3-1節に示した構成例です。
ただし、以前の記事では特性枠を2枠ほど自由枠としていましたが、ここではインクイジターとの比較の都合上、その1つに「インクイジターマスタリー」を入れています。
「マスター対悪魔変異」のところの数値を見ると、DPSは「5947.04」となっています。初期4クラス時代に最強だったパラディンと比べると約1.47倍です。
そして、自分や仲間のHP回復量が最も高くなりそうな構成(表中の「マスター回復バランス」)として参照したのが、前回の記事「クレリックのスキル選びについて―②(4)」の第6節で3番目に示した構成例です。
実はそこの1番目や2番目に示した構成例の方がHPSに関しては約4%ほど高いのですが、そちらだと火力が結構がっつり下がってしまいます。なので、個人的に回復・支援力と火力のバランスがよさそうに感じた3番目の事例のほうを、こちらで参照した次第です。「回復バランス」という名前になっているのはそのためです。
なお、以前の記事では特性枠を2枠ほど自由枠としていましたが、ここではインクイジターとの比較の都合上、その1つに「インクイジターマスタリー」を入れています。
「マスター回復バランス」のところを見ると、HPSが95.80、DPSが1183.58となっています。初期4クラス時代のクレリックと比べるとHPSが約1.37倍に上がっています。ただしDPSは約4%下がっています。
初期クレリックと比べて、より回復支援に特化した、ということになりますね。
ただ、そうなると、「回復力はそんなになくてもいいから、もう少し火力が出たほうがいいな」という状況のとき、マスタークラスよりもむしろ初期クレリックで行く、という発想が出てきますね。
そこで参照したのが、表で「マスター回復火力」とした構成例です。具体的には上述の記事「クレリックのスキル選びについて―②(4)」で、第6節の4番目に示した構成例です。
なお、ここでも、以前の記事では特性枠を2枠ほど自由枠としていましたが、ここではインクイジターとの比較の都合上、その1つに「インクイジターマスタリー」を入れています。
「マスター回復火力」のところを見ると、回復を少し落として火力を上げたい、という場合でも、初期クラスのクレリックよりマスタークラスのほうが上になりそう、ということが分かります(その場合、回復の方の差は誤差レベルになりますが)。
なので結局ここでも、マスタークラスが無難なようです。
といった感じのことが、本記事の主要な結果になります。個人的にはなかなか面白い計算でした🌷
また、時々、「もしかして下手にマスタークラスを組むより初期クラスのほうが完成度高かったりしないか」と不安になる時がありますよね。そんな時、参考にしていただけるのではないかと思います。
それを抜きにしても、初期4クラスと現在のマスタークラスとの比較というのは、マスタークラス実装前の時代を懐かしく思い出すきっかけにもなり、楽しいひと時でした(*ノ>ᴗ<)
2.計算の詳細
以下では、上で述べた結果に至った計算過程について、もう少し詳しくパラメータ等を開示します。興味ある方は参照してみてください。(あるいは、それほど興味がないという方も、お暇でしたら🌸)
これまでの記事と同様に、各クラスのスキル構成および各種の数値を、表の形で示します。表の見方については、これまでの記事を参照してください。詳しいのは、「クレリックのスキル選びについて―①」の2-3節と、「クレリックのスキル選びについて―②(1)」の第2節だと思います。
なお、「プレイグドクター」以外の3クラスについては、クポルのうち1体を「SPクポル」とし、そのぶん消費SPを気にせずに火力を上げるようにしています。それが最も火力が上がるからです。「SPクポル」を外すと、消費SPを抑えるために色々な調整が必要になり、それは火力の低下をもたらします。その代わり「SPクポル」と交代したクポルの攻撃・支援スキルを使用することができるようになりますが、2024年3月現在、その中で最も強い攻撃・支援スキルを持っていると思われるクポルでも、その低下を挽回しきるまでには至りません。
また、表の中でスキル名が変な略称になっているものもありますが、これは私がスキル一覧表を整理する上で適当につけた名前です。
詳細は上掲の記事「クレリックのスキル選びについて―①」を参照してください。でも、無理に参照していただかなくても大丈夫です。とにかくそういうものなんだ、と軽く受け止めていただいても、本記事では問題ないと思います。
各計算で用いた各種の計算式等については、以下の2つのPDFファイル(Buff.pdfとASPD.pdf)で詳しく説明しました。数学に抵抗がないという方は是非読んでみてください。どちらも少々分量が多いですが、記述を丁寧に書いたためです。また、全て読まなくても、気になったところだけ参照すれば分かるように書いてみたつもりです。
2-1.初期クレリック
さて、まずは初期クレリックです。先述したように、「クレリック」というクラス系列に属する「クレリック」というクラスです。ややこしいですね(笑)。なので本記事では「初期クレリック」と呼ぶことにします。そのスキル構成および各種数値は、次のようになっています。
すみません、上とはまた違う意味で紛らわしいのですが、表の上のほうにある「与ダメ期待倍率」と「SP自然回復/秒」は、初期クレリックになると必ずその数字になるというものではありません。今回の計算のために参照した、いわば外部パラメータです。
「与ダメ期待倍率」は、いわゆる「クリティカルヒット」の要因を考慮に入れた場合の与ダメージ倍率の期待値です。時々クリティカルヒットが出てダメージが増倍されることを考慮すると、与ダメージ期待値は基本ダメージの何倍になると期待されるか、という値です。
これはプレイヤーのステータスによって変動しますが、ここでは2024年3月現在の平均的なプレイヤーのステータスと思われるステータスを参照しました。詳細は上述の記事らを参照してください。平均的なプレイヤーが持つパラメータのひとつという程度の認識でも構いません。
「SP自然回復/秒」のほうは、文字通り1秒あたりのSP自然回復量です。実際は1秒ではなく5秒ごとに一定値を回復する仕様ですが、ここではそれを1秒あたりに換算しています。
ただしそこの「59.7」という数字は、ある平均的な装備のもとで、SP自然回復を30%アップする料理アイテムを使用し、かつ、「SPクポル」を同行した場合の数字です。
「クポル」というのは一緒に戦ってくれる妖精のようなもので、「SPクポル」と呼んだのは、その中でもSP自然回復を助けてくれるもののことです。クポルは2024年3月現在の仕様では最大で3体まで同行させることができますが、そのうちの1体を、「SPクポル」にした場合の数字ということです。それを他のクポルに代えると、SP自然回復/秒は37に下がります。
表の中で数字が赤くなっているところは、何かのスキルの特殊効果によってそこの数値が変化したところです。大抵はプラスの効果です。
まずクラス特性「償い」の効果によってヒールとディバインプロテクトのCD(クールタイム)が減少しています。
他方、ここではディバインプロテクトに付属しているスキル特性(一種のパッシブスキル)のひとつをONにした結果、各スキルの消費SPとSDMG(スキルダメージ)が増えています。その特性というのは、「ディバインプロテクトのバフ効果持続中、アクティブスキルを使用するたびに38のSPを追加で消費し、335のスキルダメージを追撃として与える」というものです。
CD減少や追撃発生はプラスの効果ですが、消費SP増加はマイナスの効果ですね。そんな感じで、良いものであれ良くないものであれ、数値が変化したところを赤文字にしています。
ディバインプロテクトのSDMGのところが「?」になっていますが、これは、上記の追撃特性がディバインプロテクト自身についても適用されるのかどうか未確認だからです。でもどちらであったにしても、その影響はあまり大きくないので、とりあえず未確認のままにしてあるのです。いつか確認できたら修正します。
さて、上の表の状態から、いくつかのスキルについて「エンブレム効果」をつけたのが下の表です。
本記事の第1節で、「クレリック(回復)」の「一般ボス」に対するパラメータとして表示したのは、この表の数値です。
肌色のところが、「エンブレム効果」によって数値がアップしたところです。これまでの記事同様、本記事でもアップ量は一律「40%」としました。実際にはその前後に変動がありますが、十分よい近似だと思います。
一段濃い肌色になっているところは、エンブレム効果が重複したところです。2024年3月現在、攻撃スキルに関するエンブレム効果のうち何か1つだけについては、同じものが重複して付くことがあるのです。ここでは、「スマイトとコンビクションのダメージを40%アップする」というエンブレム効果が重複して付いた、という幸運な場合の数値を計算してみたわけです。ダメージが1.4×1.4=1.96倍(!)になっています。
他方、エンブレム効果を全て攻撃スキルにあてたのが以下です。
本記事の第1節で、「クレリック(火力)」のパラメータとして表示したのは、この表の数値です。
HPSは上より約24.5%下がりましたが、火力は約3.3%上がりました。思ったより微妙ですね( ̄▽ ̄;)
以上は、悪魔型/変異型以外のボスに対する数値です。相手が悪魔型/変異型のボスだと、いくつかのスキルがパワーアップします。その結果が以下です。まず、回復重視のエンブレム構成で、悪魔型/変異型のボスを相手にした場合です。
与ダメージが約5%上がりました✨
本記事第1節の表の「クレリック(回復)」のところで、悪魔変異ボス相手のDPSとして表示したのは、ここのDPSです。
HPSと消費SPは、一般ボスの時と同じです。
各スキルのDPSが軒並み赤文字になっているのは、「グランドナモット」の効果です。「悪魔型/変異型に対し、5秒間、被ダメージが14%上がるというデバフを付与する」というものです。それの効果で、微妙にDPSが上がっています。
次に、エンブレム効果を全て攻撃スキルにつけた場合の、対悪魔型/変異型ボス戦での数値です。
こちらでは約4%上がりました✨
本記事第1節の表の「クレリック(火力)」のところで、悪魔変異ボス相手のDPSとして表示したのは、ここのDPSです。
2-2.パラディン
次はパラディンです。まず、相手が「一般ボス」(悪魔型/変異型でないボス)の場合の基本数値が以下です。
「サンク打数」というのは、「サンクチュアリ」を何打まで続けることにしたか、の値です。サンクチュアリはいわゆる「チャネリングスキル」の一種で、スキルボタンを押下(タップ)し続けている間、0.5秒ごとにSPを消費し、周辺の敵にダメージを与えます。ただしそれを継続している間、他の行動は一切とれません。それを、何回目のダメージが出るまで継続することにしたか、の数字です。
ここでは、「SP消費/秒がSP自然回復/秒を上回らない範囲でギリギリまで続ける」という方針をとりました。その結果が「9.8打」ということです。仕様上の最大打数は10打ですので、ほぼ最大です。
表の中における各スキルのCD(クールタイム)は、実は本来の値より少し長くなっています。これはサンクチュアリの影響です。それら各スキルのクールタイムが明けた時、サンクチュアリを使用している最中だったら、そのスキルの使用はサンクチュアリが終わるまでお預けになります。それは実質的にはそのスキルのCDが長くなるのと同じです。その、いわば「実質CD」を記入したものです。
もちろん、サンクチュアリのほうを止めて他のスキルの使用を優先するという選択肢もあります。でも一般にサンクチュアリを続けたほうが総合的なDPSは高くなります。
さて、ここに、火力を最大限上げてくれそうなほぼ理想的なエンブレム効果をつけた場合が以下です。
エンブレムを付ける前より約1.44倍になりました✨
本記事第1節の表の「パラディン」のところで、「一般ボス」相手のDPSと消費SPとして表示したのは、ここの数値です。
初期クレリックの約1.24倍のDPSとなっています。体感ではもうちょっとあったような気もするのですが、まあ、こんなもんでしたかね? 基本コンセプトは「防御寄りの戦士」みたいですし。そういえば忘れていましたが、実際にパラディンは色々なアクティブスキルやパッシブスキルによって、防御面の充実がはかられていたクラスだったのでした。
しかしそんな M属性の 堅実な守り人のパラディン君が 突然Sに目覚める 華々しい高火力へと覚醒するのが対悪魔型/変異型戦なのでした!
対悪魔型/変異型ボス戦での数値が以下です。
本記事第1節の表の「パラディン」のところで、「悪魔変異ボス」相手のDPSとして表示したのは、ここの数値です。
サンクチュアリのDPSやばいですね(笑)
また、この表では目立たないかもしれませんが、もう1人の主役は「クルセイド」です。直接ダメージを与えることはない純然たるバフスキルなのですが、そのバフ効果の中に、悪魔型/変異型に対する与ダメージを約2倍前後にする、というものがあるのです。それらの結果、マスタークラス実装前は全職中でも最上級だったらしいDPSになりました🌟
2-3.インクイジター
次はインクイジターについてです。そのスキル構成と基本的な数値は以下のようになります。
上の方の「リッパー打数」というのは、ブレストリッパーを何打まで出すようにしたか、の数です。パラディンの時にはサンクチュアリというチャネリングスキルがありましたが、こちらではブレストリッパーというチャネリングスキルがあるのです。でっかいハサミを召喚してチョキチョキする、RPGの風景としては珍しいスキルです( ̄▽ ̄;) その見た目は奇抜(?)ですが、数字上の振る舞いはサンクチュアリと同様なので、ここの計算でもサンクチュアリと同様に扱いました。
意外に大きな貢献をしているのは、クラス特性の「インクイジターマスタリー」です。これは「相手の防御力を5~7%無視する」というものです。
レベル115前後だと、約14%のダメージアップをもたらします。
似たような特殊効果としては、スマイトの「相手の防御力を25%無視する」というものと、コンビクションの「50%無視する」というものがあります。そしてそれらによる実質効果は、与ダメージをそれぞれ25%および55%アップするというものです。少なくとも私がちょっと調べた範囲ではそうなっているようでした。そこからの類推でいくと、「じゃあ防御力を5~7%無視するなら与ダメージ6%アップぐらいかな?」と思っていたのですが、なんと約14%アップでした。
他の一般的なRPGと同様、このゲームでも、攻撃力と防御力がどのように関係しあって最終的な与ダメージが決まるのか、その具体的な計算式は秘匿されています。なので、どういう計算でそういうことになっているのかは分かりません。
あるいはひょっとしてバグとか手違いの類だったりするのでしょうか💧まあ分からないですね。とにかくそうなっているようです。
そういえば以前の記事「クレリックのスキル選びについて―①」でもご紹介したように、インクイジターのスキルはゲーム内説明文ガン無視の自由奔放な「暴れん坊」スキルが目白押しです(笑)。ひょっとしたらこのインクイジターマスタリー君も、自分が表舞台に立つことはないとはいえ、裏から暴れん坊オーラを送り続けている、「影の暴れん坊」かもしれないですね🌷
他方、「ペア―オブアングイッシュ」には、「相手に対し、魔法攻撃をするたびにダメージを受けるというデバフを与える」という特殊効果がありますが、それは計算に入れていません。発動条件が特殊ですし、具体的にどれくらいのダメージを与えるのかもよく分からないからです。
でもゲーム内の色々な経験から、それが決定的に大きなダメージソースになるということはなさそうな気がします。なので 面倒くさいので いたずらに誤差要因を増やさないために、その要因については保留しています。
最後に、通常攻撃の動作時間を「0.90秒」としていますが、これは推測です。ゲーム内ではインクイジターの通常攻撃について、「動作が遅くなるがダメージは2倍になる」と書かれているのですが、実際に測定してみるとよく分からないのです。
・・・というより、「コレ、遅くなってなくない?」という印象を受けます( ̄▽ ̄;)
ですが、インクイジターと同様に回復スキルを捨てて「戦士」系に寄ったクラスであるパラディンの通常攻撃が、実質的には初期クレリックの1.5倍の攻撃力となっています。それとのバランスを考えると、インクイジターの通常攻撃も(少なくとも本来は)そうなっているのではないか、と思われました。なので、「ダメージは2倍になるけど、速度が遅くなった結果、実質的なDPSは1.5倍になる」と予想し、逆算して求めたのが、「0.90秒」という数字です。
でも、まさに今この文章を書きながら思い出したのですが、インクイジターは上述のように「スキル説明文ガン無視」の暴れん坊スキルが目白押しのクラスなのでした。もしかしたら、地味でまじめな通常攻撃君でさえもそれらの自由人たちの姿に感化されてしまって、「動作時間が遅くなる」という設定を無視した暴れん坊になっちゃっているのかもしれませんね( ̄▽ ̄;)
でもまあ、「本来はそんな感じになっているはず」と思われる「0.90秒」という値を用いて計算しました。間違っていたとしても、「当たらずとも遠からず」だと思いますし、最終結果に対して致命的な誤差を与えるものではないと思います。
さて、いずれにせよ、上記の状態から、火力を最大限に上げてくれそうな4つの理想的なエンブレム効果をつけてみた場合が以下です。
本記事第1節の表の「インクイジター」のところで、「一般ボス」相手のDPSと消費SPとして表示したのは、ここの数値です。
ブレストリッパーが、一般ボス相手のDPSとしては初期4クラス内で最大のDPSを出していますね✨
悪魔型/変異型のボスモンスターが相手の場合は、数値が少し変わって以下のようになります。
本記事第1節の表の「インクイジター」のところで、「悪魔変異ボス」相手のDPSとして表示したのは、ここの数値です。
さっきと変わっているのは、実は「ゴッドスマッシュ」だけです。ゴッドスマッシュには、「悪魔型/変異型の相手に対してダメージが1.1倍になる」という仕様があるのです(相手が1体の場合)。でもそれだけです。他のスキルにはそういうものはありません。
逆に言えば、ゴッドスマッシュ以外は、相手が悪魔だろうが何だろうが関係なく同じダメージを与えるということです。
インクイジターのイメージコンセプトは「異端審問官」ですが、拷問のし過ぎで頭おかしくなって、もう相手が悪魔だろうが何だろうが関係なくなっちゃったんですかね( ̄▽ ̄;)
その中で唯一残された良心がゴッドスマッシュであり、上に述べた仕様の逆、つまり「悪魔型/変異型以外の相手に対しては(ちょっと手加減して)ダメージが1/1.1≒0.91倍になる」となっているのかもしれません(!?)
2-4.プレイグドクター
最後に、プレイグドクターについてです。このクラスを使用する場合、ほぼ間違いなく、約40秒ごとに20秒間、「ビークマスク」という独特のマスクをかぶったお茶目な姿に変わります🌷 私も最初はびっくりしたのですが、慣れてくるとだんだん可愛く見えてくるから不思議です(笑)。
余談はさておき、そのスキル構成と基本数値は以下のようになります。
ふと今きづいたのですが、エンブレム効果がついていないこの時点で、すでにパラディンに理想的なエンブレム効果が付いた場合の対一般ボス火力(DPS1564.46)に並んじゃってますね( ̄▽ ̄;)
各クラスの説明文を読むと、「一番攻撃に全力なのはインクイジターで、パラディンとプレイグドクターはそれよりも防御面・回復面にリソースを割いたクラス、という設定なのかな」という印象を受けるのですが、何か異変が起こっています(笑)。
実際、このゲームを始めたばかりの頃、各クラス説明文を読んでそう思ったのでした。でも「ランキング」とかで他のクレリックプレイヤーさんを見てみると、ずらりとプレイグドクターばかりが並んでいて、「え、何!?」とたじろいだ記憶があります。懐かしいですね(*´ω`)
上掲の表の「特性」枠で「魔導浄化」の文字が灰色になっていますが、これは、悪魔型/変異型以外の相手に対してはこのクラス特性は効果を持たないからです。この特性は「悪魔型/変異型の相手に対しダメージを1.2倍にする」というものだからです。
表を見ると、3つのスキルにおける「DOT」が、随分高い数字になっていますね。DOTというのは、毒や出血といった状態異常によって周期的に与えるダメージのことです。このゲームでは「持続ダメージ」と表現されています。しかし実はこれらの数字は、CD(クールタイム)が明けてそのスキルを再使用できるようになるまでの間、相手がそのDOTを全て受けきった場合の数字です。
一般モンスターだとそれを受けきらないで倒れてしまうことも多いですね。極端な話、相手が最初の一撃で倒れてしまってDOT部分にまったく出番がないという場合、DPSは実に856.38まで下がります。初期クラスの中では「クレリック」並みに低いDPSです。
なので、低レベル時代、ほんの数秒の手合わせで倒せるような一般モンスターを大量に倒していくことが要求されるメインクエストでは、私はプレイグドクターよりもパラディンのほうを主に使っていました。懐かしいですね(*´ω`)
でも相手がボスモンスターならば、典型的には戦闘時間が3分~5分前後におよびますので(長いと20分ぐらいになることもあります…!)、十分に機能する数字だと思います。なのでここではそれらの数字をそのまま使うことにします。
さて、上記の状態から、ほぼ理想的な4つのエンブレム効果が付いた場合を、以下に示していきます。
まず、4つのエンブレム効果がすべて攻撃スキル用である場合、かつ、「一般ボス」(悪魔型/変異型以外のボスモンスター)が相手である場合は、次のようになります。
本記事第1節の表の「プレイグドクター(火力)」のところで、「一般ボス」相手のDPSと消費SPとして表示したのは、ここの数値です。
クレリックの約40%の回復力を持つと同時に、DPSもインクイジターの約90%出せるという、優秀なスペックですね✨
ちなみに、これまでの3クラスでは「スマイトとコンビクションのダメージを40%アップする」という、一石二鳥エンブレムが常連でしたが、ここではそれを「切開」用に代えています。そのほうが総DPSが上がるからです。
次に、悪魔型/変異型のボスモンスターを相手にした場合です。このときはクラス特性「魔導浄化」が効果を発揮して、ダメージが1.2倍になります。その結果、数値は以下のように変わります。
本記事第1節の表の「プレイグドクター(火力)」のところで、「悪魔変異ボス」相手のDPSとして表示したのは、ここの数値です。
まあ、単純に「一般ボス」のときの1.2倍になっただけです🌷
インクイジターで悪魔型/変異型ボスを相手にしたときより高いDPSになっています。パラディンに比べると約65%ですが、それはパラディンが異常なだけです(笑)。マスタークラス実装前の時代は十分トップクラスに入る火力だったみたいです。
さて、以上は4つのエンブレム効果をすべて攻撃スキル用にした場合でした。
しかしプレイグドクターの場合、初期クレリックのときと同様、ひとつは回復スキルにまわして生存能力を上げる、というのも十分に有力な選択肢です。
そこで、4つのエンブレム効果のうち1つを回復スキル用にしたのが、以下の2つの表です。
まず、「一般ボス」(悪魔型/変異型以外のボスモンスター)を相手にした場合が以下です。
本記事第1節の表の「プレイグドクター(回復)」のところで、「一般ボス」相手のHPS、DPS、消費SPとして表示したのは、ここの数値です。
火力が約5.7%下がりましたが、毎秒あたりのHP回復量は約25%上がりました✨
逆に言えば、火力を約5.7%下げただけで、回復力を約25%上げられた、とも言えますね✨
次に、悪魔型/変異型のボスモンスターが相手の場合です。
本記事第1節の表の「プレイグドクター(回復)」のところで、「悪魔変異ボス」相手のDPSとして表示したのは、ここの数値です。
単純にDPSが1.2倍になるだけなので、わざわざ表を載せる必要はないと言えばないのですが、まあご参考までに🌷
というわけで以上が、各クラスについてのもう少し具体的な計算過程の説明です。
これらの中から、要点中の要点として、「結局、最終的なDPSやHPSを比較するとどうなるの?」を示したのが、本記事の一番最初に示した表です。
本記事がご参考になれば幸いです。
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